スカーレット (第8回・2019/10/8) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』(公式サイト)
第2週『意地と誇りの旅立ち』の
『第8回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
借金を立て替え、川原家のピンチを救った川原家の元居候・草間(佐藤隆太)。だが父・常治(北村一輝)はその好意を受け入れられず、なけなしのお金をかき集めて返そうとする。喜美子(川島夕空)は常治の行動が納得できず常治と衝突。すると「男の意地や」と本音を明かされ言葉が胸に刺さる。喜美子は悩んだ末、ある宣言をすることに…一方、川原家の騒動を見守った草間は信楽での滞在を延長し、ある計画を実行しようと動き出す。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
やはりドラマは、映像で描いて欲しい…
別に、共感コメントや Web拍手をたくさん欲しいために、ウケ狙いの感想を書くつもりは無い。しかし、前回の Web拍手が少なかったから、録画を見直して再認識した部分がある。やはり、ストーリーが分かり難いかなと。
前回では、父・常治(北村一輝)が嬉しそうに赤い手袋とラジオを買って来たが、借金取りから元居候・草間(佐藤隆太)が、今月分の借金を返したことを知って、手袋とラジオを再び売って850円を捻出したと思わせる…のは。だって、喜美子(川島夕空)は父が帰ってきた瞬間に「早かったな」と言っていたのだ。
せめて、それが「遅かったな」なら、想像出来るのに…。この辺が『なつぞら』と似てる。好意的な脳内補完に頼って、「あの人は、いい人のはず」とか「悪い人はいない」とか、視聴者に判断させちゃうところが。やはりドラマは映像で描いて欲しい。でも、まだ不快ではない。
今回で雑貨店が常治の手袋とラジオを買い取ったのが描かれた
さて、今回の 3分頃に、雑貨店が常治の買って来た手袋とラジオを買い取ったと、雑貨店の店主・忠信(マギー)と妻・陽子(財前直見)の場面がインサートされた。
確かに前回と今回が「1話」であるなら、このタイミングでインサートするのが感動的なのは分かる。でも、実際は「2話」に分かれたのであって、今回だけを観た人は良いが、今回を見逃す人もいる訳で、その辺を配慮しても良いかなと…
もっとマツを絡めて、常治と喜美子とマツを重ねていれば…
もう、録画が残っていないから正確でないかも知れないが、常治は大阪時代の材木商の資金の借金を抱えたまま、返済せずに信楽へ家族と共に逃げて来た。当然、借金取りは常治を探し当てる。これは、至って普通の展開。
借金取り襲来の危機を、川原家の元居候の草間が救ったのも、家族を喜ばそうと手袋とラジオを買ったのも、草間に対して常治がとった態度も、そしてそんな大人たちの騒動に巻き込まれていく子どもたちも、ホームドラマとしては至って普通だし間違ってもいない。
更に、父・常治の「男の意地や」に共鳴する喜美子を、「紙芝居」と言う川原家とは無関係な道具を使って重ねるのも、いい雰囲気だ。だったら、常治の妻のマツ(富田靖子)は、もっと前から夫の「男の意地」に気付いているはずだから、借金取りが来た時に、もっとしっかりした態度で臨んでも良かったのでは?
そう、こんな展開にするつもりなら、毅然とした態度で対応し、それにマツが驚くみたいな場面があったら、この度の常治の気持ちに娘の喜美子が、妻のマツが、より重なったのに…
紙芝居のシーンを違う意味で二度使うのは、どうかと思う…
ただ、意地悪な見方をすると、先日の紙芝居の一件は、あくまでも神社の紙芝居を見て「紙芝居はお金になる」と直感した喜美子が、紙芝居を自分で作ってみたいとか、妹に見せてあげたいとかでなく、自分の給食費のために居候の草間に出て行って貰うために、お金を稼ぐために紙芝居を自作したと言うエピソードであって…
あの場面の録画は残っているから見直したが、あの映像から、喜美子の「女の意地と誇り」を結び付けるのは強引過ぎる。恐らく、この喜美子の幼少期で描くべき優先順位は、「喜美子には生活力がある」よりも「喜美子には女の意地と誇りがある」方が上だと思う。
だって、男ばかりの陶芸の世界に飛び込んで成功する女性を描く朝ドラだから。だったら、第1話の紙芝居のシーンでも、他の子どもたちは菓子を食べながら紙芝居を見ているのを、悔しい思いで見てその場を去った喜美子をしっかりと映像で印象付けしておくべきだったと思う。
家族が家族のために…が、ホームドラマでは無いのか?
そして、10分過ぎには、川原家の騒動を見守った草間は信楽での滞在を延長して、 柔道教室を開く話へ。なぜ、喜美子の「女の意地と誇り」の話を続けなかったのだろう?
妹のために得意な絵で紙芝居を作って見せて、家族みんなで笑うとか、喜美子に刺激を受けて母のマツも何か家族のために行動するとか(今回の 12分頃に描かれたのも、マツが町中を歩き回って裁縫の仕事を探した結果と視聴者に分かるように見せれば良かっただけのこと)、そう言うのがホームドラマだと思う。
なのに、本作では “赤の他人” の草間が、川原家を思って “助け合う” 行動をしてしまう。益々、草間の “いい人度” は上がるが、家族が家族のために…が、ホームドラマでは無いのか?
あとがき
やはり、問題は脚本家によるストーリーの緻密さの無さのようですね。やっていることは大きく間違ってはいませんが、あれこれ唐突過ぎて繋がっていない部分が気になります。演出や演技指導は良くなっていますね。俳優さんたちも良いですし。
でも、なんか朝ドラの第1,2週にある、独特のワクワク感やほのぼの感は少なめで、淡々と週末の大人編へ時間繋ぎをしている印象が… あと数日、幼少期は何を残すのでしょう?
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