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なつぞら (第155回・2019/9/27) 感想

連続テレビ小説「なつぞら」

NHK総合・連続テレビ小説『なつぞら』公式サイト
第26(最終)週『なつよ、あっぱれ十勝晴れ』の 『第155回』の感想。


 本作は、2019/8/20 にクランクアップ(撮影終了)しています。
 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。


十勝が冷害水害に見舞われた昭和50年。柴田家の居間では剛男(藤木直人)と照男(清原翔)が古い牛舎を建て替え、新しい設備を導入しようと話していた。多額の借金をして設備投資しようとする照男に対し、泰樹(草刈正雄)はやりたいようにすればいいと言う。その晩、十勝には激しい落雷の音が響き渡る。翌朝なつ(広瀬すず)が起きると停電になっていた。牛の心配する泰樹は若返ったように声を張り、指示をしていくが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

まえがき

次の土日月曜日(9/28~30)は、秋の婚礼超繁忙期と家族サービスの為、『なつぞら』の最終回の感想の投稿は、時間を捻出して…となるので見当がつきません。また、最終回の感想を書いたところで、絶賛か、こき下ろすかのどちらかしかないので、まだ残り1話分の期待と希望が残っている、この第155回の感想に、いろんな思いを詰め込みます。

冒頭のナレーションが「過去形」だったのが残念…

あの~、冒頭から前回に続いて、ナレーションがおかしい。と言うか、ある頃からずっと「おかしいな」と思っていたことを書いてみる。

今回のアバンタイトルは柴田家の居間で、剛男(藤木直人)と照男(清原翔)が古い牛舎を建て替え、新しい設備を導入しようと話していた時に、突然雨が降り出して来て、柴田牧場の外観の引きの画に、こんなナレーションが被った。

N「昭和50年8月 この年 十勝は 冷害 水害に見舞われました」

本作って、語りを担当している名も無き なつ(広瀬すず)の父(内村光良)が、亡くなった父として天国? から子供たちを見守っている “言霊” 的な要素を含みながら、「次週に続けよ」のように、明らかに “ドラマのスタッフの一人” 的な要素を含んでいる。これが、凄く嫌だったのだ。

語りの立ち位置が"ドラマのスタッフの一人"的で詰まらない

とにかく、語りが中途半端な印象になるから。そして、今回のナレーション。これ、完全に“ドラマのスタッフの一人” 的な語りだ。だって、見舞われたことを知っているんだから。あと 2回しかないのだから「過去形」で面白味を削るよりも、ここは、あと2回しかないのだから「未来形」にして欲しかった。

「昭和50年8月のある晩 十勝には 記録的な大雨が降り始めたのでした…」位のニュアンスかな? この方が、主題歌明けに期待を持てるし、何が起こるんだろうと言う不安も生まれるし。最後の最後まで、視聴者を楽しませて欲しかった…

「なつがアニメーターになる夢を叶える」くだりの不要さ…

前回の感想でも書いたが、最終週の最終回の直前に、主人公がアニメーションの仕事をしていない時点で、「なつがアニメーターになる夢を叶える」くだりが、本作に無意味で無関係で蛇足だったことが証明された。

だから、最初から、 北の大地に生きる北海道開拓者第一世の泰樹(草刈正雄)、二世の富士子(松嶋菜々子)、三世の なつの、開拓者三世代同居の酪農大家族と、その仲間たちの苦労の連続だった愛と涙と笑いのある、名も無き酪農一家の物語…で良かったと書いたのだ。

照男を咲太郎に置き換えて、夕見子(福地桃子)を千遥(清原果耶)にするだけで良いし、東京編の登場人物たちも『ひよっこ』みたいに柴田家のご近所さんにすれば、簡単に出来ちゃう。だって、本作は、「開拓者が助け合う朝ドラ」なのだから!

照男が黒電話を掛け終える演技が中途半端で嫌だった…

夜に雨が降り出して、翌朝7時に柴田家が停電。そして、5分頃、 照男が「発電機のありそうなとこに聞いてみるわ」と、土間から家に上がり、大雨のインサートカットが入って、次のシーンは照男が黒電話の受話器を置く場面。そして照男は「ダメだ…」と言う。これ、何がダメだったの?

