高視聴率の「ポツンと一軒家」に私が魅せられる3つの理由
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「ポツンと一軒家」19.%最高更新、関東初19%台
テレビ朝日のバラエティー番組『ポツンと一軒家』(日曜夜7時58分~)(公式サイト)の19日放送の平均視聴率が19.8%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)となり、番組最高視聴率を記録した。これまでの最高だった今月5日と12日の17.7%を2.1ポイント上回り、20%の大台にあと0.2ポイントと迫った。
バラエティーの分類だが、ほぼドキュメンタリー
皆さんはこの『ポツンと一軒家』をご存じだろうか? 私は日曜日のレギュラー化する以前のスペシャル番組『所&林修のポツンと一軒家』の時代から大好きで、日曜日は仕事なので録画をして毎回観ている。知らない人へ簡単に内容を紹介すると、多くの人が暮らす集落から遠く離れた山の中の一軒家に暮らす人々の素顔や半生を紹介すると言う内容。
基本的に制作している朝日放送は「パラエティー」に分類しているが、それは、司会進行役が所ジョージさんで、パネリストが予備校講師でもある林修さんで、2人のタレントがゲスト出演してワイワイ言いながら収録VTRを見ると言うスタイルだからであり、内容は主人公は、画面に登場する「住民たち」であり、“ほぼドキュメンタリー” と言って良いだろう。
私が魅せられる3つの理由(1)「無駄を真面目にやる」
まず、ポツンと一軒家に辿り着く過程が、デジタルとアナログのバランスが絶妙に楽しく作り込まれている点だ。最初にターゲットとなるポツンと一軒家を絞り込むのは、Googleマップによる航空写真だ。そのデジタル写真をもとに近隣集落に赴いて、人伝で目的地まで捜索隊が、時には自動車で、時には歩いて進んで行く。
これ、実はとても回りくどいやり方を選択しているのだ。だって、Googleマップの地図情報があれば、カーナビやスマホのGPSを活用すれば、簡単に目的地に辿り着けるのだ。でも、これはデジタルに頼り切った方法。そこで、本番組は、衛星写真だけデジタルで、そこから先はベタにアナログな方法を選択している。
偶然出会った人に衛星写真を見せて、その人の記憶に頼って、目的地へ向かう。この、回りくどい手法が、今の簡単で便利な時代に逆行していて、私には “無駄を真面目にやる” ことに価値があると思う。
私が魅せられる3つの理由(2)「捜索隊の真面目な態度」
実は、この “無駄を真面目にやる” と言うのが重要で、それを目で耳で感じさせているのが、捜索隊だ。通常は男性2名体制のスタッフが捜索隊となるが、私が感心するのは捜索隊の “真面目な態度” なのだ。常に、下からの物言いを心掛け、飲物や食事を勧められると断らずに美味しく頂く。
そして、いつも「ありがたいです」「ありがとうございます」と言って、取材への感謝の意を表す。その場面を絶対に編集でカットはしない。そして、目的地へ到着し、お目当ての「ポツンと一軒家」の住民に出会っても、その “真面目さ” は変わらない。
実は、毎週見ていると似たような環境の一軒家が少なくない。しかし、捜索隊は類似点は口にせず、良い所だけを選んで褒める、喜ぶ、そして感心する。そうなれば、住民も気持ち良くなって、身の上話を楽しそうに話し始める。恐らく、事前打ち合わせなしの一発撮りだろう。その緊張感と語られる人生が感動となり、心に豊かな余韻を残す。
私が魅せられる3つの理由(3)「説得力あるが説教臭くない」
とにかく、筋書きのない本物の人生には説得力がある。でも、本作には説教くさい部分が全く無い。それは、司会の所ジョージさんの「いい話でしたね~」の一言で緊張感が緩和されるからだと思うし、その瞬間に今度は「自分にも物語があるかも?」と、ふと我に返してくれるからだとも思う。
『ポツンと一軒家』と言う番組は、突き詰めれば、「見ず知らずの人の人生を垣間見れるドキュメンタリー番組」であると同時に、ある意味「自分探しの教育番組」でもあると思っている。番組中に取材を受ける人里離れた集落に住む人たちが「一軒家の番組だろ?」と、本作を観ている人が多いのも印象的だ。
きっとポツンと一軒家でなくても、一つの集落に70、80、90年以上もずっと住み続けるには、家族の数だけ理由があり、人生があるはず。そんな「自分探し」をやりながら観るのが楽しいと言う視聴者が多いのだと思う。
あとがき
毎週2軒のポツンと一軒家を番組で取り上げるのですから、実際の取材数は2倍や3倍では利かないと思います。取材拒否も本当に辿り着けないケースもあるでしょうから。となると、あの真面目な捜索隊が同時に10軒近くを捜索しながら取材し撮影し編集して…と言うのは大変な作業だと思います。でも、その苦労が視聴率に繋がっているはずです。
スタッフが画面に登場する番組は基本的に嫌いで、特に態度の悪いスタッフの作品は二度と観ない私。そんな私が、毎週感心しながら感動している『ポツンと一軒家』。もしも、未見ならば、一度見てみるのをお勧めします。
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