スカーレット (第10回・2019/10/10) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』(公式サイト)
第2週『意地と誇りの旅立ち』の
『第10回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
隣町で人さらいの事件が発生。注意喚起される中、喜美子(川島夕空)の友人・照子(横溝菜帆)が行方不明に。信楽では地元総出で捜索が行われる。喜美子はとらわれた照子の姿を想像し、祈る気持ちで神社へ駆け込む。すると照子と見知らぬ男の姿。喜美子は学んだ柔道で助けようとして…5年後、15歳になった喜美子(戸田恵梨香)。中学卒業を控えて、友人・信作(林遣都)から自転車を借りる。叫びながら駆け下りた坂道の先には…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
今回は、アバンタイトルから良い感じで始まった
何だろ? 今日はアバンタイトルから、これまでと全く違った丁寧な脚本と演出で始まった。
まず、アバンでの 照子(横溝菜帆)の母・和歌子(未知やすえ)が柔道場にやって来て、「ポン煎餅 ぎょうさんぎょうさんあって 余ってるさかいあげるし おいで 言われても ついていけへんわの?」と和歌子が子どもたちに同調を求めるも、子供たちは次々と「行く」と言い出し、和歌子が落胆する。
このシーン、本当はやりようによっては、幾らでもシリアスに作れるのに、弦楽器の効果音と全体の雰囲気から、ほんの少しだけコミカルな要素を盛り込んであった。そこが良かった。確かに、照子の行方不明は大きな騒動だが、ちょっぴり軽妙な味わいを含めたおかげで、俳優や子役らの演技も含めて、朝ドラらしいアバンになったと思う。
赤い手袋が警察官から喜美子に渡される展開も良かった
軽妙な雰囲気は、主題歌明けも続く。例の赤い手袋を喜美子(川島夕空)の所へ警察官が持って来た。手袋を貰うべきかどうか悩む喜美子が、照子を心配するのを忘れないのは当然だが、こうやって描くのが大事。
そして、漸く手袋が喜美子の手にわたる展開も自然だし、やはり先日のままでは中途半端。それを今回で、やんわりと回収した。また、先日の照子が「婦人警官になるのが夢」と言ったことと、頑固な喜美子が警察官の言うことを信じたのも、何となく繋がっており、良かったと思う。
母・マツがきちんと雰囲気を作っているのが本当に良かった
そして、いよいよ当blogでは、あまり好印象でない母のマツ(富田靖子)が登場。しかし、やはり今回は一味違う。今回のマツは、きちんと母親としての自分の意見を言ったし、台詞を喋っていない時のマツも、暖かく子どもたちを見守る母親になっていた。
三姉妹とマツが赤い手袋で盛り上がる場面だけでも、十分にホームドラマになった。こう言うのが、ずっと続くと良いと思う。更にこのシーンでは、喜美子が手袋を見て、行方不明の照子を心配する場面も盛り込まれたし、それに同調するマツも。マツがきちんと雰囲気を作っているのが本当に良かった。
喜美子が神社で願掛けする場面のメリハリが、正に朝ドラチック
8分頃に、洗濯物を届けたおばあちゃんに、怖い話を聞いて神社へお参りに来た喜美子。そこへ、幽閉されて足で三味線を弾かされている照子のイメージ映像が挿入されたが、この悲壮感とコミカルさのバランスも実に絶妙。
その直後に喜美子が「うまく弾けますように!」と柏手を打つと言うより、拍手をしているような感じで、ちょっと的外れな願掛けをするのも、喜美子らしいし、やはり朝ドラっぽい。
草間が喜美子を諭したシーンが、一番良かった!
今回で最も良かったのは、10分過ぎに草津で人さらいが逮捕されたニュースを「ラジオ」で聞いた喜美子と 草間(佐藤隆太)のやり取りだ。
喜美子「捕まったんやな。女の子も殴られただけやって」
草 間「殴られただけでも大変なことだよ」
敢えて詳しく書かないが、前回では喜美子の「婦人警官 かっこええけど 悪いことでけへん なりたないわ!」をマツがスルーしたのに対して、今回はしっかりと草間が喜美子を叱った、と言うか諭した。「喜美ちゃん くれぐれも気を付けて。むちゃしないように」と。
前回もここまで重箱の隅を楊枝でほじくるか? と言われるだろうと書いたが、やはり脚本家も意識していることが分かっただけでも良かった。やはり、前回は “マツの性格” がそうさせた…とするのが良さそうだ。こう言うのが本当のホームドラマだと思う。大人が諭して、子どもが理解して…と言うのが。
15分間を照子の家出と赤い手袋で締め括ったのはお見事!
また、12分頃には、旅立つ草間に信楽焼のお土産を持参した慶乃川善(村上ショージ)が登場した。「春には引退して草津にいるで」と、ニュースの草津を引っ掛けて、最後の最後まで、照子の(結果的に)家出騒動と、赤い手袋で締め括ったのはお見事。もう一度書く。こう言うのが本当のホームドラマだと思う。
あとがき
いよいよ、次回から戸田恵梨香さんに切り替わりますね。本格始動が楽しみです。だって、今回の感想のように、放送の時間軸の順番に感想を書くと言うのは、そのドラマが良く出来ていると言う証拠なのです。
流れが自然で、登場人物たちの言動も辻褄が合っている。そう言う時にしか、時間軸に合わせて感想を書く気になれない。それがやっと第10回でやって来た…と言う訳です。とにかく、次回が楽しみになりました。
とは言え、千葉県には台風が接近しており三連休は仕事があって、もしかするとホテルに泊まり込みになる可能性もあるので、感想もどうなるか分かりません(謝)
|
|
|
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
緋色のマドンナ: 陶芸家・神山清子物語
スカーレット ノベライズ上巻
連続テレビ小説「スカーレット」オリジナル・サウンドトラック
★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/13327/