私の記憶では、当時高価なホームテレホンでも使用していない限り、普通の黒電話は停電しても使用できる(共同使用している電柱が破壊されたら使用出来ないが)。だったら照男に「〇〇さんと△△さんに聞いてみたけど、発電機は無いって」と、きちんと言わせないとダメ。「黒電話は停電でも使える」から今でも黒電話を使っている人は多い。

まあ、これを言ってはかわいそうだが、偶然にも千葉県が台風で甚大な被害を受けている時期だけに、NHKならそんな情報提供も重要な仕事の一つだと思うが。

因みに、今回で泰樹が照男に行った「乳牛の搾乳時間」については、ほぼ間違っていません。そのために、千葉県内では停電が長かった地域では地元の牛乳の不足が続いています…

いくら「火事場の馬鹿力」でも、泰樹が小走りし過ぎる!

さて、よぼよぼだった泰樹が “口で” てきぱきと剛男と照男と なつに指示を出すのは良いのだが、母屋から大雨の中を片手に懐中電灯を持って、ちょっと駆け足気味に牛舎に行ったのはどうかと思う。

確かに日本には「火事場の馬鹿力」と言う諺があるが、ここは、なつが「おじいちゃん 私に捕まって」と、なつが泰樹に声をかけたら、孫の優しさが表現出来ただけに非常に残念。こんなところにも、気を配れない演出家に演出された俳優がみじめに見えた。

泰樹は柴田牧場は照男に任せ、山田家に行く出来だった…

だって、録画がある人は見て欲しい。映像的には、まず前述の段階で泰樹の支持を受けて飛び出した照男が一番手。次に母屋を飛び出したのが泰樹、で三番目が なつ。なのに、牛舎の中に到着したのは、なつよりあとから母屋を出た富士子、夕見子、坂場(中川大志)とほぼタイムラグなし。これ、私としては絶対に脚本が間違っていると思う。

この大雨で近隣一体が停電しているならいざ知らず、先の照男が電話を掛けたシーンで、少なくとも大雨の中で発電機を借り貸し出来る距離にある家は停電しているようには描かれていない。だったら、この一帯を束ねているような人物である開拓者一世の泰樹は、「これからの柴田牧場は照男に任せた」と言ったのだから、搾乳を出来る人を探しに行くべき。

柴田牧場は近隣牧場から嫌われている裏設定でもあるのか?

そう、本作では「開拓者たちは助けって生きて来た」と描いて来たのだ。だったら、歩いて行ける距離の今は亡き天陽(吉沢亮)の山田家に頼みに行くのが自然な流れ。この際、都合良く柴田牧場だけ停電でも良いのだ。そう言うのがドラマだから。

もしかして、柴田牧場は景気が良くて、先進的に電化が進んでおり、周りの旧態依然の酪農家から嫌われているような “裏設定” でもあるのか? そうでないなら、最終回を前にした、最後の大騒動に「同じ開拓者である山田家」を含めなかったのは、明らかに失敗だと思う。

15分間で「開拓者同志が助け合う姿」を描くべきだった!

11分過ぎ、やっと、なつが泰樹と山田家に向かった。結果的に山田家も風と雨の被害を受けていたことが描かれたが、この展開で良かったのだろうか。

確かに酪農業を主に営んでいる柴田家にとっては泰樹が前段で言ったように「一番大事なことは 働くことでも 稼ぐことでもない。牛と生きることじゃ」なのだろうが、本作で「酪農家で一番大事なのは 牛と生きること」なんて、言ったことがあっただろうか?

