スカーレット (第31回・2019/11/4) 感想

連続テレビ小説「スカーレット」

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』公式サイト
第6週『自分で決めた道』の 『第31回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


信楽の父・常治(北村一輝)から母のマツ(富田靖子)が倒れたという連絡。大阪で働く喜美子(戸田恵梨香)は慌てて実家に戻ることに。道中、幼なじみの信作(林遣都)が女子高生に囲まれる所に出くわすも、真相わからぬまますれ違う。実家に着くと、マツの倒れた話は常治の嘘だと判明。しかし実際マツの体調が芳しくなく、思春期の直子(桜庭ななみ)の反発を受けての苦肉の策だった。さらに常治が荒木荘に喜美子が辞める連絡を…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

僅か1分30秒のアバン。お見事としか言いようがない…

く~っ! 三連休の最終日で、いつも見ている人も見られないこともあるだろうし、逆に始めて見る人もいるだろう。そんな月曜日のアバンタイトルは、喜美子(戸田恵梨香)の失恋後の先週一週間分を余すことなく重要な要素だけを映像で編集しつつ、ナレーションで補足し再現したのには驚いた。

まず、冒頭の「喜美子は内職でためたお金で 来年の春から通う学校を決めました」と時間経過と “先” の展開を説明。

その後はテンポ良く、職場の人間関係の良さ、「ほな また会いできますね」とジョージ富士川(西川貴教)の紹介、懐かしい 草間(佐藤隆太)との再会、 新聞記者のちや子(水野美紀)で「シビアな男社会」の時代、そして喜美子の父・常治(北村一輝)からの突然の電話で、一気に喜美子の未来に暗雲が立ち込めるまで、僅か1分30秒。お見事としか言いようがない…

本作3人目の演出家に交代したが、心配なさそうだ

そして、喜美子の “先” の光が消えそうになったところで、いつもの明るいオープニング映像。この辺のメリハリもバッチリ。そして、演出担当が本作では3人目の鈴木航氏へ交代した。『梅ちゃん先生』、『あさが来た』、『べっぴんさん』、『わろてんか』とそれぞれ1~2週程度の担当経験しかないが、アバンの編集を見る限り、心配はなさそうだ。

喜美子が慌ただしく出掛けるまでの約1分20秒に16カット!

主題歌明け、早速これまでの本作では殆ど見かけなかったカメラワークがあった。常治からの電話で翌朝、世話しなく信楽に帰る準備をする喜美子が部屋の扉を閉めて、廊下の角を曲がって縁側を早歩きして玄関へ到着するまでのカットと編集のことだ。

カメラは手持ちで最初は狭い廊下を早歩きする喜美子を正面からカメラは後退しながら撮影し、普通ならそのまま行くのに、縁側の廊下の途中でカメラは喜美子の背後に回り込んだカットに切り替わり、喜美子を待ち受ける元女中の大久保(三林京子)らの心配する表情を捉えながら玄関に到着すると…

カメラは最初は喜美子に寄り気味で、すぐに引いた画になって喜美子の動きに合わせて後退しながら、今度は、カメラは玄関の三和土(タタキ)に降りて、雄太郎(木本武宏)を入れ込んだアングルへ。

ここから先は、ほぼ台詞を喋っている人だけを映す「ダイアローグ・カット」で短いカットの連続、それも手持ちカメラで。喜美子が部屋を出て出発し、見送った さだ(羽野晶紀)たちのカットまで、約1分20秒に16カット。1カット5秒の手持ちの短いカットの積み重ねで、喜美子に起きた緊急事態を視聴者に印象付けた。

まあ、マルチカメラ撮影と言う同時に複数台のカメラで撮影している部分もあるが、やはりこれだけ細かいカット割りをするには俳優たちも大変。しかし、そこを手抜きしないから次のシーンが際立つのだ。

