スカーレット (第45回・2019/11/20) 感想

連続テレビ小説「スカーレット」

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』公式サイト
第8週『心ゆれる夏』の 『第45回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


川原家の夕食後の団らん。喜美子(戸田恵梨香)の妹・直子(桜庭ななみ)が東京で就職することになり、荷物をまとめながら、父・常治(北村一輝)と見送りについてもめている。さらに話題は信作(林遣都)の両親・陽子(財前直見)と忠信(マギー)のケンカに。原因は謎のへそくりと聞いた母・マツ(富田靖子)は、思いあたる節があるようで慌てて駆けて行く。一方、照子(大島優子)が喜美子の描いた火鉢のデザイン図を手に…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

前回の"振り返り"をせず、全く新しいシーンから始まったアバン!

いいねぇ、今回のアバンタイトルの出だしは。前回は、幼馴染3人のじゃれ合いと3つのフラグ立てしか内容が無かったから、一切前回の “振り返り” をやらずに、全く新しいシーンから始まった。やはり、脚本家と演出家は前回が中途半端だったことを理解していたってことになる。これで再び安心感が出て来た。

また、前回の感想でも書いた通りに、本作は近年の朝ドラの特徴にもなってしまった「中弛みの水曜日」を「フラグを回収し始めて週末まで盛り上げるスタート地点の水曜日」にしている週が多いから、今回のアバンに期待が高まる。

アバン冒頭の姉妹がスイカを食べるシーンにも"例の構図のカット"が!

そして、このアバンの冒頭の姉妹がスイカを食べるシーンにも “例の構図のカット” があった。当blogの読者さんなら “耳にタコ” かも知れないが、画面の手前を大きく襖や扉で覆って、画面の奥の小さな明かりの当たる四角い部分に喜美子を配置して、喜美子の心情を描く構図だ。しかし、今回は人物の配置が違う。

画面奥の小さな明かりの当たる四角い部分には誰もおらず、壁などの手前の薄暗い部分に喜美子(戸田恵梨香)の一番下の妹・百合子(福田麻由子)がいて、その姉妹に奥の光が当たっている構図。でも、この構図が使われる時は、ほぼ必ずと言って良い程に、このカットの “奥の光の当たる四角い部分” に居る人物に大きな人生の変化が訪れる。

そして、恐らくこのシーンだけを見れば、そのエリアに誰も居ない。いや、居ないのでなく、ここは演出家の意図を考えれば、居ない人に変化が起こると言う暗示と捉えるべきだろう。だとすると、この姉妹のやり取りに居るべくして居ない登場人物は、妹・直子(桜庭ななみ)しかいない。だから、直子に変化が起こることが分かる。

分かると言うか、演出家が直子に変化が起こることを視聴者に感じさせるために、この構図を使っているのだ。となれば、演出家と脚本家の意図がシンクロして来た水曜日だから、前回の感想の通りに、 物語の歯車が動くのを期待出来そうだ。

"常治の手拭い"の感動秘話を直子用に親子喧嘩エピにアレンジ!

主題歌明けは、アバンでの暗示通りに、前回を全く無視して、先日からフラグが立っていた直子が東京で就職するエピソードだ。明日上京する直子が荷物をまとめながら、父・常治(北村一輝)と揉めるシーン。

今回は妹とは言え脇役だから、ここは適切にナレーションでフラグ回収の補足をしつつ、視聴者には喜美子が大阪に就職した際の “常治の手拭い” の感動秘話を持ち出して、直子用に親子喧嘩エピソードにアレンジ。この辺はずっと観て来た視聴者に配慮した作りだろう。

"初もん"の"スイカ"で、色々なものが連想出来た

また、スイカを使ったやり取りも実に考えられている。今でこそ “初物” の有難味は減ってはいるが、昭和の頃は “お初” と言って大そう有難く頂いたものだ。それに本作に不足気味の季節感も描けるし、スイカの赤色が、先日の喜美子が書いた火鉢の新デザインの赤いバラにも連想されるし、映像全体が明るくなる効果もある。

更に、貧しい家なら、もっと薄く切って数を多くしそうなのに、喜美子はやや厚めに切ったことで、私の考えすぎかも知れないが、川原家の経済状況が僅かに上向きになっているのも分かる。

まあ、そもそも “初もん” を買える時点で、以前の極貧生活から脱出しつつあるのは分かるが、細かな演出で更に補強しているのが良いと思う。喜美子が常治の寿命を気にしているのを、さらりと挿入したのも良い感じだ。

先週の水曜日も使われたハープとヴァイオリンの劇伴が…

そして、常治の言い分を完全に無視し続ける直子に、百合子がスイカを渡して、家族の仲直りを買って出るくだりから、実に良い雰囲気に。劇伴は “あの” ハープとヴァイオリンの音色の静かな劇伴だ。実はこの劇伴、先週の水曜日(11/13)でも印象的なシーンに使われたのだが、覚えているだろうか。

ちや子(水野美紀)が男社会の新聞社を辞めたのに、また男性社会の出版業界の仕事に就くことになったのを「『どうしてもやりたい。やってみたい やらして下さい!』言うて 必死に思いを伝えて 一生懸命 掛け合うて… ほんで ようやっと 任してもらえることになったんよ」と熱弁を聞いた喜美子が心を揺さぶられ場面だ。

