スカーレット (第21回・2019/10/23) 感想

連続テレビ小説「スカーレット」

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』公式サイト
第4週『一人前になるまでは』の 『第21回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


喜美子(戸田恵梨香)は荒木荘の住人たちの様々な生き方を通じて、自分の将来を見つめ直す。その結果、「女中の仕事を途中で投げ出して、転職はできない」とオファーをくれたちや子(水野美紀)に告げる。女中として一人前になった後、「自分が本当にやりたい道に進む」と決意。その視線の先には趣味で続ける描きかけの絵があった。その頃、信楽では川原家に異変。室内が荒らされ、家族が大切に取っておいた喜美子からの仕送りが…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

アバンの編集から演出家の丁寧さが滲み出ていた

やはり、今週担当の 2人目の演出家も私の好きな作風だ。アバンタイトルの編集から丁寧さが滲み出ていた。例えば、アバンのファースト・カット。

前回のラスト・カットが夜の荒木荘の喜美子(戸田恵梨香)の暗めの部屋で ちや子(水野美紀)と話していたシーンだったから、今回はそこからの続きで暗いシーン(内容でなく、映像、照明的に…と言う意味)から始めると思いきや…

演出家はナレーションの「喜美子が大阪に来て1か月」に合わせて、なんと喜美子がセーラー服で大阪にやって来たシーンへまで一気に遡って、更にオープン・セットの明るい日差しの中での晴れ晴れしい雰囲気のカットを選んだ。

これ、良いと思う。今週はスタジオ内の映像が多かったから、週の半ばで屋外のカットをアバンの頭でつかうことで、「また何かが始まる予感」を感じさせるのに成功した。また、前回のアバンですら、新聞社で試し働きをするシーンから始まったのに、水曜日で来阪から前回までを、僅か 1分足らずで、まとめを描いた。

セーラー服で来阪した喜美子のカットが "程良い息抜き" になった

その上、このアバンが秀逸なのは、今回が初見の視聴者に、ヒロインを演じる戸田恵梨香さんが「中卒の15歳」で来阪して来たことに始まって…

給料がたったの 1,000円で、薄給でも1か月間一生懸命に働いた給料にただただ嬉しくて、来阪から 1か月で女中としての仕事ぶりを職場(荒木荘)以外の人にも認められる働き者であることや、荒木荘の大人たちが喜美子を良い意味で “子ども扱い” せずに応援している…と言うことまで伝えてしまうような作り込みになっていたこと。

更に、前述のセーラー服で来阪したカットのお陰で、私のようにずっと観ている視聴者に新鮮味も与えた。ある意味で軽い “息抜き” と言えよう。こう言うのが入ると、益々 “先” が見たくなる…

もしも、目覚まし時計が映っていなかったら…

主題歌明けは、前回のラストシーンの続き。時間は、喜美子の後ろの目覚まし時計が「12時38分頃」を指している。もう、この時計 1つで前述のように、荒木荘の大人が喜美子を “子ども扱い” せずに真剣に “喜美子の将来” を支え応援しようとするのが分かる。

もしも、目覚まし時計が映っていなかったら、台詞だけの表現になってしまっただろう。脚本も台詞も大事だ。しかし、朝ドラは、このように登場人物の心情を映像で描くべきなのだ。

ちや子は「うん」と相槌を打つだけ。急がば回れってこと…

そして、話はそのまま喜美子の今の心境を語るくだりへ。今度は演説会でなく、今の自分が感じていることを出来るだけ率直に、且つ ちや子に分かり易く、且つ ちや子に嫌な思いをさせまいと、ちょっぴり 15歳なりに気を遣って話し出す場面が良かった。

喜美子「うち… こういう 絵描くこと好きです」
ちや子「うん」
喜美子「お金も好きです」
ちや子「うん」
喜美子「荒木荘の皆さんのことも
    大久保さんのことも 腹立つことはあっても 好きです」
ちや子「うん」
喜美子「ほやけど ヒラさんも ええ人で…
    新聞社の雑用いう仕事もやってみたい」
ちや子「うん」
喜美子「あそこで働いたら 新しいこと 自分が よう知らん
    新聞に載ってるようなことを 知ることができます」
ちや子「そら 新聞社やからな」
喜美子「はい。ちや子さんの職場 大変そうやけど 好きです」
ちや子「好きばっかりやな」
喜美子「そうですぅ」

もう、この時点で喜美子には、どこで働きたいか? の結論は出ているのだ。出ているから、サクッと結論だけ言っても良いのに、それでは、最近の朝ドラでお馴染みの「出来事や騒動の箇条書き」で終わっちゃう。

先日も書いたように、本作は話を “先” に進めるよりも、ヒロインを中心とした人間関係の深まりや広がりを描きながら、丁寧に視聴者へ “先” に興味を抱かせようとしている作品だ。だから、この ちや子が「うん」とだけ答えて、喜美子の言い分を “聞くだけ” なのが良いのだ。人生も連ドラも朝ドラも、急がば回れなのだ。

2つの「誇り」を一度にサラリと回収しちゃった!

