なつぞら (第145回・2019/9/16) 感想

連続テレビ小説「なつぞら」

NHK総合・連続テレビ小説『なつぞら』公式サイト
第25週『なつよ、千遥よ、咲太郎よ』の 『第145回』の感想。


 本作は、2019/8/20 にクランクアップ(撮影終了)しています。
 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。


マコプロダクションで日曜日も忙しく働くなつ(広瀬すず)たち。そこに千遥(清原果耶)とその娘、千夏(粟野咲莉)が現れた。「大草原の少女ソラ」のファンだという千夏に、麻子(貫地谷しほり)がソラのセル画をあげるも、足早に去ろうとする千遥。なつのことは千夏には何も話していないのだと言う。今どうしてるのかと聞くなつに、千遥は神楽坂の料理屋で働いているので、お客として一度来てほしいと言い残して去り…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

アバンで、麻子が千夏にセル画をあげるのは良いのだが…

前回の感想文があまりにも長文だったため、敢えて書くのを控えたのだが、運良く今回のアバンタイトルで同じシーンが使われたから書こうと思う。マコプロダクションに千遥(清原果耶)の娘(とは、この時点では判明していない)・千夏(粟野咲莉)が『大草原の少女ソラ』のファンだと言ってやって来くるシーンだ。

問題は、今回のアバンでも使用された、千夏を囲んでのマコプロの面々の態度。と言っても、注目は なつの態度だ。確かに、麻子は社長だからファンの子どもを大切にしたいと言う思いでセル画をプレゼントした。セル画を社外の人間に渡すのは社長位しかできないから、そこは良い。

なつが麻子と千夏のやり取りを棒立ちで見ているのが不自然

大問題は、麻子と千夏のやり取りを “案山子” のように突っ立ってるだけで見ている なつ。主演女優の演技と演出家の演技指導が中途半端なため、なつが千夏に「何か違和感を覚えた…」から動けなくなったと好意的に捉えることも出来るが、だとしても、この演技と演技指導、脚本もダメ。

いくら社内に連れて来たのが麻子でも、なつがここで、さっと千夏に寄って行って優しく声をかける…みたいな段取りにしないと。だって、これでは、麻子の子どもに対する優しさが表現されただけ。いくら、あと2週間ないとは言え、やはりここで描くべきは「なつの子どもへの優しさや愛情」だと思う。

子育て中のなつが、真っ先に千夏に話しかけないと…

従って、「もしかして千遥の娘?」みたいな中途半端な演技をさせずに、千夏が入って来たら、「いらっしゃい」とか言って出迎えないと。もしくは、千夏が入ってきた瞬間に「ねぇ。お母さんの名前、千遥って言うんじゃないの?」と速攻問い詰めるか?

こう言う積み重ねが、なつが子どもに優しいとか、なつが子育て奮闘中であるとか、いつも子どもに気配りしているとか、子どもを意識してアニメーションを作っているとかを、視聴者に植え付ける。しかし、今回もそうだが、本作はずっとやって来なかった。だから、なつは子どもを人生の邪魔者扱いしているようにしか見えないのだ。

今回も千遥が動いて、なつが動くから、なつに"愛"を感じない

主題歌明け、ついに、なつと千遥の 28年ぶりの再会のシーン。確かに、千遥は 28年前に自分で選択し、なつの前から姿を消した。だからなの? なつが千遥のその後の居場所を全く探していなかったと言う事実は。こう言うところも、前述と一緒。

千遥が千夏に「なつとの関係」を伝えていないとは言え、ここはドラマなんだから「私 ずっと居場所を探していたの…」と言わせてから、千遥に「娘には 何も話していません」って言わせたら、少しは「姉妹愛」が描けたはず。ねっ? こう言う小さな積み重ねをしないから、「上辺だけのきょうだい」に見えちゃう。

劇中アニメ『大草原の少女ソラ』も、本編である朝ドラ『なつぞら』も、基本的なテーマのような部分は「誰もが支え合って 開拓者は強くなった」でしょ? だったら、3人きょうだいがどんな苦境にあっても、どこかで繋がっている、助け合って生きているように見せなきゃ。

いつも、千遥から動き出して、なつが追従するパターンだから、なつに “愛” を感じないのだ。

2人の若手女優の "才能とセンスの大差" を見てしまった!

それにしても、NHKは残酷だ。なつと千遥を対面させてやり取りさせるのだから。21歳と17歳と言う年齢差以上の、女優としての経験値の差をも簡単に埋めてしまう、2人の若手女優の、もう言って良いだろう、才能とセンスの大差を見てしまった。

17歳の清原果耶さんが演じる千遥の方が、明らかに主演女優が演じる 37歳設定の なつより年上に、そして母親に見えた。なつは相変わらず “案山子” のように棒立ちで台詞を喋るのに対して、千遥は身体を僅かに振り向かせ、顔を微妙に伏せながら喋る、そんな演技に千遥の 32年間の人生の苦労まで伝わって来た。

千遥が「もし良かったら… お客様として いらして下さい」と言った後の、なつの「行く! 必ず行く!」も、全く会いたいように見えない。「私 結構お金は稼いでるし お兄ちゃんの会社も景気が良いから 神楽坂でも余裕だからね。たくさん、お金使ってあげるからね」と自慢しているように見えてしまう。

なつへの不快感、主演女優の演技力、どちらもドラマ的に致命的…と言わざるを得ない。

親役の演技力の差が、子役の役にまで影響してしまうのか!?

