シャーロック アントールドストーリーズ (第7話・2019/11/18) 感想

フジテレビ系・月9『シャーロック アントールドストーリーズ』(公式)
第7話『少年シャーロック現る!祖父誘拐と開かずの金庫』の感想。
なお、原作の小説、アーサー・コナン・ドイル「シャーロック・ホームズ」シリーズ」は既読だが、全作品ではない。
獅子雄(ディーン・フジオカ)と若宮(岩田剛典)を、小学生の虎夫が訪ねて来て、一昨日、家を出たまま戻らない祖父の寅二郎を捜してほしいと依頼。そして寅二郎が大切にしていた小袋を見せる。河川敷で見つけたというその袋の中には白い粉が入っていた。現場を調べた獅子雄達は、寅二郎が2人組に拉致され、車で連れ去られたと確信。その日、寅二郎が利用した介護施設を訪ねる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:アーサー・コナン・ドイル「シャーロック・ホームズ」シリーズ」
脚本:井上由美子(過去作/緊急取調室1,2,3) 第1,2,3,4,5,6話
東山狭(過去作/不明) 第7話
演出:西谷弘(過去作/モンテ・クリスト伯、刑事ゆがみ) 第1,7話
野田悠介(過去作/コード・ブルー・シリーズ、ラジエーションハウス) 第2,4,話
永山耕三(過去作/モンテ・クリスト伯、人は見た目が100パーセント) 第3,5話
平野眞(過去作/モンテ・クリスト伯、昼顔、ガリレオ、刑事ゆがみ)
音楽:菅野祐悟(過去作/半分、青い。リーガルV、東京タラレバ娘、刑事ゆがみ、偽装不倫)
主題歌:DEAN FUJIOKA『Shelly』(A-Sketch)
今回は、ファーストカットから気合が入っていた!
今回は、ファーストカットから気合が入っていた。1カット目は、地面スレスレに置いたカメラをゆっくり首上げすることで、誰かの視線を想像させ、2カット目で杖を持った老人役の伊武雅刀さんが画面の下手(右)から上手(左)に土手の上を歩いているだけで、演出的にはこの老人が被害者になることを容易に想像させ…
恐らく撮影は夕方でなく人気(ひとけ)の少ない早朝に「♪夕焼け小焼け」の子どもたちに帰宅を呼びかける放送風の効果音、そこから一気に犯人たちが現れ、あれよあれよと誘拐事件発生。ここまで僅か1分足らずの短さ。もう、ここだけ見ても今回は「今までと違う!」って感じがヒシヒシと伝わって来た。
獅子雄の小学生時代の回想が映像でしか表現不可能な世界で
そして、2分頃には、序盤から映像でしか不可能な表現で始まった。獅子雄(ディーン・フジオカ)の「昔 そんな固定概念がちがちの教師がいたな」の台詞をきっかけに始まった獅子雄の幼少期の回想シーンは、正に映像だからこそ表現可能な世界を魅せた。部屋の内装はそのままで、教室の机とテーブルが並べられた “セット” の中…
小学生時代の獅子雄を行方不明の祖父・寅二郎(伊武雅刀)を探して欲しいと獅子雄を訪ねて来た孫の羽佐間虎夫を演じる山城琉飛くんが演じ、固定概念がちがちの教師を、獅子雄の助手・若宮を演じる岩田剛典さんが演じ、他の生徒たちは全員マネキン人形と言う、実にシュールな世界で描かれた回想シーン。
普通の回想シーンでは面白くないと言う判断の結果だと思うが、ここまで斬新だと「これ、月9!?」と思ってしまった。
若宮が白チョークで書いたタイトルを獅子雄が溶接機の炎で書き直し
更に、アバンタイトルの最後に、いつも通りに獅子雄の手書きメインタイトルになるかと思いきや、若宮が黒板で使う “白いチョーク” を使って手書きで「ワトソン アントールドストーリーズ」を一度書いた文字を、獅子雄が上着の袖で消して、直前まで使っていた溶接機の炎で「シャーロック アントールドストーリーズ」と書いて裏返し…
今回のメインタイトルは赤く熱を持った文字で描かると言う、何とも凝った作り込み。その後も、カメラのアングルや編集も、ここへ書き出したらキリがない程、工夫が施されており、映像的にとても興味深い作品となった。
過去作品不明の、今作初担当の東山狭氏の脚本も秀作!
また、この第7話の脚本担当は、これまでの前6話の全てを担当して来た井上由美子氏に代わって、東山狭氏へ。ネット検索しても東山狭氏の過去の作品は見当たらなかったから、井上氏の関係者(弟子とか)かも知れない。
流石に、新人の1作目で、この単純に書いたら既視感だらけになりそうな物語を、ここまで秀作のミステリーに仕上げることは出来ないと思う。でも、本当にそうならば、是非とも『相棒』も担当して頂きたいものだ。
あとがき
これまでは、獅子雄と若宮のコンビを描きてきた作品で、今回は獅子雄と依頼人の小学生がコンビを組んで真相に辿り着くと言う異例中の異例な展開。だから、良くも悪くも『月9』らしく、子役でお涙頂戴路線に安易な手法で手掛けても良さそうなのに、そこを徹底的に排除して、物語と映像と演技で真っ向勝負の表現に出ましたね。
そして、それが大成功。とにかく、最終章近くの第7話で、こんな挑戦的なことをやり、見事に「秀作なミステリー」に仕上げたのは驚きしかありません! それと、遂に本作の「オリジナルサウンドトラック」が11月27日に発売されます。本作のサントラ盤は実に良いので、発売を待っていたので楽しみです。
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★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/13489/
【これまでの感想】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話
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