テレビ朝日開局60周年記念 5夜連続ドラマスペシャル「白い巨塔(第一夜)」 (2019/5/22) 感想

テレビ朝日開局60周年記念 5夜連続ドラマスペシャル「白い巨塔」感想

テレビ朝日系・テレビ朝日開局60周年記念 5夜連続ドラマスペシャル『白い巨塔』公式サイト
『山崎豊子・不朽の名作『白い巨塔』が令和初の大型ドラマとして5夜連続で新たに誕生!主人公・財前五郎(岡田准一)をはじめ、大作にふさわしい豪華キャストが一堂に集結!』第一夜『金か権力か!?天才外科医の闘い』の感想。
なお、原作の小説、山崎豊子『白い巨塔』(新潮文庫刊)は既読で、その他の映像化作品も鑑賞済み。


時は2019年。浪速大学医学部第一外科では、東貞蔵教授(寺尾聰)の退官に伴う次期教授選挙が迫っていた。最先端医療のスペシャリストである同・准教授の財前五郎(岡田准一)が次期教授の筆頭候補だが、東は陰で財前を疎ましく思い、密かに財前以外を候補にと考え始めていた。その矢先財前は、同期である第一内科・准教授の里見脩二(松山ケンイチ)からある相談を受けるが…。欲望渦巻く熾烈な権力争いは、思いもよらぬ展開へ!
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:山崎豊子『白い巨塔』(新潮文庫刊)
脚本:羽原大介(過去作/黒革の手帖2017、昭和元禄落語心中)
   本村拓哉(過去作/民王スペシャル~新たなる陰謀~(脚本協力))
   小円真(過去作/?)
演出:鶴橋康夫(過去作/映画「後妻業の女」「のみとり侍」) 1
   常廣丈太(過去作/緊急取調室シリーズ、BORDERシリーズ)
音楽:兼松衆(過去作/黒い十人の女、僕らは奇跡でできている)
制作協力:ROBOT

失敗しなければ、医療ドラマ超えた逸な人間ドラマになるはず…

単純な感想だけ読みたい方は、下部の「あとがき」をお読み下さい…

原作の小説は、これまで幾度も実写映像化されている、作家・山崎豊子氏の不朽の名作『白い巨塔』だ。

これまでの映像作品で記憶に新しく印象強いのは、1978年の田宮二郎氏主演作と、2003年の唐沢寿明氏主演作だ。大阪の大学病院を舞台に、病院内の権力争いを中心に描いて行く中で、様々なドラマチックな展開を盛り込み、医療ドラマの枠を超えた人間の本性に迫った秀逸なヒューマンドラマに仕上がっていたのを今でも思い出す。

そんな作品の「令和版」が本作。基本的に、出演者は(配役が合っているかどうかは別にして)多種多様で豪華なラインナップであり、原作(既読)を考えれば「大ハズレ」は “ほぼ無し” のガチガチの安定の仕上がりになるはずだ。

「90分を5日連続で放送するの!?」と言う驚きと疑問と困惑

しかし、ここで私にとっても、恐らく第1話を観た、もしくは観ようと思った人の多くが感じたのは、「毎日90分を5日連続で放送するの!?(最下部に注釈があります)」と言う驚きと疑問と困惑で無かっただろうか。私のようなドラマファンなら、通常の連ドラ放送のある時期に、例え5日間とは言え、「毎晩90分間拘束されるのか?」と当然考えるはずだ。

民放であるテレビ朝日がお金をかけ「60周年記念」だとお祭り騒ぎのノリで制作&放送するのは勝手だが、豪華キャストで見所満載に仕上げたところで、5話の内で1話でも見逃したら、それこそ見逃し配信で急いで観てから、また次回に挑むなんてする人がどれだけいるだろうか。

ハッキリ言って、私は水曜日から日曜日の5日連続で90分ドラマを5本分見せると言う企画自体に疑問を抱く。だって、どのテレビドラマを見るのかを選ぶのは私たち視聴者であって、少しでも観易い環境や内容で放送してこそ、視聴率や話題性や感動を与えたれると思うのだが…

「この調子で、残り4日連続で90分ペースで続くの?」と言う不安

さて、実際に観終えて感じたのは、「この調子で、あと4日も毎日90分ペースで続くの?」と言う不安だった。これだけの有名な原作と過去の映像作品のある作品だから、既読と鑑賞済みの視聴者なら今作と比較して、あちこち無駄な部分が分かるに違いない。

しかし、最新の映像化が2007年の韓国版だから、最新と言っても先述の唐沢寿明氏主演の2003年版で、今から16年も前(平成15年)だから初見の視聴者が多いと思う。その人たちの気持ちになって考えたら、果たしてこの第1話で「明日も観たい!」と思うだろうか…と言うこと。

頑張ったが、重厚感は物足りないし、ワクワク感も湧かなかった

確かに、原作や過去の映像作品と比較しなければ、それなりに、2019年と言う時代設定に改変し、雰囲気は何とか醸し出したと思う。しかし、重厚感は物足りないし、ワクワク感も湧いては来ない。その理由は簡単だ。「毎晩1話90分×5話連続」が大前提で、3人の脚本家が共著で書いているからであり、的外れな演出のせいだ。

一般的な連ドラは「毎週1話54分×10話」だから、CMの度に「次は!」と煽っては、毎回のラストをドラマチックにして予告で引き付ければ「来週も観たい」と思わせるのは意外と容易い。視聴者も1週間の内に記憶が薄れて、新鮮な気持ちで「次」を観ることが出来る。しかし、今作は一般的な連ドラのような仕掛けが無かった。

全体的に「淡々と」とは言いづらい程のダラダラ感の上に、やはり体幹的に90分は長過ぎる。カーナビだって2時間連続運転したら「休みましょう」と話しかけて来る。CMでブツ切りになってものを、90分間集中して見るのは、正直しんどい。

それが、あと4日連続。4話目のラストで盛り上げて、5話でまとめれば良いと言うことではないと思う。やはり、企画自体に疑問しかない…

『ドクターX』の"平成らしさ"と比べると「昭和臭」が気になる

それと、演出面に焦点を当てて、感想を書いてみると。5夜連続の超大型ドラマと言う割に、意外と粗削りであったと言うことだ。特に、原作の昭和設定をわざわざ「2019年」に改変している割に、あちこちに「昭和」が顔を覗かせた。例えば、中盤過ぎの週刊誌の扱い方や、病院内の院長回診や教授選の描き方が古過ぎる。

「やはり、この原作は、ああでも描かないと成立しない」と考えた結果だろうが、同局の大人気ドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子~』の平成らしさと比べてしまうと、完全に「昭和臭」が漂っていた。

そして、最後に脚本にも一言。私が原作既読だからかも知れないが、展開が遅過ぎる。 これなら、1話70分程度(54分の15分拡大版と同等の)にして『報道ステーション』15分遅らせる位が丁度良かったのでは?

あとがき

ゴチャゴチャ&長々と感想を書きましたが、簡単に言っちゃうと、そもそも1話90分が長過ぎる上に、展開が遅過ぎて、一体何を描きたいのかさえも見え難かったってこと。そして、鳴り物入りの豪華キャストと配役が合っておらず、脚本と演出と演者が空回りしたまま終わった感じ。

今朝のモチベーションでは、第2話を観るかどうか分かりません。感想があるとすれば、第5話のあとの総括になるかも知れません。

【注釈】
文中に「毎日90分を5日連続で放送するの!?」的な表現が度々登場しますが、正しくは、「第1~3話が1時間24分、第4と5話が2時間10分」となります。

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【全5話の感想】
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