更に突っ込めば、優は千遥が「写真の人」と気付いていた。しかし、そのことは千遥と千夏に「内緒」と言った。

何だろう? 子役の演技力の差もあろうが、親役の演技力の差が子役の役にまで影響してしまって、千夏は無駄口は叩かない物静かな少女に見えて、優は感情と思いつくままに失礼なことも言ってしまいそうな危なっかしい少女に見えちゃった。なつよ、優を絶対に神楽坂の料理屋に連れて行くなよ。

2つの家庭を "カットバック" して編集すると "粗" が見え過ぎる

それにしても、スゴイ。9分頃にインサートされた、28年前のデニムのオーバーオールを来て十勝の農場を歩く千遥と、今回の千遥、本当に 28年間の時間経過を感じた。その後の千遥と千夏の 2ショットのやり取りも見応え十分。僅か数分間のシーンなのに、母と娘の関係性の深さも見えたし、“家族愛” も “苦労” も見えた。

そのシーンから、まあホームドラマだから、2つの家庭をカットバック(切り返し)して編集するのは当然なのだが、なつと千遥をカットバックすればする程、同じ時代を生きている登場人物たちに見えないし、なつ自身が「北海道では苦労していない」と言ってしまっている通りに、主人公・なつは苦労をして来なかったのさえ見えてしまった。

なつのカレーライスのガサツな置き方と、甘口カレーなのかが気になって

で、もうどうでも良いのだが、引っ掛かったのがカレーライスを食べるシーン。最初の咲太郎(岡田将生)と光子(比嘉愛未)のいる時には、茶の一つも出さず、千遥と千夏のシーンが割り入って、坂場家にシーンが戻って来ると、なつが咲太郎と光子にカレーライスを、坂場が自分と なつのカレーライスを、最後に なつが優のカレーライスをテーブルに運んで来る。

何と言うシーンではないが、何か引っ掛かる。一つ目は、なつのぶっきらぼうでガサツな皿の置き方。一方の坂場(中川大志)は丁寧に置いている。1.5倍速で見るとその差が歴然と分かる。そして、なつが優に出したカレーライスが大人たちと同じもののように見えたこと。

二つ目は、こんなガサツな人間が多くの人の心を動かすようなアニメーションを創れるのか? と言う違和感。そりゃあ、私生活はがさつでも作品は繊細な芸術家はたくさんいると思うが、本作に於いては、なつは丁寧に皿を置くべきと思う。そして、二つ目の優のカレー。

これ、たった一言なつに「優のカレーは甘口だからね」と言わせるだけで良かった。脚本や演出の雑さ、主演女優の能力の無さが生んだ、残念なシーンだった。右手で急須を持ったまま、左手でぶっきらぼうに光子へ湯呑みを渡すのも、違和感と言うか、お里が知れるって感じ…

あとがき

結局、なつ自身が「北海道では苦労していない」と言ってしまっている通りに、主人公・なつは苦労をして来なかったことが、今回の清原果耶さん演じる千遥の登場で本当になった…訳です。

それにしても、なぜ、千遥の料理屋に速攻行かないのでしょう? まるで、週末知り合いの店に飲みに行くレベルのやり取りを見て、愕然としました。こう言う雑なやり取りの積み重なが、ドラマとしての説得力を削いで行き、その結果として劇中アニメの説得力も失うことになるのです。絶望的な朝ドラです。

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【これまでの感想】

第1週『なつよ、ここが十勝だ』
1 2 3 4 5 6
第2週『なつよ、夢の扉を開け』
7 8 9 10 11 12
第3週『なつよ、これが青春だ』
13 14 15 16 17 18
第4週『なつよ、女優になれ』
19 20 21 22 23 24
第5週『なつよ、お兄ちゃんはどこに?』
25 26 27 28 29 30
第6週『なつよ、雪原に愛を叫べ』
31 32 33 34 35 36
第7週『なつよ、今が決断のとき』
37 38 39 40 41 42
第8週『なつよ、東京には気をつけろ』
43 44 45 46 47 48
第9週『なつよ、夢をあきらめるな』
49 49 50 51 52 53 53 54
第10週『なつよ、絵に命を与えよ』
55 56 57 58 59 60
第11週『なつよ、アニメーターは君だ』
61 62 63 64 65 66
第12週『なつよ、千遥のためにつくれ』
67 68 69 70 71 72
第13週『なつよ、“雪月”が大ピンチ』
73 74 75 76 77 78
第14週『なつよ、十勝さ戻って来い』
79 80 81 82 83 84
第15週『なつよ、ワクワクが止まらない』
85 86 87 88 89 90
第16週『なつよ、恋の季節が来た』
91 92 93 94 95 96
第17週『なつよ、テレビ漫画の幕開けだ』
97 98 99 100 101 102
第18週『なつよ、どうするプロポーズ』
103 104 105 106 107 108
第19週『なつよ、開拓者の郷へ』
109 110 111 112 113 114
第20週『なつよ、笑って母になれ』
115 116 117 118 119 120
第21週『なつよ、新しい命を迎えよ』
121 122 123 124 125 126
第22週『なつよ、優しいわが子よ』
127 128 129 130 131 132
第23週『なつよ、天陽くんにさよならを』
133 134 135 136 137 138
第24週『なつよ、この十勝をアニメに』
139 139 140 141 142 143 144
第25週『なつよ、千遥よ、咲太郎よ』

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