なつぞら (第88回・2019/7/11) 感想

連続テレビ小説「なつぞら」

NHK総合・連続テレビ小説『なつぞら』公式サイト
第15週『なつよ、ワクワクが止まらない』の 『第88回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


咲太郎(岡田将生)は、劇団を辞めて声優のプロダクションを立ち上げるとなつ(広瀬すず)に宣言する。咲太郎は、所属第1号の蘭子(鈴木杏樹)とともに、雪次郎(山田裕貴)やレミ子(藤本沙紀)に声優という仕事の可能性を語る。季節が巡り、制作の期限が迫ってきた初夏。東洋動画では、短編映画のストーリーがなかなかまとまらず、なつは、麻子(貫地谷しほり)や坂場(中川大志)らとともに生みの苦しみを味わっていて…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

「夢中になっていた」を映像化しないとダメでしょ

前回で、やっと久し振りにアニメーション制作の話が、と言っても企画が煮詰まる…みたいな雰囲気になって、神地航也(染谷将太)の登場で、一進一退の不毛な議論に光が射して来て、社内会議が終わっても、ランチの喫茶店内でも議論を重ねて、神地の才能に対して坂場(中川大志)が、こんなことまで言って終わったのだ。

坂場「これからの日本の漫画映画には
   いつ どんな才能が現れるか分からないんです」

なのに、今回のアバンは、その不毛な議論の中での「面白い!」と、はしゃぐなつ(広瀬すず)のアップを使って、更に、こんな馬鹿げたナレーションを入れた。

N「なつが 短編映画作りに夢中になっていた ある晩のことでした」

本当、この脚本家と演出家ってアバンタイトル作りが下手過ぎる。だって、折角前回で稚拙な描写ながら、「北海道バケーションツアー」を終えたなつが加わって短編映画作りが本格的に始動したのだから、その勢いを利用して「夢中になっていた」を映像化しないとダメでしょ。

なつって本気で仕事や夢のことを考えているのかなぁ?

絶対に映像化すべき描写をナレーションで済ませるのは、本作では既に当たり前のことになってしまっているが、今回の、それも冒頭のアバンでやっちゃうと、捻くれ者の私は「仕事に夢中って、おかしくない?」と思ってしまう。もちろん、仕事に夢中になることはある。

でも、なつだから「仕事に集中していた」にして、そう見えるような映像を 1カットでも入れないと、まるで、毎朝の通勤コーデに夢中になっているのと仕事が同等に見えてしまう。だって、なつはそう言う人間だから。

物事の重要性の優先順位やプライオリティーが分からない子なのだから。いつも、自分中心でやりたいことを順番にやる子なのだから。興味関心が別に移れば、優先順位を簡単に変えてしまう “人でなし” なのだから。この馬鹿げたナレーションのせいで、益々「なつって本気で仕事や夢のことを考えているのかなぁ?」と思ってしまった。

帰宅したなつを迎えるのは、下山や麻子たちが良かったのに

でも、こんな馬鹿げたナレーションの直後でも、例えば、物語的には なつが退勤後に寄り道するはずはないのだが(でも、創作意欲を湧かせるために、映画を観に行くと言うエピソードなんかは良いと思う)、いつもより少し帰宅時間が遅くなって…

亜矢美(山口智子)に「あれ? 今日は帰りが遅かったね」とか言わせて、なつが「亜矢美さん、勉強のために映画を観て来たから遅くなっちゃった。連絡しなくてごめんなさい」とか答えさせ、なつのアップからカメラが引くと、店内のカウンター席に下山(川島明)や麻子(貫地谷しほり)たちが陣取って…

「昼間の会議の続きをやりたくて来ちゃった」にしたら良かった。これなら、なつだけでなく短編映画に関わる全員が「短編映画作りに夢中になっていた」に見えるから。

7分過ぎまで「咲太郎の声優時代到来物語」をやる必要ある?

しかし、本作は、あろうことか短編映画作りの話を一時停止させて、「主人公の短編映画作りのエピソード」よりも、興味のない脇役と脇役の脇役のエピソードに乗り替わった。

確かに、モデルとなっている人となりや、アニメーション黎明期と言う時代や、「朝ドラ100作目」の “大人の事情” も、一応理解しているつもりだし、感想を書く上で承知もしている。ただここで、わざわざ短編映画作りの話を一時停止させて、咲太郎(岡田将生)を登場させて声優の時代到来物語を挿入する必要があるかってこと。

そりゃあ、声優の話が漫画映画と密接な関係にあるのは分かる。分かるが、なぜ今? としか思えないアバンタイトルだった。そして、主題歌明けも、とっくのとうに忘れた反社会的勢力の脇役たちを再登場させて、無駄話。これを 15分間しかない朝ドラの7分過ぎまで描くのだから、本当に意味が分からない。

登場人物に「生みの苦しみ」をさせる前に、作り手たちこそ…

そして、やっとこさって感じで短編映画作りの話の一時停止ボタンが解除されて再生スタート。しかし、残念ながら、いや当然ながら、「なつが 短編映画作りに夢中になっていた」は描かれぬまま、季節が初夏まで一気に時間経過してしまった。これからは「なつの夏服通勤コーデ」が楽しめるなんて言っている場合ではない。

