なつぞら (第130回・2019/8/29) 感想

連続テレビ小説「なつぞら」

NHK総合・連続テレビ小説『なつぞら』公式サイト
第22週『なつよ、優しいわが子よ』の 『第130回』の感想。


 本作は、2019/8/20 にクランクアップ(撮影終了)しています。
 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。


ある朝、なつ(広瀬すず)が目を覚ますと娘の優の姿が見当たらない。慌てて探すと、優はなつが仕事で持ち帰った動画用紙に絵を描いていた。なぜこんなことをしたのか問いただすと、優からは思いもよらない言葉が返ってきて、思わず言葉を失うなつ。そんな優の描いた絵を見て、坂場(中川大志)はあることに気付く。その日、なつが東洋動画に出社すると、制作部長からは「キックジャガー」の最終回をどう描くのかと問われ…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

アバンタイトルから、今週の演出、特に編集が最悪!

もう、アバンタイトルから酷過ぎる。だって、4歳の優が登場したのは、前回の10:41のこと。視聴者としては、まだ5分間も4歳の優、約3年間のなつの子育てを見ていないのだ。しかし、今回のアバンで、翌朝、優がなつが仕事で持ち帰った動画用紙に絵を描き加えており、なつは、こう言って優を問いただす。

なつ「これは ママの大事なお仕事でしょ!」

これね、脚本が稚拙なのは以前から言っているが、今週の演出、特に編集が最悪なのだ。なぜなら、このなつの台詞が生きてくるためには、下記の 3点セットの成立が必修なのだ。

  ●なつが “持ち帰り残業” を日常的にしていること
  ●“持ち帰り残業” 大事な仕事であること
  ●優に手を出してはいけないと “躾” がきちんと出来ている

この 3点セットがしっかりと視聴者に伝わっている時に限って、視聴者は なつの言い分に共感し、その上で、その後に描かれるオチを含めた「育児あるあるだよね」と笑えるのだ。しかし、本作はやっちゃった。正確には、やらなかった。だから、クスリとも笑えない。

前回での茜の家からの帰路中のシーンからアバンにすべきだった

実は、前回での茜の家からの帰路中でなつが、「早く帰えろうね」と言いながら、こんなことを言ったのだ。

なつ「ママ お仕事しなくちゃいけないから」

それを聞いた優は、「またぁ~」みたいな名演技で、なつが “持ち帰り残業” を日常的にしていることだけは描かれていたのだ。しかし、そのシーンは薄暗い中でのほんの僅かなやり取り。

だから、本来なら、この帰宅途中のシーンをアバンの冒頭にくっつけて、そのあとになつの “持ち帰り残業” 風景と優の寝顔、そして今回のアバンの1カット目の坂場家の朝の全景カットに繋げるべきだった。それをやらないから、「どうせ、ろくな躾もしていないくせに、早朝からヒステリックに娘を叱るのか!」と受け取れちゃう。

一度ヒステリックに叱って、理由を聞いてから「何でもない」と許す?

その後、優が「お母さんのために…」的な理由を言って、コロリと翻って「いいの こんなの 何でもない」と言うなつ。これも、感じ悪い。

私が古い人間だから、こう思うのだろう。親は、どんな時でも子供の味方、子どもを信じる崇高な存在だと。だから、一度ヒステリックに叱っておいて、理由を聞いたら「何でもない」と簡単に許すのは、子育てとしてどうなのかな? って。

なつが大事なお仕事を優が触れる所に放置したのが最大問題

いや、なつは仕事をしながら子育てしているから “子育てに不慣れ” なのだと言い聞かせることも出来る。だって、1歳半から3歳までの育児が描かれていないのだから、何とでも脳内補完出来る。しかし、坂場(中川大志)まで一緒になって、こんなやり取りを描かれると、好意的になんて解釈して堪るか! って思ってしまう。