家族の並び順や座り方の違いで、川原家の家族愛が描かれた

先週の場面では、ハープはちや子の行動力に共鳴した喜美子、ヴァイオリンの音色は波乱万丈の人生を振り返る “余裕” が出来たちや子の心情を奏でているように感じた。で、今回は三日月のインサートが入って、家族全員が縁側に座ってスイカを食べる構図。

上手(画面左)から、常治、喜美子、直子、百合子、母・マツ(富田靖子)の並び順で、両親が三姉妹を挟む位置関係なのも、家族愛が感じ取れる。また、常治と直子だけが胡坐をかいて座っているのも、短気で感情表現が苦手な似た者同士の父と娘と言うことまで描いてる。

そして今回のハープは喧嘩ばかりしていた常治と直子が共鳴し合う様子、ヴァイオリンのゆったりしたメロディーは、そんな常治と直子、マツの気遣いを見て家族の良さを改めて感じている “余裕” の出来た喜美子の心情を奏でているように感じられた。

直結するシーンの時間帯が違うと、物語が進んでいるのが分かる

例の劇伴が終わった8分過ぎ、マツが「お酒に換えられんよう うちには置いてない」から、前回での大野雑貨店の忠信(マギー)と陽子(財前直美)の夫婦喧嘩のフラグの回収が始まる。直前のシーンが三日月夜だったのに対して、忠信と陽子の夫婦喧嘩のシーンは夕景。

時間軸は戻っているが、描かれるシーンの時間帯が違うと、物語が着実に変化しているのが分かるから正解。夕方だから野次馬が集まって来るのも自然だし。

川原家全体が入る引きの画と三姉妹の長回しカットが印象的

で、シーンは夜の川原家に戻って私が驚いたのが、縁側で家族が並んでいるところから、走り出すマツを常治が追い掛ける様子を、ドカ~ンと川原家全体が入るような引きの画(ロングショット)が、1カット入ったこと。

照明さんも音声さんも大変だが、あの1カットでスタジオセットの手狭さから視聴者は解放されるし、ドン引きの画から「アホやな」の直子にポンと寄って、更に今度はちょいとカメラを引いて三姉妹を画面の真ん中にちょこんと置く。

このカット編集で生まれるテンポの良さと、ゆっくりと動きながら寄って行く長回しの1カットで魅せる三姉妹の “夢” のお話も、内容にピッタリだ。

直子の上京をナレーション処理せずに描いたのも良かった

13分過ぎは、翌朝で東京に行く直子と直子に付き添う常治、二人を見送る喜美子と百合子。やはり、このシーンは無いとね、って感じ。恐らく、脚本も演出もやる気になれば、前夜の三姉妹の会話劇の場面の会話の音を絞って、「翌日 直子は 父を伴って 予定どおり東京に向かいました」のナレーションを被せても良かったはず。

でも、それをやってしまうと、次の照子(大島優子)と敏春(本田大輔)のやり取りが、また夜のシーンだから、夜と夜でぶつかってしまう。それを避ける意味としても、しっかりと川原家の家族愛を描く意味でも必要だったと思う。

敏春の「お兄さんの身代わり」で、新展開の兆しが見えた!

そして14分前後から、 照子が敏春から火鉢の新デザインについて相談されるシーンに、照子の母・和歌子(未知やすえ)が割って入って来た。そして、丸熊陶業の経営改革の話に進むと思いきや、敏春の「結局 僕は お兄さんの身代わりやから…」で、新展開の兆しが見えた。

更に、ラストシーンで丸熊陶業へ新しい3人の職人が入って来たところで、水曜日終了。前回で立てられた3つ全てのフラグの回収にはならなかったが、週末に向けて “先” が楽しみになったのは間違いない。

15分間に3家族を描き、しっかりホームドラマにしたのはお見事!

また、どうしても書いておきたいのは、本来なら、前述の通りに主人公の妹とは言え脇役には違いないから、今回で描かれたのは主に「直子の上京」だけだから、ナレーション処理だけでも良いのだ。

しかし、前半? の14分間を使って喜美子の川原家、途中で信作(林遣都)の大野家、残りの1分間を使って照子の熊谷家の家族模様を盛り込んで、それぞれの違いを描きつつ、しっかりとホームドラマになっていたのは是非とも褒めたいところ。

これで、前回はやや無駄に思われた、喜美子と照子と信作の幼馴染3人のじゃれ合いっこが、3人各自が抱える問題の裏返しであることも分かった。やはり、水曜日の為の火曜日だった…と言う訳だ。お見事!

あとがき

なるほど。直子の上京、そして最後に登場した事業拡大を図る丸熊陶業に入社して来た3人の若手社員、そして何かを企てている婿の敏春が、今週のサブタイトル『心ゆれる夏』に繋がって行くようですね。果たして、喜美子は、じわじわと「信楽初の女性絵付け師」になるのか、あれよあれよと祭り上げられるのか? その辺の “先” も楽しみです。

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【これまでの感想】

第1週『はじめまして信楽(しがらき)』
1 2 3 4 5 6
第2週『意地と誇りの旅立ち』
7 8 9 10 11 12
第3週『ビバ!大阪新生活』
13 14 15 16 17 18
第4週『一人前になるまでは』
19 20 21 22 23 24
第5週『ときめきは甘く苦く』
25 26 27 28 29 30
第6週『自分で決めた道』
31 32 33 34 35 36
第7週『弟子にしてください!』
37 38 39 40 41 42
第8週『心ゆれる夏
43 44

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