だって、「夢中」が描かれずに、今度は登場人物らが悩んでいる姿だけ映して、ナレーションが「生みの苦しみを味わっていた」と処理してしまったのだから。おいおい、「生みの苦しみ」とはこう言うもの…と言うのを描くのが、ドラマなのでは無いのか。

視聴者が なつたちが毎日毎日喧々囂々議論を交わし、悩みぶつかり合い、時に笑ったり絶望したり、そう言う描写を重ねた結果、視聴者自身が、そんななつたちの姿に「生みの苦しみ」と言う言葉を重ねて、ドラマの世界に惹き込まれて行く。そう視聴者を導くのが、本作のテーマやストーリーであり、脚本家と演出家の仕事で無いのか。

劇中の登場人物たちに「生みの苦しみ」をさせる前に、自分たちこそ、もっともっと「生みの苦しみ」を味わうべきだ。それをしないから、放送回が進めば進む程、つまらなくなっていくのだ。

坂場が「生みの苦しみ」の主導権を握っているように見える

更に、残念なのは「なつの生みの苦しみ」の描き方だ。例えば、会議の場面で「森」と言うキーワードが登場して、なつが「森」から何かを閃くようなエピソードの入り口があった。あの場面でも、なつには才能があるのだし、ヒロイン特権を行使しても良いのだから、なつが「森」に気付いて良かったのだ。

しかし実際は、なつはウンウンと頷くだけで、ヒントを出したのは坂場と茜(渡辺麻友)。どうせ、“なつアゲ” するなら、こう言う時に神地に「なるほど」と言わせて、なつの才能を客観的に描けば良いのだ。

要は、なつを含めた複数名がいるなかで、なつの才能を描かないと意味が無いってこと。だから、10分過ぎの元々理論派の坂場と 何も考えていないなつの二人きりのシーンでやっても、結局は坂場が「生みの苦しみ」のイニシアティブを握っているように見えてしまうのだ。あくまでも、主人公が物語をけん引した方が良いと思う。

徹夜明けの律の寝顔にキスした鈴愛を思い出してしまった…

そして、なつと板場が徹夜明け。何となく『半分、青い。』で、扇風機の開発に苦労し徹夜で研究をした翌朝に、ソファーで寝ていた朝日に照らされた律の寝顔に鈴愛がキスしたシーンを思い出してしまった。こう言うのも、あざといなぁって思う。おっと、これも「朝ドラ100作目」だから、『半分、青い。』へのオマージュか…

明瞭に「なつの才能」を他者と比較して描くべき!

そして、13分頃に徹夜明けの社内会議の風景。きっと、どんどん板場のやり方で短編映画作りが進んで行くのを面白くないと言う麻子を表現したのだと思う(答えは、明日には分かると思うが)。

でも、あの貫地谷しほりさんの演技では、麻子がなつの才能を羨ましく思っているようにも、坂場や神地ら男性を上手く取り入れて仕事をやっているなつを女性として羨ましく思っているようにも見えてしまった。そう見えてしまったのは、貫地谷しほりさんの演技力の問題でない。

しっかりと明瞭に「なつの才能」を他者と比較して描かないからだ。それをしないで、咲太郎の会社設立話なんかやるからダメなのだ。それこそ、今回の最後に「なつが 短編映画作りに夢中になっていた頃 咲太郎は ある考えを思い付いていた…」として、次回のアバンで30秒程度やれば良かっただけのことだ。

あとがき

短編映画作りって、麻子先輩となつと板場の三人で進めるのでは無かったでしたっけ? なのに、どうして麻子はいつも蚊帳の外なのか? どうでも良いことですが…

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【これまでの感想】

第1週『なつよ、ここが十勝だ』
1 2 3 4 5 6
第2週『なつよ、夢の扉を開け』
7 8 9 10 11 12
第3週『なつよ、これが青春だ』
13 14 15 16 17 18
第4週『なつよ、女優になれ』
19 20 21 22 23 24
第5週『なつよ、お兄ちゃんはどこに?』
25 26 27 28 29 30
第6週『なつよ、雪原に愛を叫べ』
31 32 33 34 35 36
第7週『なつよ、今が決断のとき』
37 38 39 40 41 42
第8週『なつよ、東京には気をつけろ』
43 44 45 46 47 48
第9週『なつよ、夢をあきらめるな』
49 49 50 51 52 53 53 54
第10週『なつよ、絵に命を与えよ』
55 56 57 58 59 60
第11週『なつよ、アニメーターは君だ』
61 62 63 64 65 66
第12週『なつよ、千遥のためにつくれ』
67 68 69 70 71 72
第13週『なつよ、“雪月”が大ピンチ』
73 74 75 76 77 78
第14週『なつよ、十勝さ戻って来い』
79 80 81 82 83 84
第15週『なつよ、ワクワクが止まらない』
85 86 87

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