坂場「優は 君の仕事を見て
   いつの間にか覚えちゃったんだ こんなこと…」
なつ「優! あんた天才だ!」

この夫婦、どうなってるの? もう、この「天才」って言葉が登場した瞬間に、このシーンが、なつの躾がどうだとか、叱ったのが正しかったかとか、どうでも良いシーンになった。では、何のシーンになったのか? 答えは、なつが “大事なお仕事” を容易に3歳児が触れる状態に置きっ放しにした無責任さをあからさまに描いたってこと。

なつは会社でも持ち帰り残業しても大した仕事はしていない

ここで思い出して欲しいのだ。なつは、これまでもずっと “持ち帰り残業” をして来た。そして、更に思い出して欲しいのは、その殆どの “持ち帰り残業” は何の成果も見出していないことも。

そう、なつは、職場で同僚や上司が見ているところでは、仕事をしているように振る舞うが、見ての通り「原画を数枚ペラペラめくって書いて、部下に指示して定時帰宅」が “なつのお仕事” なのだ。

また、“持ち帰り残業” をすると「なつは夜中も頑張ってる」と言う描写には使われても、昼間の “なつのお仕事” と同じで、仕事をやっている風に見せる以外の役目が殆どない。例えば、いつぞや千遥(清原果耶)が十勝に現れて結果的になつとはすれ違いで会えなかった時に、短編映画の企画を “持ち帰り残業” にした。

しかし、結果はご存知の通り、夕見子(福地桃子)の『ヘンゼルとグレーテル』のネタをパクって報告した。また、「農協の問題」の際には会社に内緒で「音問別農協」の組合長・田辺(宇梶剛士)に依頼されて牛にしか見えない「社章」をデザインして、あれも尻切れで終わった。

そう、要はなつは、会社にいても、“持ち帰り残業” をしても、結果的に大した仕事はしていないのだ。今回の「こんなの 何でもない」がそれを証明した訳だ。

だから、今回も「天才」をやりたいがために、脚本家は “持ち帰り残業” をさせた訳だが、視聴者は「なつは、どうせ仕事はしない」のをお見通しだから、微笑ましいシーンになんて見えないのだ。本当、この脚本家は、いつまで同じことを繰り返すのか…

「急いで1から書き直し…」で間に合うなら何故持ち帰った?

主題歌明けに、早速、我が娘の天才っぷりを、仕事もしないで自慢するなつ。それを「親バカ」と褒められるシーンがあった。

普通のドラマなら、アバンでのいたずら書きと思ったのが、実はお母さんを寝させてあげたいと言う子どもなりの気遣いで、その絵が思いのほか出来が良くて、親が有頂天になって…と言うのは、無条件で微笑ましい「ドラマ子育てあるある」になる。

しかし、視聴者には5か月間で摺り込まれた “なつのイメージ” がドカ~ンと存在するから違和感しかない。こう言うのが、私が良く言う「連ドラに於ける連続性」を無視したエピソードってこと。やればやるだけ、連ドラとして崩壊の一途をたどるだけなのだ。

それにしても、出社直後からそれなりの時間が経過した感じの中での「親バカ」エピソードだが、「急いで 一から書き直します」で間に合うなら、なぜ優を叱ったの? それ以前になぜ “持ち帰り残業” にしたの? と言う疑問は依然として残るが…

幼少期のなつの絵を、柴田家が褒める場面が欲しかった…

恐ろしい程に、なつの会議のシーンの放送尺が短かったのに失笑してしまった。そして、6分過ぎに描かれたのが、優の描いた絵をなつが べた褒めするシーン。こう言うのを、「十勝編」のなつの幼少期から高校時代に、柴田家の面々がなつが描いているスケッチブックの絵を見て褒めるシーンが欲しかった。

で、演劇部のくだりをカットして、普通に絵画部で頭角を現して、その才能を買われて、演劇部の書き割りの作業を引き受けて、更に学校中から絶賛されて、いざ東京へ。これが良かったと思う。何度も言うが、時既に遅いが…

十勝では夕見子の。今度は、娘のアイデアをパクったか!?

