なつぞら (第68回・2019/6/18) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『なつぞら』(公式サイト)
第12週『なつよ、千遥のためにつくれ』の
『第68回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
思いもよらなかった千遥の消息に、大きなショックを受けるなつ(広瀬すず)。咲太郎(岡田将生)や亜矢美(山口智子)のなぐさめにも、かたくなに心を閉ざしてしまう。翌朝、遅刻して東洋動画に出社すると、仲(井浦新)や井戸原(小手伸也)、下山(川島明)ら、アニメーターたちが集まり、キャラクター検討会が行われていた。そこでなつは、仕上げていた常盤御前のキャラクターを提出するが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
迷作に相応しいアバンタイトルに見えた "演出家のセンス" の悪さ
アバンタイトルで繰り返した “前回のシーン選びのセンスの無さ” に、速攻呆れてしまった。
なつ「奇跡なんてないんだわ」
どれだけ「広瀬すず」のアップを入れたいのか知らないが。
戦災孤児だったなつ(広瀬すず)が親切な剛男(藤木直人)と巡り合い、優しい奥原家に不自由無く伸び伸びと青春時代まで過ごさせて貰い、夢実現のために明るく送り出してもくれ、今では十勝で知り合った陽平(犬飼貴丈)や雪次郎(山田裕貴)には東京でも世話になっていることこそ “奇跡の約10年間” で無いのか?
それとも、なつは「私は可愛いから、みんながチヤホヤして当然」とか思っているのか? それとも、脚本家は “この程度の軌跡” は「ヒロイン特権」で当然だと思って書いているのか? 奇跡を奇跡として自覚も認識も出来ないヒロインを平気で描き続ける朝ドラ。本当に迷作に相応しいアバンだ。
"奇跡を奇跡として自覚も認識も出来ないヒロイン"に大幻滅
主題歌明けの3分過ぎからは、突っ込み所が満載過ぎて、台詞を引用するだけで一苦労だ。
なつ「何のために 私は生きているんだろう…
自分だけ 好きな夢追って… それで いいんでしょうか?」
えっ!? 今更これ言う? これを言うなら十勝を出るかでないか、泰樹(草刈正雄)の自分への期待を裏切ることになるかならないか、その時に言う台詞でしょ。だから、“奇跡を奇跡として自覚も認識も出来ないヒロイン” に余計見えちゃう。
毎度 何の根拠もなく「信じてる」咲太郎も無責任だが…
また、その直後の亜矢美(山口智子)の慰めの台詞も意味不明だったが、亜矢美と入れ替わりで登場した咲太郎(岡田将生)となつの会話も全く意味不明だ。
咲太郎「俺が悪かった。俺が千遥を あんな目に遭わせてしまったんだ。
けど 俺は 千遥が どこかで生きていると信じてる」
な つ「お兄ちゃん… だったら 今すぐ 千遥を捜さないと…
私は 絵なんて描けないよ…」
咲太郎が、また何の証拠もなく「千遥が どこかで生きていると信じてる」と言ったのも無責任だが、なつは “奇跡を奇跡として自覚も認識も出来ないヒロイン” だから「信じる」なんて言葉は馬耳東風、ヌカにクギ、暖簾に腕押し、馬の耳に念仏、カエルの面に水なのだ。
それでも、まだ「今すぐ 千遥を捜さないと…」までは良かった。どうせ、“パシリ” の信哉(工藤阿須加)に千遥捜しは丸投げだろうが、「捜したい」と言う意思が見えたから。
なつが「千遥をすぐ捜したい」理由が心配…で無い事こそ悪夢
でも、そのあとの「私は 絵なんて描けないよ…」で更になつに幻滅した。これって、千遥の現状を心配して捜そうと言い出しのでなく、自分の夢を邪魔する者、邪魔しようコトは排除したいってだけに聞こえたから。
それなのに、脚本家は、前回の感想のあとがきで書いた通りに、なつは悲しみを忘れようとアニメ制作に集中して、サブタイトルの『なつよ、千遥のためにつくれ』に繋げる気なのだ。この展開、この流れが如何に滅茶苦茶であるのか、脚本家が気付いていないのならば恐ろしい “奇跡” …いや、“悪夢” であると言わざるを得ない。
昭和32年(1957)の夏に、クリームを使ったケーキが朝の食卓に!?
11分過ぎの出勤前の朝のシーンなのに、まだ “悪夢” は続いた。昭和32年(1957)の夏にクリームを使ったケーキが朝の食卓にあがっていたこと。
因みに、昭和27年(1952)の冷蔵庫は一般的なサラリーマンの月給10か月分の高級品で、冷蔵庫の普及率が 50%を超えるのは昭和40年(1965)。まあおでん屋を経営しているから冷蔵庫はあったかも知れないが、そもそも、昭和32年の夏にクリームを使ったケーキなど売っていたのだろうか?
店を出た途端に「ふぅ~」と溜め息をついたなつって何様?
その上、事実かどうかはどうであれ、咲太郎と亜矢美が自分の誕生日を祝ってくれたのに、店を出た途端に「ふぅ~」と溜め息をついた。字幕には無かったから、脚本家がト書きに入れたのか、演出家が現場で入れたのか、本人のアドリブの何れかだとは思うが、何の意図を以って「ふぅ~」を入れたのだろう? ここは「よっし!」じゃないの?
「ふぅ~」のお蔭で、遅刻が社会人の自覚不足にしか見えない
そして、14分過ぎに迷作のダメ押しが。
N「なつよ 千遥のために夢を捨てるな」
強引にサブタイトルに結び付けて終わりたい気持ちが見え見えのナレーションが被さったのが、遅刻して出社したなつのシーン。
どう見ても、寝坊したにも関わらず、今日も自分の見栄っ張りのために、カチューシャと服装選びとお化粧に時間を掛け過ぎたのが原因で遅刻したのに、汗だくで走って来た形跡もゼロで、更に前述の「ふぅ~」もあるから、ただの社会人としての自覚不足にしか見えなかった。
そして、こんな描写ばかり続けるから、いつまで経っても、なつは「私は可愛いから、みんながチヤホヤして当然」とか思っている節が消えないのだ。
あとがき
プロと名乗る人たちが、こんな作品を世に送り出せるのか不思議でなりません。劇中でヒロインが溜め息をつきましたが、溜め息をつきたいのは、こっちですよ。どうして、受信料を支払って、こんな迷作か駄作かと呼ぶべきかと思わせる朝ドラを見せられているのですから。NHKは、さっさとスクランブル放送を導入すべきです。
それとも、『半分、青い。』以来の炎上商法か? 出演者が気の毒でしょうがない…
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【これまでの感想】
第1週『なつよ、ここが十勝だ』
1 2 3 4 5 6
第2週『なつよ、夢の扉を開け』
7 8 9 10 11 12
第3週『なつよ、これが青春だ』
13 14 15 16 17 18
第4週『なつよ、女優になれ』
19 20 21 22 23 24
第5週『なつよ、お兄ちゃんはどこに?』
25 26 27 28 29 30
第6週『なつよ、雪原に愛を叫べ』
31 32 33 34 35 36
第7週『なつよ、今が決断のとき』
37 38 39 40 41 42
第8週『なつよ、東京には気をつけろ』
43 44 45 46 47 48
第9週『なつよ、夢をあきらめるな』
49 49 50 51 52 53 53 54
第10週『なつよ、絵に命を与えよ』
55 56 57 58 59 60
第11週『なつよ、アニメーターは君だ』
61 62 63 64 65 66
第12週『なつよ、千遥のためにつくれ』
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