なつぞら (第80回・2019/7/2) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『なつぞら』(公式サイト)
第14週『なつよ、十勝さ戻って来い』の
『第80回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
富士子(松嶋菜々子)からの電話で、なつ(広瀬すず)の妹、千遥が十勝の柴田家に来ていると言われたなつ。千遥が富士子に伝えた言葉になつは激しく動揺する。千遥に会いたいなつは、すぐにでも十勝に帰ろうと、会社に許可をもらい早退。知らせを聞いた咲太郎(岡田将生)も、すぐに風車へ。妹の消息がわかったことに安堵する。そのころ十勝では、千遥が柴田家の面々に対し、なつたちが来る前に帰ると告げていた…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
せめて動揺したなつが短編映画の作業に没頭出来ないなら…
今回のアバンタイトルの作りも、本当に下手。もう前回で千遥役が清原果耶さんと言うだけで、相当のインパクトを視聴者に与えた訳で、前回のラストで視聴者もなつ(広瀬すず)本人も、富士子(松嶋菜々子)からの電話で妹・千遥が十勝の柴田家に来ていると言われて動揺したのは分かってる。
その分かっていることの中で、ハッキリ言うが最も分かり切っている部分だけを摘まんで、今回のアバンにした。主題歌明けも、前回のラストを切り貼りしただけ。これ、普通は百歩譲って、アバンだけはそのままにして、主題歌明けは「動揺したなつ」が、短編映画の作業に、中々没頭出来ない…位で良かったと思う。
今更なつが千遥に動揺したって、説得力はないのだから…
だって、兄妹揃って、自分の幸せな生活を守るために、つい数年前に無視した千遥なんだから、ここへ来て動揺したって、説得力はないのだから。だから、本当はなつが富士子に「今、仕事が大変なんだわ。とにかく、千遥のことはお母さんに任せる」と言って、電話を切らせるべきだった。
それをせずに「すぐ行く」、その後には、なんと麻子(貫地谷しほり)に「短編のことなら どこにいたって考えられるでしょ」なんて言わせるから、放送から三か月を過ぎても、東洋動画に入社して三年も経つのに、一向になつからアニメーションへの情熱を感じないし、そもそもなつが日常的に仕事のことを考えているのかさえも描けていないのだ。
なつの仕事へのやる気を見せるために兄妹が再会するのを…
これは、放送の全体構成を上手くやって、なつと千遥が再会するタイミングを、千遥が柴田家にやって来た数日後の大型連休とか盆休みとか正月休みにすれば良かっただけのことも、脚本家は気付かないのか?
そして、今さら捨てた千遥を心配して涙する「着せ替え人形の広瀬すず」を描いて、本気で朝ドラを楽しもうとしている私を含めた視聴者たちが喜ぶと勘違いされていること自体が情けない…
まだ清原果耶さんの千遥としての総出演時間は数分間なのに
さて、広瀬すずさんのファンには申し訳ないが私には未だに「通勤コーデ映えにしか興味のない奥原なつ 21歳」か「着せ替え人形の広瀬すず 21歳」にしか見えていないのに対して…
まだ清原果耶さんの千遥としての総出演時間は数分間なのに、「名作ドラマ『透明なゆりかご』で、 独特の感受性と真っ直ぐな信念を持っている、青田アオイ 17歳」が「駄作ほぼ確定朝ドラ『なつぞら』で、幼き頃に虐待を受け、一人で生きて行く決心をした心の闇を抱えつつも、どこか優しい心根のありそうな千遥 18歳」に完全に見えている。恐るべし、女優・清原果耶だ。
清原果耶さんの出演に対して、全面的に喜べないワケがある
さて、ここで書くべきでないことかも知れないが敢えて書いておく。『半分、青い。』に永野芽郁さんがヒロイン役に抜擢するまでは、「私がお勧めの新人女優さんは、是非とも、朝ドラヒロインになって欲しい」と願っていたし、当blogでも書いて来た。
しかし考えは変わった。駄作に出演すると女優としてのイメージにまで汚点が付く。従って、それ以降は「私が実力を認める新人や若手の女優さんには、朝ドラのヒロイン役にだけはなって欲しくない」と。
だから、この度の清原果耶さんの出演に対しても、諸手を挙げて喜べない。だって千遥役はオーデションでなく、NHKからのオファーなのだ。だから、これ以上、朝ドラスタッフに利用されたくないのだ。
残酷で壮絶な人生なのに、無駄に悲壮感が漂わないのが良い
そして、 清原果耶さんは、千遥の役作りの参考のために千遥の幼少期のシーンだけ少し見ただけだそうだ。千遥が知らないなつと咲太郎を自分も知らない方が良いから…との判断だそうだ。また、この度の千遥が良いのは、残酷で壮絶な18年間を生きて来たのに、無駄に悲壮感が漂っていない点だ。
清原果耶さんと演出家と衣裳やヘアメイクさんらの絶妙なコラボ
また、今回の千遥に対しては、妙に演出家や美術さん(衣裳やメイク担当)が力が入っている。久し振りに兄妹が電話で話すシーンでの千遥には、どことなく幸福感が漂うような声の演技指導をしていたり…
ヘアメイクさんは二人が長年会っていないのに、十勝時代のなつは “後ろで三つ編み” してiいたのに対して、今の千遥は “横で三つ編み” にしたり…
衣裳さんも絶妙な素朴さと若さを表現した白いベルトにピンクのワンピースと、ちょっと富士子のピンクのカーディガンと映像的に重なって映ると、母子感も醸し出している。スタッフのやる気さえも引き出す魅力があるってことか?
あとがき
15分間に『清原果耶劇場』の印象しかありません。素晴らしい透明感と演技力、それを支えるスタッフの心意気。なぜ、それを、主人公のなつに対して向けないのでしょう? 半年分のお口直しにしては、味が濃くて美味し過ぎますよ。もちろん、称賛の言葉です。
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【これまでの感想】
第1週『なつよ、ここが十勝だ』
1 2 3 4 5 6
第2週『なつよ、夢の扉を開け』
7 8 9 10 11 12
第3週『なつよ、これが青春だ』
13 14 15 16 17 18
第4週『なつよ、女優になれ』
19 20 21 22 23 24
第5週『なつよ、お兄ちゃんはどこに?』
25 26 27 28 29 30
第6週『なつよ、雪原に愛を叫べ』
31 32 33 34 35 36
第7週『なつよ、今が決断のとき』
37 38 39 40 41 42
第8週『なつよ、東京には気をつけろ』
43 44 45 46 47 48
第9週『なつよ、夢をあきらめるな』
49 49 50 51 52 53 53 54
第10週『なつよ、絵に命を与えよ』
55 56 57 58 59 60
第11週『なつよ、アニメーターは君だ』
61 62 63 64 65 66
第12週『なつよ、千遥のためにつくれ』
67 68 69 70 71 72
第13週『なつよ、“雪月”が大ピンチ』
73 74 75 76 77 78
第14週『なつよ、十勝さ戻って来い』
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