なつぞら (第43回・2019/5/20) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『なつぞら』(公式サイト)
第8週『なつよ、東京には気をつけろ』の
『第43回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
高校卒業後、東京行きが決まったなつ(広瀬すず)。卒業式を終えた日、夕見子(福地桃子)のもとに、北海道大学から封書が届く。緊張する柴田家の家族をよそに、さっと受け取る夕見子だったが、封書を持って二階に上がったきり戻ってこない。心配する泰樹(草刈正雄)や富士子(松嶋菜々子)たち。部屋を覗くと、合格通知書を握り締めて眠りこける夕見子の姿があった。数日後、いよいよなつが東京へ旅立つ日がやってきた…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
週明けから "新生なつ" で始めたら良いのに…
前回(土曜日)の感想で、照男(清原翔)の「お前は 何でも そう勢いでやろうとする」との台詞で、これまでの受動的で相手の意見にブレる主体性の乏しいヒロインから、何てことない “普通の、いつも通りの朝ドラのヒロイン” であり、ベタな主人公として再出発だしたと書いた。
もう、そうなったのだから、週明けから “新生なつ” で始めたら良いのに、月曜日のアバンタイトルにしては、もったいぶった上に夕見子(福地桃子)の話。これ、本当にネタ切れかも?
夕見子の話で、1週間の大切なツカミの5分も割くのか…
主題歌明けも、夕見子の話。家族が合否を早く知りたいと言う焦る気持ちは理解するが、最終的には合否を家族に伝えないとの選択は有り得ない訳で、そんな分かり切ったことで「1週間のツカミである月曜日の冒頭」の貴重な5分も割くとは、馬鹿馬鹿しいにも程がある。
急に「家族愛」を押し付けられても「今更?」としか…
さて。「アニメーターになるために東京へ行きたい」と強烈な自己主張をしてから、突然に絵を描くシーンが増えた “新生なつ” にも失笑だが、突然「私のこと 忘れないでね!」となつにじゃれて来た明美(平尾菜々花)には苦笑してしまった。
確かに「別れ」が決まったからこそ、一緒にいることの大切さや価値が分かると言うことはあると思う。ただ、この張りぼて家族として描いて来なかった本作に、ここへ来て「家族愛」を押し付けられるのは、不愉快とは言わないが、「今更?」としか思えない。
前回の照男を超える、超絶な内容の台詞が夕見子から…
そして、7分過ぎにやっと “新生なつ” の「旅立ちの日」へ。牛舎で別れを告げて上京するかと思いきや、夕見子の合格祝いと送別会。わざわざ交通費と時間をかけて十勝から帯広の和菓子屋・雪月に行くことも無いのに、ネタ切れだから場所移動するのが見え見えだ。しかし、この場面で、前回の照男の台詞を超える、超絶な内容の台詞が夕見子から飛び出した。
夕見子「なつの厚かましさにも負けぬ…」
どうやら、夕見子の目には “新生なつ” は “厚かましく” 映っていたそうだ。もう、苦笑、失笑と言うより嘲笑と言うべきだろうか。だって、最近の “新生なつ” は、単純に積極的なだけでなく、何か悩み事があれば皆が助けてくれ、夢を抱けば適ってしまう「最強の朝ドラヒロイン」になっている。
「朝ドラ100作目のヒロイン」は史上最強!
確かに最近の朝ドラのヒロインは、ちやほやされて何でも上手く行くのが定番になりつつあるが、少し過去を振り返ると、まんぷく』のヒロインには夫の度重なる逮捕劇のあったし、『半分、青い。』のヒロインは周囲の男たちを不幸に陥れる魔女性があったし、『わろてんか』のヒロイン夫に先立たれ幽霊と一代を築いた一応の苦労人だ。
しかし、“新生なつ” は、超順風満帆だ。流石、「朝ドラ100作目のヒロイン」は史上最強と言う訳だ。
最強ヒロインのお陰で、現実味もドラマの楽しみがほぼ無い
このヒロインの設定で、既に物語が完全にフィクションにしか見えなくなっている。これが、頭の痛いところだ。確かに、本作はフィクションなのだが、ヒロインのやることが結果的に全て上手く行くのが分かってしまっては、現実味も無いし、ドラマの楽しみがほぼ無い。
あとがき
泰樹(草刈正雄)が参加出来ない送別会を企画するから、張りぼて家族に見えちゃうの。雪月が休暇に出来るなら柴田家でやれば良いだけの話。表面的な台詞ばかりを並べて、夢を語って形を整えたつもりでしょうが、だったら先週末の雪に寝転んでのあれは何だったの? 相変わらず良く分からぬ展開が多いですね。
そして、全体があざといドラマになって来ました。作りもの臭さが漂いまくっているような。もう、最初の2週間には戻らないのか…
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