やはりここは、15分間を要して「開拓者同志が助け合う姿」を描くべきだったと思う。だから、泰樹は牛舎に行くべきでなかった。「牛は 照男に任せた。俺は 天陽の家に行って来る」と言い、なつも「私も一緒に行く」とするのが正解だったと思う。

自分の家が安泰になったから、「わしらも手伝う」って、ここへ来て泰樹の懐の小ささや浅さが残念だった。そして、全く存在感も存在価値もないヒロインにも落胆しかなかった…

巨木の根を掘り起こす回想と芋掘りでは釣り合いが取れない

14分過ぎに、幼少期の なつと天陽たち、そしてご近所さんたちが助け合って開墾する回想シーンがインサートされた。そう、これこそが本作が描くべき「助け合う開拓者たち」の姿。

なのに、あの巨木の根っこを掘り起こす回想シーンからカットバックするのが、のんびりと芋掘りをする泰樹と なつでなはく、被害が少なかったご近所さんたちと山田家を助け合う姿でないと釣り合いが取れないと思う。

夕見子が雪次郎に電話し、皆で山田家を助けたら良かった…

それこそ、泰樹が、柴田家は照男がいるから何とかなるから…と口火を切って、雪次郎(山田裕貴)が駆け付けたって良い。むしろ、嫁ぎ先が商売をやっているのに、嫁の夕見子が実家に入り浸ってる方が不自然なのだから、夕見子がいつもの勝気な態度で雪次郎に電話を掛けても良い位だった…

あとがき

落胆しかない、最終回直前の 15分間でした。アニメも無関係、柴田家だけが助かれば良いと言う展開も、全てが “がっかり” しかありませんでした。どうせ、最終回は山田家が再起を決意し、なつと坂場には次回作決定の電話が入って、めでたしめでたし…ですよね。本当に、アニメーションのくだりが全て不要だったと思います。

最後? だから言っちゃいますが、あれこれ言い訳するのは本人も分かっていたはず。だったら、最初から大森寿美男氏は本作の脚本を断るべきでした。でも、きっと真実はこうなんですよ。NHK側から「朝ドラ100作記念作品だから、とにかく大勢の登場人物を出せるような物語にしろ!」と要求が脚本家にあったはず。

でも、例えば、『ひよっこ』の岡田惠和さんは無駄なキャラクターは作らない人だし、『半分、青い。』の北川悦吏子さんは自己チューだからNHKの言う事は聞かないだろうし、そんな “大人の事情” が強く反映され過ぎた朝ドラだったのかも知れませんね。

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【これまでの感想】

第1週『なつよ、ここが十勝だ』
1 2 3 4 5 6
第2週『なつよ、夢の扉を開け』
7 8 9 10 11 12
第3週『なつよ、これが青春だ』
13 14 15 16 17 18
第4週『なつよ、女優になれ』
19 20 21 22 23 24
第5週『なつよ、お兄ちゃんはどこに?』
25 26 27 28 29 30
第6週『なつよ、雪原に愛を叫べ』
31 32 33 34 35 36
第7週『なつよ、今が決断のとき』
37 38 39 40 41 42
第8週『なつよ、東京には気をつけろ』
43 44 45 46 47 48
第9週『なつよ、夢をあきらめるな』
49 49 50 51 52 53 53 54
第10週『なつよ、絵に命を与えよ』
55 56 57 58 59 60
第11週『なつよ、アニメーターは君だ』
61 62 63 64 65 66
第12週『なつよ、千遥のためにつくれ』
67 68 69 70 71 72
第13週『なつよ、“雪月”が大ピンチ』
73 74 75 76 77 78
第14週『なつよ、十勝さ戻って来い』
79 80 81 82 83 84
第15週『なつよ、ワクワクが止まらない』
85 86 87 88 89 90
第16週『なつよ、恋の季節が来た』
91 92 93 94 95 96
第17週『なつよ、テレビ漫画の幕開けだ』
97 98 99 100 101 102
第18週『なつよ、どうするプロポーズ』
103 104 105 106 107 108
第19週『なつよ、開拓者の郷へ』
109 110 111 112 113 114
第20週『なつよ、笑って母になれ』
115 116 117 118 119 120
第21週『なつよ、新しい命を迎えよ』
121 122 123 124 125 126
第22週『なつよ、優しいわが子よ』
127 128 129 130 131 132
第23週『なつよ、天陽くんにさよならを』
133 134 135 136 137 138
第24週『なつよ、この十勝をアニメに』
139 139 140 141 142 143 144
第25週『なつよ、千遥よ、咲太郎よ』
145 146 147 148 149 150
第26(最終)週『なつよ、あっぱれ十勝晴れ』
151 152 153 154

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牛とじゃがいも>『なつぞら』第155話

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Author : みっきー

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★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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