スカーレット (第50回・2019/11/26) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』(公式サイト)
第9週『火まつりの誓い』の
『第50回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
丸熊陶業の社長が急逝。葬儀が終わり、落ち着いた頃、喜美子(戸田恵梨香)は父を亡くした照子(大島優子)を慰める。すると照子から妊娠を打ち明けられ、さらに代替わりした新社長・敏春(本田大輔)の方針で、会社の改革が予定されていると聞く。その影響は絵付け係にも及ぶと聞き、喜美子は気が気でない。家に帰ると、妹・百合子(福田麻由子)から進学の相談を持ちかけられ、幼なじみ・信作(林遣都)のお見合い話も浮上して…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
なぜ社長の急逝や喜美子と照子の会わなかった期間が曖昧?
いつも褒めてばかりだから、決して妄信的に本作を評価している訳でない証しとして、ちょっとだけ気になったことを冒頭で書いておく。
前回の終盤で、丸熊陶業の番頭・加山(田中章)が喜美子(戸田恵梨香)に「緊急事態や。社長が倒れました、病院に運ばれはったんです」と言い、その直後に陶工職人の西牟田(八田浩司)が「加山さん! 社長が亡くなれたそうです」と言い、その直後は大野雑貨店の忠信(マギー)が掛かって来た電話で葬儀の話に進む。
その後に川原家で信作(林遣都)が生前に社長が「静かに見送れ」と遺言的なことを遺したとなっていた。と言うことは、普通なら社長の死は突然死でも事故死でなく、自覚をしていた持病であると考えるのが普通。でも、これまでの描写の中に社長が持病を患っていたようには描かれていない(と思う)。
また、今回のアバンタイトルにも使用された。また、照子(大島優子)が絵付け室にいる喜美子に会いに来るシーンのナレーションが、「照子に会えたのは それから しばらくしてのことです」となっていた。こう言う表現が一見 “雑” や “曖昧” に見せてしまうのだ。
ちゃんと、事前に1カットでも良いから、社長が咳き込んで照子が背中をさするとか、「照子に会えたのは 葬儀が終わって3日後のことでした」とか、具体的な描写を入れれば、より物語にリアルさが加わるのに、本作はずっと時間経過の “時間” を曖昧にしたり、省略したりする。これだけは賛成し兼ねる。
何か意図があってやっているとは思うが、珍しく私には想像出来ない。一体、何故なのか。今回のアバンで喜美子と照子が向き合って、八朔(ハッサク)のような柑橘類を楽しそうに食べ合うシーンが印象的だっただけに、「いつなの?」が気になって気になって…
主題歌明けも曖昧表現が続いて、いろいろ気になって…
主題歌明けは、喜美子が照子から妊娠を打ち明けられ、それも理由で葬儀が内々で執り行われたのも分かったが、やはり何日前なのかは分からず仕舞い。また、照子が「ぽっくりや」と言っていたが、何の病気だったのかも分からず仕舞い。
まあ、物語の本筋に関係ないのだが、曖昧にするのと、明確に描くのでは、作品の精度に影響すると思うのだ。それでなくても、言いたかないが31歳の戸田恵梨香さんが21歳を演じているのを…止めておこう。
丸熊陶業改革、深野退陣、百合子の進学、信作の見合い…だけ?
その後は、喜美子は照子から、新社長に就任した敏春(本田大輔)の経営方針で、会社の “若返り化” と “商品構成” の大改革が予定されており、絵付け係も縮小されると聞く。また、先代の社長から呼ばれた深野心仙(イッセー尾形)は弟子の池ノ内富三郎(夙川アトム)と磯貝忠彦(三谷昌登)へ、信楽を去ることを告げる。
で、喜美子が家に帰ると、妹・百合子(福田麻由子)から進学の相談をされ先生と話して欲しいと頼まれる。更に、終盤で信作にもお見合い話も浮上していると聞き…と、それだけの15分間。
2人の弟子と八郎の心情をナレーションで補強したのは良かった!
良かった部分は、前述の通り、本作が私が曖昧にすべきでないと思う部分を、本作の作り手は曖昧にする手法を取ることをやらないシーンがあったこと。
それは、12分頃からの、フカ先生の2人の弟子が深野が信楽を去ると言う事実を喜美子に言えなかったことと、フカ先生の絵を愛し尊敬している十代田八郎(松下洸平)の気持ちの、同時に2つの脇役とは言え曖昧にすべきでないと私は思う部分を、若干クドさは増すものの、ナレーションで補強したことだ。
やはり、イッセー尾形さんの演技に対して、3人の演技では物足りなくなるのはしょうがない事実だから、ここでの「ナレ処理」は正解だったと思う。
あとがき
丁度、今回が第50回の節目であり、全体の1/3が終わった時点ですが、“節目” 的な内容と言うよりも、本作がお得意の、水曜日から金曜日にかけて右上がりに盛り上げる作戦の準備段階であり、ネタの仕込みの15分だったようですね。
そう思えば、アバンでの喜美子と照子、終盤での喜美子と常治(北村一輝)のそれぞれの食べ物を使ったシーンと、相変わらずの常治の酒飲みっぷりや男尊女卑は、良くも悪くも本作らしさを醸し出したと思います。次回、水曜日からに期待します。
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