まだ結婚できない男 (第3話・2019/10/22) 感想

関西テレビ制作・フジテレビ系・『まだ結婚できない男』(公式)
火9ドラマ
第3話『若い女優とウワサになって悪いか!!』の感想。
なお、前作の、「結婚できない男)は、鑑賞済み。
桑野(阿部寛)は、隣人で女優の早紀(深川麻衣)が飼い始めた犬が、ペットショップで気に掛けていたパグ犬で、タツオと名付けられたと知る。後日、早紀と立ち話をしていると、元恋人・野村(平田雄也)が現れ復縁を迫った。早紀の様子から、桑野は新恋人を装いその場をやりすごすが、野村が人気俳優だったことから、この時の3人の写真が週刊誌に掲載されてしまう。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし ※結婚できない男 DVD-BOX
脚本:尾崎将也(過去作/アットホーム・ダッド、鬼嫁日記、結婚できない男)
演出:三宅喜重(過去作/結婚できない男、銭の戦争、嘘の戦争) 第1,2話
小松隆志(過去作/結婚できない男、家政夫のミタゾノ1,2,3) 第3話
植田尚(過去作/結婚できない男、まっすぐな男、鬼嫁日記)
音楽:仲西匡(過去作/結婚できない男、うぬぼれ刑事、匿名探偵、黒服物語)
主題歌:持田香織「まだスイミー」(avex trax)
これまでと第3話の違いは脚本家による"微調整"だと思う…
冒頭の健康器具を使ったコミカルな “ツカミ” の良さから、「第3話は、これまでと違うな?」と思ったら、2人目の演出家・小松隆志に交代していた。
しかし、第1,2話担当の三宅喜重氏同様に『結婚できない男』の担当だから全体の雰囲気に大きな差が出る可能性は低い。なのに、序盤から「第3話は、これまでと違うな?」と思わせたと言うことは、脚本家による “微調整” による結果だろう。
桑野が "53歳のオジサン" を強調したエピソードなのが良かった!
その脚本家による “微調整” を強く感じるのが、まず、桑野(阿部寛)が “53歳の中年オジサン” と言うことを敢えて強調したエピソードになっていたから。
実は、第1話も、これまで知り合いでない人との出会いの話だったが、第1話で初期設定の多さ(これは、やむを得ない)や、前作の桑野の相手役との違和感などが交錯して、「13年後」と「53歳」が中途半端なまま、第2話に進んでしまった。だから、私を含む今作に期待した人たちが少々落胆したと思う。
タツオの絡め方も、第3話の方が自然で面白かった
しかし、今回は違う。知り合いでない人を「若くて小柄な女優」と言う、桑野との “年齢差” と “身長差” が見た目で分かり易いキャラクターに仕立てた。更に、桑野の母・育代(草笛光子)に「新介ったら 若い女が好きなのかしらね」と言わせたり、桑野の旧友・中川良雄(尾美としのり)と桑野のバーでのオジサン同士のやり取りがあったり。
また、序盤での第2話で登場した隣人で女優の早紀(深川麻衣)がペットショップで買って飼い始めた犬・タツオの絡め方が、第3話の方が自然で、桑野と早紀の遭遇のエピソードの違和感が払拭されたのも前回から明らかに “微調整” されている。
桑野が、ほんのちょっぴり人間的に"丸くなった"のが見えた!
しかし、これまでの 2話分と大きく違ったのは、46分頃の桑野と早紀がホン読みの最中に、桑野がコアな演劇論を始めたせいで、早紀が女優を続けて行くのを諦めかけた時の、この桑野の台詞だ。
桑 野「なら やめろ。やめたほうがいい」
まどか「また そんなこと」
桑 野「そう言われて 簡単に夢を捨てられるぐらいだったら
やめたほうがいい。
どんな仕事だって必ず辞めたいというときがくる。
でも そこで踏みとどまれたら それこそ 本当の第一歩なんだ。
俺は若いとき そうだったから」
この台詞、明らかに桑野が年齢を重ねて、少し変化、いや、ほんのちょっぴり人間的に “丸くなった” のを表現した。これって、実は大切なことだと思う。だって、多くの視聴者は前作と変わらぬ桑野を期待しているのに、桑野自身が “若い時と今は違う” と表明したようなものなのだから。
従って、今作は前作の13年後のほんのちょっぴり人間的に “丸くなった” 桑野を楽しむドラマとして観るのが正しいのでは? そう、脚本家が視聴者に問い掛けているように感じた瞬間だった。
第3話は明らかに完成度が高まった!
そして、この “微調整” して来た脚本を受け止めた演出家が、それを “違和感” とならないように、桑野を見直す まどか(吉田羊)を含めた桑野の周囲の登場人物を、これまで異常に後退させて、より桑野を際立たせる作戦に出た。
そのお陰で、“まだ結婚しない男” ではなく、タイトル通りの『まだ結婚できない男』がテレビの中に堂々と姿を現した。第1話はそれなりの視聴率で、第2話でグンと落としたのに、第3話は明らかに完成度が高まった。この調子で、脚本が “微調整” を繰り返し、それに演出家が対応して行けば、また本作らしい面白さが復活するに違いないと信じよう…
あとがき
今回くらいに、まどか(吉田羊)と有希江(稲森いずみ)を後退させて、桑野の個性を際立たせるエピソードに仕立てた方が良いと思います。前回の感想のあとがきにも書きましたが、やはり私は阿部寛さんが演じる「桑野信介」と言う男が好きです。
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