そして、喜美子が一通り「好きなこと」を話したあとに、「嫌いなこと」を話し出してからの展開も実に良く出来ていると思う。

喜美子「うちの嫌いなこと… 途中で放り出すことです」

と、紹介してくれた ちや子に本音をぶつけて、理解を求めた喜美子。そして、前回での平田の「誇りっちゅうのは…」だけでなく、喜美子が幼少期に父・常治(北村一輝)へ主張した「女にも 意地と誇りはあるんじゃあ!」まで、これまたサラリと回収しちゃった。

ちや子と喜美子が人間同士として互いを気遣い本音で話した

その上、ちや子の「かえって うち 惑わしただけみたい…」と謙遜する姿も大人として素敵だし・・・

ちや子に対して「ほかにもあるて 分かりました。ここだけやのうて うちにも やろうと思たら… ほかにもやれることがある。ここのほかにも 自分の進む道があるんや。それが分かっただけでも すごいうれしい。力が出ます 前よりずっと」と、きっと眠たいだろうに、キラキラした瞳で嬉しそうに答え、お礼を言う喜美子。

ここ、本当にいいね。「努力さえすれば、いつか夢は叶う」とか「頑張っていれば、誰かが必ず見ていてくれる」みたいな、ありきたりな大人からの応援歌的な言葉でなく、「お金ためて いつか…」と現実的な要素を 15歳の喜美子に伝えることで、本音を話してくれた喜美子に ちや子が向き合うのが。

そして、喜美子自身が描いた絵のインサート・カット。まだまだ「女性陶芸家」の “未来” は全く見えて来ないが、喜美子の中に「やりたいこと…」が出現することだけは見えた。この位のテンポ感で良いと思う。また、「月給1,000円で ためんの難しいけどな?」の ちや子のオチも楽しかった。

淡々と進む大阪に対して、信楽は何かと騒動が起こるのか?

9分過ぎには、久し振りの信楽にある喜美子の実家が舞台。淡々と進む大阪に対して、信楽は何かと騒動が起こる。こんな緩急の付け方も巧いなと思う。前述の通り、「騒動の箇条書き」は困るが、少しは事件があった方が、ドラマとしての緩急が付いて、面白味が出る。

それにしても、「月給1,000円で ためんの難しいけどな?」の直後に、喜美子の初月給の全額が空き巣に盗まれるとは! でも、ちょっとだけ救いがあった。それは、以前、喜美子の両親は喜美子の初月給全額を首を長くして待っていたように描かれていたのに、今回の喜美子の母・マツ(富田靖子)は「まだ使わんと置いてあったの!」と言っていた。

すぐに使わなくても良いなら「全額よこせ」みたいにせずに、「半分だけ仕送りをしてくれる?」みたいな設定でも良かったような気もするが、やはり、こんなダメ両親だから、喜美子が家族のために踏ん張ろうとするのだろうと考える方が、物語には合っていると思う。

来阪する常治を退治するのは大久保の懐刀かな?

13分過ぎに、実家に空き巣が入り、喜美子の仕送りや妹の小遣いも盗まれたとの一報が喜美子に届く。そして、妹から娘の給料を前借りするために常治が大阪に向かっていると聞いて動揺する。常治への好みは別にして、ここで常治が動き出すのは面白い。

直前で、さだ(羽野晶紀)が東京に出掛けているから、常治を退治するのは、 女中の先輩・大久保(三林京子)ってことになる。さて、どうやって大久保が常治を? まさか、喜美子の内職代で切り抜けるとか! いよいよ最初の1か月のプロローグの山場になりそうで楽しみだ。

あとがき

予告編によると、恋バナ要素もあるはずですから、この「空き巣被害による月給の前借りの騒動」は、これまた明日でサラリと解決するかも知れませんね。とにかく、“先” が気になるように毎回作り込まれているのに驚きます。次回も楽しみです。

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【これまでの感想】

第1週『はじめまして信楽(しがらき)』
1 2 3 4 5 6
第2週『意地と誇りの旅立ち』
7 8 9 10 11 12
第3週『ビバ!大阪新生活』
13 14 15 16 17 18
第4週『一人前になるまでは』
19 20

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