煮物の鍋の蓋で始まったのは面白いが、時間経過が不足気味

で、その肝心な次のシーンの1カット目が、煮物の鍋の蓋。ここが面白い。普通なら、そう、この演出家は “普通なら” をやらない。

普通なら、信楽の川原家の全景にトンビの音でも重ねておけば良い。なのに、「これ、何処の家の鍋の蓋なの?」と視聴者に考える間を与えず、女性の手が入り、電話では倒れたはずの母のマツ(富田靖子)が軽快に振り返るショットに繋いだ。そして、またクズ親父の登場だ。3年経ってもクズはクズのまま。生活は変えられても正確は簡単には変わらないのだ。

だから、映像できちんと「信楽川の3年の時間経過」を見せて欲しいのだ。しかし、その直後に、大人しくあまり目立たない性格だった喜美子の幼なじみの信作(林遣都)が女子高生たちに「信様」と囲まれる所に出くわしたことで、以前の信作との変化だけは描いたが時間経過が映像で見えて来ない。2か月前に信作の祖母が亡くなった話でも同じだ。

そして、喜美子の妹・直子役が3人目になっても、時間経過が映像で見えて来ない。だって、喜美子も常治もマツも外見上の変化はないから。川原家の親子げんかも特に変化はない。やはり、秀作の予感の本作も、第5週目にして丁寧過ぎる脚本と演出も息切れか? と落胆し始めた12分頃…

宴会で、時間経過と喜美子の成長と仕事への責任感も描いた

夜の川原家で喜美子の帰省を祝う宴会? が始まった。女中の仕事をしているだけにテキパキと働いたり、飲兵衛の大人たちの相手を巧みにしたり…の喜美子の行動で、まず具体的な時間は分からなくても1年や2年では出来ない “成長” が描かれた。更に「荒木荘の仕事ほっぽり出すようなことはできひん」と仕事への “責任感” も伝わって来た。

後片付けする喜美子の背中に話しかけるマツの会話劇が秀逸

特に良かったのが、宴の後片付けをしている時の喜美子を演じる戸田恵梨香さんの台詞を言いながら皿洗いをする演技とその演技指導。また、常治を寝かせたマツが奥から出て来てからの、互いの顔を見ずに喜美子とマツの会話が絶妙にシンクロしているのを、前述の1人ずつの「ダイアローグ・カット」で処理せずに、2人入れ込みの2ショットの4カット、1分15秒間で描いたこと。

途中で川原家の貧しい状況を改めて知った喜美子がお金を「少し置いていこか?」と言う場面でも、3年と言う時間経過と成長と稼ぎ頭的な責任感が、更に強調された。

最後の喜美子のアップとナレーションで、新章のプロローグに仕上げた!

そして、15分間のラストカットは、川原家を心配する喜美子のアップ。そこへ、こんなナレーションが被る…

N「喜美子が大阪にいる間
    川原家に 一体 何があったのでしょうか?」

先週で、喜美子の新たな人生が始まりそうな雰囲気を醸し出しておいて、週明けの月曜日に早くも暗雲が。最後の喜美子のアップとナレーションで、また新たに始まる新章のプロローグと言う感じに仕上げたと思う。

あとがき

通常の朝ドラなら、担当する演出家の人数は、新人の数名を除けば大体4名。で、今回が3人目ですから、3人目までで、それまでの作風と大きく変化がない点と、3人目にして、これ位の繊細で工夫された演出が出来るなら、また秀作の予感が高まりました。

脚本も安定していますし、何より出演者を見せる、出演者のファンが喜ぶ朝ドラでなく、王道の朝ドラを作ろうと言う気合みたいなものが伝わって来るのが良かったです。どうやら、このまま良い感じで終盤まで行きそうですね。

【追伸】土曜日の感想の投稿が仕事の都合で遅れ、更に三連休の初日でお忙しい中、本記事の投稿時点で、98回ものWeb拍手を頂き、ありがとうございます。土曜日の感想は遅くなりますが、月曜の朝までには投稿しますので、気長に待って頂けると助かります。

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【これまでの感想】

第1週『はじめまして信楽(しがらき)』
1 2 3 4 5 6
第2週『意地と誇りの旅立ち』
7 8 9 10 11 12
第3週『ビバ!大阪新生活』
13 14 15 16 17 18
第4週『一人前になるまでは』
19 20 21 22 23 24
第5週『ときめきは甘く苦く』
25 26 27 28 29 30
第6週『自分で決めた道』

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