なつぞら (第46回・2019/5/23) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『なつぞら』(公式サイト)
第8週『なつよ、東京には気をつけろ』の
『第46回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
なつ(広瀬すず)の兄、咲太郎(岡田将生)は亜矢美(山口智子)から、なつが東京に来たことを知らされる。北海道でひどい目にあい、東京に逃げてきたと勘違いした咲太郎は、考える間もなく、なつが働く川村屋に怒鳴り込む。店に姿を現した光子(比嘉愛未)に、なつを連れて帰ると言い放つ咲太郎。なつの手を取り川村屋を飛び出した咲太郎は、なつに会わせたい人がいると言い、突き進んでいく。行き着いた先は…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
面白くない脚本の文字面を、なぞって撮影しているだけ…
今回のアバンタイトルを見て、つくづく失笑してしまった(こんな表現が正しいか分からないが)。何て言うのかな、ただ台詞を言っている出演者を撮影しているだけなのと、台詞があろうが無かろうがアップで繋いどけ…みたいな雑な雰囲気が漂いまくっていた。
その上、アバンでのやり取りが単なる咲太郎(岡田将生)の誤解だってのは視聴者の誰もが気付いている訳で。だから、本来は、大袈裟に言って咲太郎を焚き付けるおでん屋・風車の女将・亜矢美(山口智子)と、早合点で誤解をしている咲太郎をコミカルに描けば「朝ドラあるある」的な雰囲気になって楽しくなるはずだ。
しかし、失笑にしかならない。だって、面白くない脚本を、そのまま文字をなぞって撮影しているだけだからだ…
ほぼ全員が自己主張を繰り返すだけだから、疲れる…
さて、主題歌明けは、失笑と言うよりも若干の疲労感さえ味わってしまった。咲太郎の借金話が根本的につまらないせいもあるのだが。アバンで頭に血が上った咲太郎が、何も思慮なく脊髄反射で妹・なつ(広瀬すず)の働く川村屋に怒鳴り込んで来た。そこへマダムこと光子(比嘉愛未)や雪次郎(山田裕貴)も参戦。
『朝の連続テレビ小説』とはよく言ったもので、まるで小説の如く台詞のやり取りだけで物語が進んで行く。そのこと自体を否定するつもりはない。しかし、この場面で問題、いや疲れるのは、台詞のやり取りをしているのに、ほぼ全員が自己主張を繰り返すだけだから。言いたいことを言い、相手を責め立てるだけ。
その上、受動的だったはずのなつが、能動的なばかりか、自己主張を超えて、逆ギレ気味に光子にこう口答えした。
なつ「マダムは 兄の何を知ってるんですか!」
テレビの字幕表示も「?」でなく「!」になっていたから、マジな逆ギレだ。で、その直後には平謝り。「川村屋」のギャルソン野上(近藤芳正)も加わるが、ちっとも盛り上がらずに、この場面は終了。
やはり、「描かれなかった9年間」に於ける「兄と妹」の描かれなかった関係と、「北海道・十勝編」での泰樹(草刈正雄)を中心として張りぼて家族(形ばかり…の意)の話の中で咲太郎をほぼ無視した展開が、完全に足を引っ張っているのは間違いない。
だから、先日も書いたのだ。兄とすずのくだりは、今放送中の「東京・新宿編」よりも後に思い付いて加えたのでないのかって。そう考えないと、あまりに咲太郎が幼少期の性格と別人過ぎるし、借金のくだりが不自然だから…
回りくどいの止めたら、火曜日のラスト5分で済んだのに…
ドラマチックにしたいし、ドラマチックにしているつもりだろうが、完全にすべっていたのが、後半のおでん屋の場面だ。ここでも、3人が自己主張し合い、時間が来たら(間が持たなくなったら)ネタバレであっさりと収束させて終了。
こんな回りくどい展開なんかにせず、「川村屋」に上京して来た時に、マダムが咲太郎に連絡して、おでん屋に連れて来て咲太郎がなつに事情説明したら、火曜日のラスト5分で済んだのに…
あとがき
「川村屋」の職長・杉本平助を演じる陰山泰さんや、山口智子さんや比嘉愛未さんら朝ドラ出演経験者の演技が実に朝に相応しくシャキッとしていて気持ちが良いですね。その点、演技派の岡田将生は「咲太郎」では持ち味が出せず、広瀬すずさんに至っては、なつのキャラが定まらないせいもあって存在感が薄過ぎます。何とか出来ないかなぁ…
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