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インハンド(第10話・2019/6/14) 感想

インハンド

TBS・金曜ドラマ『インハンド』公式
第10話『驚異の致死率100%新型エボラ襲来…村を全面封鎖!!』の感想。
なお、原作の漫画、朱戸アオの「インハンド プロローグ1 ネメシスの杖」「インハンド プロローグ2 ガニュメデスの杯、他」「インハンド(1)」、連載中の「講談社 イブニング 2019年10号[2019/4/23発売]第11話:キマイラの血(8)」まで既読



紐倉(山下智久)は高家(濱田岳)と共に、高家の故郷・相羽村へ。福山(時任三郎)が村で実行を企てているある計画について、村民の間では反対運動が起きていた。高家はそこで、運動を率いる地元の友人・棚橋とその恋人・美園(石橋杏奈)に再会する。一方、福山の計画の報告書を入手した網野(光石研)達は、記載された内容に疑いを抱き、確認のため牧野(菜々緒)が相羽村に乗り込む。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:朱戸アオ「インハンド」(講談社「イブニング」連載中)
脚本:吉田康弘(過去作/映画「黄金を抱いて翔べ」、コウノドリ[2]) 第1,2,3,5,10
   田辺茂範(過去作/参道高校合唱部!、レンタルの恋、トクサツガガガ) 第6,8
   福田哲平(過去作/) 第4,7,9
演出:平野俊一(過去作/ブラック・マンディ、Sー最後の警官ー、カンナさーん!) 第1,2,5,7,10
   岡本伸吾(過去作/隠蔽捜査、TAKEFIVE、大恋愛) 第3,6,9,10
   青山貴洋(過去作/オーマイジャンプ!#3、ブラックペアン#7、グッドワイフ#8) 第4,8,10
音楽:得田真裕(過去作/家売るオンナシリーズ、アンナチュラル)
主題歌:山下智久「CHANGE」(SME Records)

今、日本で起きても不思議でない恐怖と現実を描いた第10話

正に、寄生虫学を専門した天才医師が最新科学で謎の事件を解決する連ドラの「最終章」と言う名に相応しい、我が国の感染対策予防の遅れや、国民一人ひとりの感染への知識不足、そのための恐怖、そして国からの補助金で生き残る手段を選択する地方自治体の存在など、今、日本で本当に発生してもおかしくない恐ろしさと現実味を描いた第10話。

紐倉の「放っておけない たくさんの生き物」との表現に感動!

そんな中で、この第10話の見所の一つである、フューチャー・ジーン社の福山(時任三郎)が建設しようとしている、取り扱うことの出来る病原体の危険度の厳しい基準である「BSL(バイオセーフティレベル)」が最高の「4」に備えた「BSL-4施設」の副所長への就任依頼へ、紐倉がどう応えるのか? の場面が良かった。

そんな中で、この第10話の見所の一つである、フューチャー・ジーン社の福山(時任三郎)が建設しようとしている、取り扱うことの出来る病原体の危険度の厳しい基準である「BSL(バイオセーフティレベル)」が最高の「4」に備えた「BSL-4施設」の副所長への就任依頼へ、紐倉がどう応えるのか? の場面が良かった。

紐倉「お断りします」
福山「どうして?」
紐倉「確かに BSL4はとても魅力的だ。この村も悪くない。
   以前の僕なら引き受けてたかもしれません。
   だけど今 僕の周りには
   放っておけない生き物がたくさんいるんです」
福山「生き物?」
紐倉「仲でも 人間が一番手がかかる」
福山「お前は変わったな」

「第7話」で描かれた、牧野の小学1年生の娘・美香(吉澤梨里花)の生まれつき免疫系に疾患が「PID(原発性免疫不全症候群)」の時に、紐倉(山下智久)と高家(濱田岳)と牧野(菜々緒)の「新トリオ」となって、それまでよりも関係性が強固になり連携性も高まった。

特に、紐倉と高家の関係は、単純な天才と助手を超えた、ある意味で “互いを尊敬しあう関係” となった。そのようにこれまでを解釈すると、紐倉が副所長案件を断った理由が、高家を中心とした高家の故郷・相羽村の村民全員を「放っておけない、たくさんの生き物」と表現した紐倉の心の変化、そして人間性に感動してしまった。

このセリフこそ紐倉にとって最も辛く苦しんだエピソードの集大成

「第5話」で描かれた、紐倉の右手の義手の謎と紐倉のかつての助手・入谷(松下優也)との過去が、紐倉のフラッシュバックとしてインサートされた、32分頃の、この紐倉の台詞で物語が一気に加速する。

高家「ちょっと待て 確証がないのに そんな…」
紐倉「急がないと手遅れになる。地獄を見たいのか?」

そして、この「最終章」が、紐倉にとって最も辛く苦しんだ、“あの小さな村の地獄” を二度と繰り返さないと言うエピソードの集大成であることが分かる。

私は、連ドラを見る時に「以前のネタ振りの巧い回収」と言う見方をしないようにしている立場なのだが、本作は、しっかりと主人公の過去を活かした物語の構成になっており、その点に於いて「以前のネタ振りの巧い回収」と言う表現が最適だと思う。

目に見えない人間の内面の恐ろしさも描いたのは、お見事!

そして、物語は、最初は数名の感染患者だったのが、あっと言う間に村全体に広まっていく様子や、紐倉と高家と牧野の新トリオが、迅速に感染予防に走る姿など、私は、感染に詳しい訳ではないが、中々リアルに描かれていたと思う。

視聴者の中には目に見えぬ感染症で、人が次々と血を吐き倒れていく様を見せられると、目を覆いたくなる人もいるだろう。

しかし、目を開いて本作に向き合えば、目に見えぬ感染症の前には一般人の成す素手の無さの儚さも見えて来るし、そもそも人類を感染の恐怖から逃せたいと言う崇高な意思の持ち主が起こしたパンデミック(広範囲に及ぶ流行病)であると言う皮肉さも見えて来た。

目には見えない感染症も怖いが、目には見えない人間の内面の恐ろしさも合わせて描いたのは、お見事だ。

あとがき

あの「第5話」の脚本担当の吉田康弘氏が書いた「第10話」ですから、物語としては、ほぼ直結していた感じですね。そして、演出担当は3人体制の豪華版。きっと「通りすがりの天才」が解決してくるのでしょう。ドラマですから。

いや、そうじゃないんです。「通りすがりの天才」である “紐倉哲” を演じる山下智久さんから放たれる “天才オーラと真面目な人間性” に、きっと解決してくれる…と、思えてしまうのです。

何度も書きますが、『アルジャーノンに花束を』で演じた「あいきょでしょ??」が口癖の知能は6歳児並みの知的障がい者・白鳥咲人役に並ぶ、「俳優・山下智久」の代表作になること、間違い無しですね。

何か、内容が衝撃的で翌朝になったら冷静に感想を書けるかと思いましたが、録画を見直したらやはり胸の中がザワザワしてしまって、おかしな感想になってしまい、申し訳ないです。最終回、全力で目を見開いて紐倉たちの姿を心に焼き付けましょう!

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インハンド 第10話

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★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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