映画「ジョーカー(2D・日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし

映画「ジョーカー(2D・日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし
映画『ジョーカー(2D・日本語字幕版)』公式)を先日、劇場鑑賞。

採点は、★★★★(最高5つ星で、4つ)。100点満点なら 85点にします。

【私の評価基準:映画用】
★★★★★  傑作! これを待っていた。Blu-rayで永久保存確定。
★★★★  秀作! 私が太鼓判を押せる作品。
★★★☆☆  まあまあ。お金を払って映画館で観ても悪くない。
★★☆☆☆  好き嫌いの分岐点。無理して映画館で観る必要なし。
☆☆☆☆  他の時間とお金の有意義な使い方を模索すべし。





ディレクター目線のざっくりストーリー

「どんな時でも笑顔で人々を楽しませなさい」と言う母の教えを胸に刻み、コメディアンを夢見るアーサーは、孤独だが心優しい男だった。都会の片隅でピエロのメイクをして大道芸人をしながら病気の母を助け、同じアパートの住人ソフィーに密かに思いを寄せ、精神的な問題や貧困に苦しみながらひっそりと暮らしている。

「笑いのある人生は素晴らしい」、と信じて、どん底から抜け出そうともがくアーサーがなぜ、最強の悪役(スーパーヴィラン)ジョーカーに変貌したのか…

"究極のテロリスト" ジョーカーの切なくも衝撃的な誕生秘話…

映画『バットマン』シリーズの最強の悪役(スーパーヴィラン) “ジョーカー” の誕生秘話を描いた本作。とにかくジョーカーが最悪なのは、この類のコミックスに登場する敵は、普通は武器や超能力を携えて襲って来るから怖い。しかし、ジョーカーは超が付くような能力は何も持っていない。ただの人。なのに、なぜ最強の悪役なのか?

それは犯行にこれと言った動機が無いこと。だから、犯行の予測も出来なければ、系統立てて迎え撃つことも出来ない。殺し屋のように人を殺して金を得る訳でも無く、ただ思いつくがままに大量に人を殺して、世の中を恐怖に陥れ、人々の反応や考え方や良心を試そうとする。

何せ、ジョーカーは自分自身が死ぬことを全く怖がっていないから、何でも出来ちゃう怖さがある。ある意味で “究極のテロリスト” がジョーカー。そんな存在がどうやって誕生したのが、切なくも衝撃的に描かれる…

本作で最も怖いのは「全く理解不能な男」に共感させること!

本作が面白いのは、これまでジョーカーは「何をやるか分からない男」、「全く理解不能な男」、「人間の良心と悪心に揺さぶりをかける男」として描かれて来たし、少なくとも私はそうやって捉えて来た。

しかし、本作のアーサー(ジョーカーと名乗る前の名)は、 認知症気味の母の面倒を見る心優しい男であり、子供の頃から母の教えを守る息子であり、感情が高ぶると自分の意志と無関係に突然笑いだしてしまう病気を患い、現実と妄想の区別がつかなくなって来ている、貧しくも可哀そうな男として描かれる。

だから、ストーリーが進むに連れて、観客は次第にアーサーに感情移入し共感し始めてしまう。「何をやるか分からない男」で「全く理解不能な男」を。監督や俳優が観客を “洗脳” して行くような巧みな映像こそが、が本作の最も怖い部分だと思う。

世の中の全てが喜劇と悲劇であり、それらは常に表裏一体

本作の中に、チャップリンの映画『モダンタイムス』の1シーンが使われている。『モダンタイムス』で有名なのは、24時間監視されている工場のシーンで、人間が機械の歯車ように扱われる姿が笑いのポイントになるって場面。

しかし、本作で使われたのは、デパートで目隠しをしたチャップリンがローラースケートする、謂わば前述の工場のシーンよりも “笑いと危険の紙一重” の場面。そう、これが『ジョーカー』と『モダンタイムス』の共通点。いや、もしかすると、『モダンタイムス』が『ジョーカー』のもとになっているのかも知れない。

そう思わせるのが、チャップリンのこの↓名言。

Life is a tragedy when seen in close-up,
 but a comedy in long-shot.

人生はクローズアップで見れば悲劇だ。
 しかし、ロングショットで見れば喜劇だ。

チャップリンは、例えば自分がタンスの角に足をぶつけて激痛が襲って来たとしよう。その現実をクローズアップで見れば “自分だけが激痛” と言う悲劇だ。しかし、家族みんなは楽しく団欒しているのに“自分だけが激痛” だったら、それは喜劇になる。そんなことを意味していると思う。

で、本作に於けるアップのアーサーは笑顔で人を殺すのに、カメラが引いて行くと、アーサーが笑顔でやっていることは、最悪の悲劇であり恐怖だ。ここが、『ジョーカー』と『モダンタイムス』と繋がっているように思うのだ。

要は、世の中の全てが喜劇と悲劇であり、表裏一体ってこと。その怖さが、観終わったあとに、じわじわと押し寄せて来る作品だ。

あとがき

世の中の全ての出来事が、見方を変えれば、時に喜劇であり悲劇でもあり、それらは常に表裏一体であると言う現実を、悲しい男アーサーが教えてくれる映画です。

アーサーをクローズアップで見ると、ピエロの目の所に小さな青い涙が描かれています。その「道化の涙」は近くに行かないと見えない。人生も人間もロングショットで捉えるのも大切ですが、クローズアップして見ることも大事だってことを教えてくれる人間ドラマです。気合を入れて見に行った方が楽しめます!

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