サギデカ (第1話 [連続5回]・2019/8/31) 感想

NHK総合・土曜ドラマ『サギデカ』(公式)
第1話 [連続5回]『名前のない男』の感想。
今宮(木村文乃)は、がむしゃらかつ綿密な捜査を重ね、バイクを駆って犯人をどこまでも追い詰めていくような女性刑事。その内偵が功を奏し、捜査二課は手塚(遠藤憲一)の指揮のもと、振込め詐欺のアジトに突入。“かけ子”たちの逮捕に成功する。しかし彼らは犯罪組織の末端に過ぎず、大金を手にする上層部の事を何も知らない。そのうちのひとりの青年(高杉真宙)に至っては、彼自身どこの誰なのか、全く手がかりがつかめない…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:安達奈緒子(過去作/コード・ブルー3、透明なゆりかご、きのう何食べた?)
演出:西谷真一(過去作/あさが来た) 第1話
村橋直樹(過去作/透明なゆりかご)
音楽:谷口尚久(過去作/映画「結婚」「渋谷」)
「透明なゆりかご」「きのう何食べた?」の脚本家のオリジナル作品
本作の脚本担当が、月9ドラマ『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- 3rd season』と映画『劇場版コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-』までは、パッとしなかったのに…
その直後のNHKドラマ10『透明なゆりかご』とテレ東ドラマ24『きのう何食べた?』で、突然才能を開花させた安達奈緒子氏で、前2作と違って本作はオリジナル脚本と言うことで期待が高まり、最低限の事前情報のみで第1話を見た。
最初は、「ベタな刑事ドラマ」と高を括って観ていたが…
番組開始直後は、木村文乃さんがいつも通りの刑事役で、遠藤憲一さんがベタな昭和な刑事の上司で、高杉真宙さんが詐欺グループに潜入捜査するベタな刑事ドラマと高を括って観ていたが…
そんな予想は速攻に崩れ去り、本作が、詐欺グループを追い詰める刑事と、詐欺の被害者に加えて、振り込め詐欺の実行犯である “かけ子” の、三者の人間ドラマを交錯して描く、複雑な作品だと知った。
事前の綿密な調査あっての、巧みな状況&心理描写はスゴイ!
特に、中盤の以前に振り込め詐欺の被害に遭った主婦・三島悦子(泉ピン子)が自殺未遂をした辺りから、ドラマにグイグイと惹き込まれた。
恐らく、事前の綿密なシナハン(シナリオ・ハンティング=脚本家による事前調査)が無くては、ここまでの犯人側の言動や心情、時間軸を巧みに活かした構成の脚本は書けないはず。原作無しのオリジナル脚本でここまで魅せる脚本は、単純にスゴイと思う。
「無差別に銃を撃っているようなものです」に、ドキッとした!
今宮(木村文乃)の “かけ子” の男(=のちに「加地颯人」と分かる)(高杉真宙)の取り調べ中の「振込詐欺って誘拐と同じなんです」、「無差別に銃を撃っているようなものです」と言う台詞に、ドキッとした。
劇中歌の使い方や、事実に辿り着く過程の脚本と演出も秀逸!
そして、 あくまでも「直接傷つけたりしない。悪いのは騙された方」と主張する犯人。そんな犯人がどのような経緯で犯罪に手を染めるようになったのかを、いつも手放さなかった音楽プレーヤー内の楽曲から捜査し事実に辿り着く過程の、脚本と演出、劇中歌の使い方には恐れ入った。
あとがき
ただの詐欺専門の刑事ドラマでは無かったです。捉えどころのない詐欺グループの実体に迫り、何が何でも摘発しようと死力を尽くす警視庁の詐欺専門の女性刑事の生き様を通して、「社会のゆがみ」を描く社会派ヒューマンドラマですね。
脚本の展開の捻り方も凝っているし、キャスティングも主役から脇役、ゲストに至るまで細部にわたって巧妙且つ絶妙、そして演出もコミカルやホッとする場面を盛り込みながら、ドキュメンタリータッチの緊張感も盛り込んで堪能出来ました。名作の予感です…
|
|
|
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
職業"振り込め詐欺" (ディスカヴァー携書)
マンガでわかる! 高齢者詐欺対策マニュアル
パナソニック おたっくす デジタルコードレスFAX 子機1台付き 1.9GHz DECT準拠方式 ホワイト KX-PD215DL-W
★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry//13197/
- 関連記事
-
- なつぞら (第133回・2019/9/2) 感想 (2019/09/02)
- ノーサイド・ゲーム (第8話・2019/9/1) 感想 (2019/09/02)
- サギデカ (第1話 [連続5回]・2019/8/31) 感想 (2019/09/01)
- なつぞら (第132回・2019/8/31) 感想 (2019/08/31)
- セミオトコ (第6話・2019/8/30) 感想 (2019/08/31)