で、結局、なつが優に「キックジャガー」の最終回の話をすると、優からベスト・アイデアが飛び出して、それを会議で発表する。これ、十勝で夕見子のネタをパクったのと全く同じパターン。他の人のアイデアをさも自分のアイデアのように手柄は独り占め。確かに、他の人と話していて、偶然に “閃く” ことは、私にだってある。

しかし、本作では、主人公が次の段階に移行する大事な場面で、これを使う。だから、一向に才能があるようにも、積極的に仕事をしているようにも見えない。とにかく、仕事は持ち帰って誰かにパワーを注入して貰ってなんぼ…って流れ。こう言うなつも、共感出来ないと思う。

茜の妊娠を察知したなつが、溜息をついているように見えた

そして、最近は毎回、1つは衝撃的なシーンが盛り込まれる本作だが、今回は突然やって来た。11分過ぎ、茜の家に優を引き取りに来たなつの目の前で、茜が吐き気をもようしてトイレに駆け込むシーンだ。その時のなつの表情。私には演技が演技だけに「おいおい、茜ちゃん。今、また妊娠かい?」と心で叫んでいるようにしか見えなかった。

茜の妊娠を喜び自分たちは出直そう…にしなかった演出の罪

その後の、坂場となつがダイニングテーブルで語り合っているシーンでも、口先では「おめでただよね」と言ってはいるが、明らかになつの心を独占しているのは「迷惑」の二文字。

確かに、坂場となつにとっては、「降って湧いた迷惑」だろうが、もう少しまともな演技指導で、「茜の妊娠を心から喜んで、優の預け先はまた考えよう…」と言うような “明るいシーン” に落とし込めなかったかぁなと思う。

あとがき

なつ、明子の誕生日を知らなかったんですね。優と明子はかなり前からお友だちだったとの表現があったから、普通はお互いの娘の誕生日にお祝いとかしないのかな? それこそ、昭和40年代は幼稚園生位なら、お互いの誕生日に家に呼んだり呼ばれたりしたと記憶していますが。まっ、優も明子も小さいし、なつが子育てに無関心ってことで一件落着としておきましょう。

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【これまでの感想】

第1週『なつよ、ここが十勝だ』
1 2 3 4 5 6
第2週『なつよ、夢の扉を開け』
7 8 9 10 11 12
第3週『なつよ、これが青春だ』
13 14 15 16 17 18
第4週『なつよ、女優になれ』
19 20 21 22 23 24
第5週『なつよ、お兄ちゃんはどこに?』
25 26 27 28 29 30
第6週『なつよ、雪原に愛を叫べ』
31 32 33 34 35 36
第7週『なつよ、今が決断のとき』
37 38 39 40 41 42
第8週『なつよ、東京には気をつけろ』
43 44 45 46 47 48
第9週『なつよ、夢をあきらめるな』
49 49 50 51 52 53 53 54
第10週『なつよ、絵に命を与えよ』
55 56 57 58 59 60
第11週『なつよ、アニメーターは君だ』
61 62 63 64 65 66
第12週『なつよ、千遥のためにつくれ』
67 68 69 70 71 72
第13週『なつよ、“雪月”が大ピンチ』
73 74 75 76 77 78
第14週『なつよ、十勝さ戻って来い』
79 80 81 82 83 84
第15週『なつよ、ワクワクが止まらない』
85 86 87 88 89 90
第16週『なつよ、恋の季節が来た』
91 92 93 94 95 96
第17週『なつよ、テレビ漫画の幕開けだ』
97 98 99 100 101 102
第18週『なつよ、どうするプロポーズ』
103 104 105 106 107 108
第19週『なつよ、開拓者の郷へ』
109 110 111 112 113 114
第20週『なつよ、笑って母になれ』
115 116 117 118 119 120
第21週『なつよ、新しい命を迎えよ』
121 122 123 124 125 126
第22週『なつよ、優しいわが子よ』
127 128 129

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