少年寅次郎 (第4話 [連続5回]・2019/11/9) 感想

NHK総合・土曜ドラマ『少年寅次郎』(公式)
第4話 [連続5回]の感想。
なお、原作の小説、山田洋次「悪童(わるがき) 小説 寅次郎の告白」は、未読。
光子(井上真央)は寅次郎(井上優吏)が平造(毎熊克哉)に反抗的な視線を送ることが気になっていた。勉強が苦手な寅次郎だが、担任教師・散歩(岸谷五朗)の英語の授業だけは大好き。そんなある日、寅次郎は学校で散歩から呼び出しを受ける。隣の部屋には、寅次郎の生みの母・お菊(山田真歩)がいた。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:山田洋次「悪童(わるがき) 小説 寅次郎の告白」(小説)
脚本:岡田惠和(過去作/ひよっこ、ど根性ガエル、最後から二番目の恋、セミオトコ)
演出:本木一博(過去作/わろてんか、ベトナムのひかり) 第1,2,3話
船谷純矢(過去作/ドクターカー、癒されたい男) 第4話
岡崎栄(過去作/戦艦武蔵)
音楽:馬飼野康二(過去作/天まであがれ!、教師びんびん物語)
ナレーション:原由子(サザンオールスターズ)
『男はつらいよ』の登場人物たちに共通する3つの特徴が…
明らかに、前3話と演出家が交代して、映像的な処理が別の作品に見えたのが気にはなったものの、『男はつらいよ』の車寅次郎を始めと知る登場人物たちに共通する…
●言わなくても良い時に喋っちゃう
●本音を言えば良い時に嘘をついちゃう
●本音を誤魔化す姿で本音が見えちゃう
これが、寅次郎(井上優吏)の生みの母・お菊(山田真歩)に起因していると言う点が、とても興味深かった。
お菊と光子に直接身体に触れられた寅次郎の心理描写が秀逸
そして、前段では、寅次郎が同級生のマサオの父(山本浩司)と母(しゅはまはるみ)にべたべたと体中を触られた感触と、中盤で光子(井上真央)に身体に触れられて戸惑う姿で、寅次郎の心境の変化を描いたのには恐れ入った。
演出家が山田洋二監督の小津安二郎監督へのリスペクトを描いた
そして、映像的に興味深かったのは、演出家の交代で、随所に、カメラを低い位置に置いて日本家屋での座り芝居を見せる、名匠・小津安二郎の映像美の特徴の一つ「ロー・ポジション」が使用され、小津安二郎監督作品へのオマージュを感じた。因みに、そのシーンは寅次郎の担任の坪内散歩(岸谷五朗)の家での娘・夏子(井頭愛海)たちとの会話劇のアングル。
何せ、山田洋二監督の81本目の監督作は、小津安二郎監督の名作『東京物語』 へオマージュをささげた家族ドラマであり、『男はつらいよ』で「御前様」を演じた笠智衆さんは、小津監督の常連俳優であり、両者の関係は深い。そこを今回の演出家が汲み取って、両監督をリスペクトした…と考えるのは考え過ぎだろうか?
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あとがき
今回は「不器用な生き方しか出来ない寅次郎とお菊」が、とても切なく丁寧に描かれました。そして、実母を亡くしたばかりの私にとっては、観るのが少し辛い程に、母と息子の絆と愛が描かれた感動作だったと思います。もう、次回が最終回。どのような終わり方、いいや寅次郎の「自分探しの旅の始まり」が描かれるのか楽しみです。
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