シャーロック アントールドストーリーズ (第1話/初回30分拡大・2019/10/7) 感想

フジテレビ系・月9『シャーロック アントールドストーリーズ』(公式)
第1話/初回30分拡大『世界一有名なミステリーが蘇る!天才探偵と精神科医が運命の出会い!医師変死の謎を解け』の感想。
なお、原作の小説、アーサー・コナン・ドイル「シャーロック・ホームズ」シリーズ」は既読だが、全作品ではない。
東京都内の病院の中庭で、勤務医・赤羽(中尾明慶)の遺体が見つかった。警視庁捜査一課の警部・江藤(佐々木蔵之介)と部下・クミコ(山田真歩)は、赤羽が屋上から突き落とされたとにらみ、夜勤の看護師・麻里(松井玲奈)らに事情聴取する。同行するのは、ずば抜けた観察眼と天才的な思考回路で江藤に協力する犯罪捜査専門コンサルタント・獅子雄(ディーン・フジオカ)だ。獅子雄は、院内での事情聴取の最中、静かにその場を立ち去った精神科医・若宮(岩田剛典)に注目。彼が何らかの真実を握っていると察知し、調査を開始する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:アーサー・コナン・ドイル「シャーロック・ホームズ」シリーズ」
脚本:井上由美子(過去作/緊急取調室1,2,3)
演出:西谷弘(過去作/モンテ・クリスト伯、刑事ゆがみ) 第1話
平野眞(過去作/モンテ・クリスト伯、昼顔、ガリレオ、刑事ゆがみ)
永山耕三(過去作/モンテ・クリスト伯、人は見た目が100パーセント)
音楽:菅野祐悟(過去作/半分、青い。リーガルV、東京タラレバ娘、刑事ゆがみ、偽装不倫)
主題歌:DEAN FUJIOKA『Shelly』(A-Sketch)
観る直前に「期待度:星3つ」を「星4つ」に上げたくなったワケ!
さて、本編の感想を書く前に、一応ちょっとは、シャーロック・ホームズが好きな私としては、ついつい事前情報を手に入れてしまった。とは言っても、2分間の特別ロングスポットなのだが。それを見ると、以下のことが想像できた。
まず、シャーロック・ホームズの物語としてワトソンが書いたとされている事件は、長編と短編を全て合わせて60編あり、それら以外にシャーロック(本当は、コナン・ドイル本人)によって書かれていない『語られざる事件』もあり、シャーロックが関わっていない作品も合わせると100編近くあるとされている。
そして、この度の月9『シャーロック』で扱われる『語られざる事件』は、第1話の特別ロングスポットによれば、全部で5つ。
●タンカービル・クラブの醜聞事件
●アバーニティ家の恐ろしい出来事
●ダーリントンの替え玉事件
●ジェームズ・フィリモア氏の事件
●マーゲートの婦人事件
そして、予告編に登場した「バターとパセリ」と言う台詞から、本作の原案? が短編集『六つのナポレオン像』に収容されている『アバーニティ家の恐ろしい出来事』であることが分かった。こうなると「期待度:星3つ」を「星4つ」に上げたくなる。
何せ、抽出されたカットが中々『語られざる事件』を感じさせるものになっていたから。しかし、あらすじを読む限りは期待と不安が半々で。と言う訳で、前置きが長くなったが、本編の感想を書いてみる。
「ビーチボーズ」ファンには,、浅茅陽子サンと平泉成サンの登場に歓喜!
まず、個人的な “月9 ” ファンとしては、『ビーチボーイズ』に美智恵さん、として出演された、大崎部長として出演された平泉成さんが登場したのが、熱かった。まあ、それはそれとして…
ディーン×モンテクリスト伯のスタッフで柳の下の2匹目のドジョウを狙う!?
企画としては、上記のスタッフ表を見れば分かる通り、2018年4~6月に放送された連ドラ『モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-』のスタッフとディーン・フジオカさんが再集結して、「シャーロック・ホームズ」をやろう…と言うものだろう。さて、柳の下の二匹目のドジョウを狙えるか!?
驚き秀逸だったのが、主要な人間関係の説明を省略したこと!
今回、30分の拡大版だったが、連ドラの第1話として驚いたし、割と秀逸だと感じたことがある。それが、第1話なら必ずあると言っても過言でない「主要な登場人物たちの人間関係の説明」を、殆どやらなかったことだ。
特に、警視庁捜査一課の警部・江藤(佐々木蔵之介)と犯罪捜査専門コンサルタント・獅子雄(ディーン・フジオカ)の関係性や、捜査に同行する経緯など描かずに、さも “普通” のように刑事に探偵が協力している姿が描かれた。
更に、獅子雄の特異なキャラ設定も必要以上に強調せず、2人が “自然” に操作協力体制している様子が、まるで連ドラの第1話でなく、第3話くらいの “ノリ” で描かれた。
「説明過多」を回避したお陰で、事件そのものが見易かった!
とかく「説明過多」になって、第1話は事件が分かり難くなりがちな、刑事ドラマや探偵ドラマが多いのに、本作は事件が分かり易かった。観ている私も、一緒に謎解きをしているような感覚さえ覚えた。この斬新な手法は、意外と良かったと思う。
やはり、今回はネタが「シャーロック・ホームズ」と言う大ネタで、それだけでも注目を浴びるし、主要な出演者も癖が強く好みが分かれる布陣だから、敢えて、それらを強調せず、単純に「探偵ドラマ」だけを強調したのではないだろうか? うん、悪くないと思う。
濃いめの演出が最も好みの分かれる部分かも? でも悪くない
大きく好みが分かれるのが “演出” かも知れない。『モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-』が好きだったら、かなりついて行けると思うが、音楽を多用し過ぎる点やその他いろいろと癖が強い。まあ、それが “本作らしさ” になれば良いだけの話だが、なにせ放送枠が「月9」だから、「月9で?」となりかねない。
でも、意外と良かったと思う。ただ、もう少し「探偵ドラマ」として獅子雄が推理する過程は、もう少し丁寧に且つ魅力的に描いた方が楽しくなると思う…
あとがき
前述の通り、ワトソン君が書いた『語られざる事件』の映像化を期待した人たちには、だいぶ肩透かしを食らわせてしまったような気がします。
ただ、そこを気にせず観られた人なら、それなりに「探偵ドラマ」として楽しめたと思いますが。ディーン・フジオカさんも『モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-』の時よりも過剰演技を抑えめにしつつ、彼の持ち味を活かしていたと思いますし。因みに、私は、期待した派ですが、「これは、これでアリ」と思いました。
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