スカーレット (第3回・2019/10/2) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』(公式サイト)
第1週『はじめまして信楽(しがらき)』の
『第3回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
昭和22年9歳の川原喜美子(川島夕空)は父の常治(北村一輝)母のマツ(富田靖子)二人の妹と共に大阪から信楽へ。事業に失敗して借金がある川原家は貧しく、食事は芋ばかり。そのため転入した小学校で、喜美子は初めての給食に大喜びする。帰宅して妹の直子にうらやましがられていると、父・常治が帰宅。夕食は卵入りのおかゆだと宣言する。思わぬ展開に心躍らせる喜美子だが、ごちそうの理由は常治が連れてきた謎の男だと知る
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
実は、第1回から"喜美子の手"がさり気なく強調している…
第3話は、「走ルナ」と書かれた学校の廊下を子どもたちが給食の寸胴鍋などを楽しそうに運んで来る明るいシーンから始まった。
そして、今回で最初に登場したヒロイン・喜美子(川島夕空)がやったことは、男子生徒から、昭和の学校給食ではお馴染みのアルマイト食器に豆腐とワカメ入りのスープらしきものがよそわれて、それを貴美子が両手で丁寧に受け取るカットだった。
そう、実は、本作は第1回から“喜美子の手” をさり気なく強調しているのに、お気付きだろうか?
土を受け取る手、妹と繋いだ手、狸の頭を撫でる手など…
例えば、前回の序盤では、 地面を掘り返す男(村上ショージ)から土を受け取る喜美子(川島夕空)の手を、普通なら1カットで済ませても良いのに、お得意の手持ちカメラで、上から横から下からと撮影して、 “喜美子の手” を強調させた。
回想シーンとして使用された空襲の中を逃げる時に、親から絶対に離してはいけないと言われていたのに離してしまった妹・直子(やくわなつみ)とギュッと掴んていたはずの “喜美子の手”。終盤では、泣く妹の肩や腕を優しくさする “喜美子の手” も強調された。
更に時間を巻き戻すと、第1回では道端に置かれたタヌキのお地蔵さんの頭を撫でる “喜美子の手” が強調されていた。
演出家は"喜美子の手"を積み重ねてドラマを描くようだ
主題歌明けも、洗濯板で選択をする“喜美子の手” が強調された。強調していると言うよりも、積極的に“喜美子の手” を 15分間の中に盛り込んでいる演出家の意図だ。
奇しくも前回の感想で、脚本家はドラマの方向性は既に出来ているが、演出家はまだ模索中と書いたが、どうやら、“喜美子の手” をさり気なく強調し、積み重ねることで、本作のヒロインがやがて女性陶芸家になって行くドラマであることを描き続けようと言うのは決まっているように感じた。
ヒロイン役が子役から切り替わる朝ドラだから重要な「積み重ね」
こう言う、ヒロインの言動や身体的な特徴を、子役時代から続けることで、戸田恵梨香さんに切り替わってもドラマが続いている印象が強くなる。これが連ドラ、特に一般的に子役が演じる幼少期から始まって、途中から大人が主人公を演じる朝ドラでは、とても大切だ。
少なくとも前作『なつぞら』では無かった。本来なら、搾乳も作画も “なつの手” を幼少期から積み重ねておけば、最終回の手際良く搾乳したシーンにも多少見応えがあったと思う。だから、「積み重ね」は大事ってことだ。
今回は両親の人に対する接し方や教育方針などが垣間見れた
しかし、ドラマ的に何かが起こっているか? と自問自答すれば、まだ何も起こってはいない。もちろん、まだ第3回だから当然と言えば当然。
でも、今回では、父の常治(北村一輝)が、心に栄養の足りないとされる謎の男・草間(佐藤隆太)を連れて来たり、川原家では母のマツ(富田靖子)でなく長女の喜美子が給仕をしたり、喜美子が妹に卵入りのおかゆを分けてあげたり、マツが草間を普通に受け入れたりと、両親の人に対する接し方や、子供たちへの教育方針などが、垣間見れた。
登場人物らの自然な言動によって物語を進めようとしている
先程も書いた通り、朝ドラと言う半年間も続く長丁場の連ドラでは、事件や騒動で登場人物の特徴を視聴者に伝える脚本や演出だと、所謂「出来事の箇条書き」や「騒動の連続」となって、賑やかで話は進むが中々肝心の「登場人物の人間性や内面」が描かれない。
どうやら、本作は「出来事の箇条書き」や「騒動の連続」を避けて、登場人物たちの自然な言動によって物語を進めようとしているのは、脚本も演出も意思疎通が出来ているように見えた。これ、ホームドラマとしては最も重要なこと。そこが見えて来ただけでも前回よりはずっとマシだと思う。
あとがき
貧しい川原家に草間が来たことで食い扶持が増え、喜美子の一番の楽しみである学校給食費に黄色の点滅信号が…と言ったところでしょうか。そろそろ、物語が動いて喜美子らしさが描かれるのを期待します。もちろん、来週いっぱい位は要して良いと思います。
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【これまでの感想】
第1週『はじめまして信楽(しがらき)』
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