なつぞら (第38回・2019/5/14) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『なつぞら』(公式サイト)
第7週『なつよ、今が決断のとき』の
『第38回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
なつ(広瀬すず)が、天陽(吉沢亮)の家にたどり着いていないことを知り、あわてる柴田家の面々。しかしすぐに、弥市郎(中原丈雄)の家で一夜を明かしたなつが帰宅し、安心する。心配して柴田家を訪れた天陽に対し、なつはアニメーターになりたいことを打ち明ける。そのため天陽は、なつへの思いを伝えることができなくなってしまう。その夜、なつは家族を前に、今の思いを伝えるが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
なつが、みんなに謝罪したのは良かった…
久し振りに意味のあるアバンタイトルだった…と言っておくべきだろう。なつ(広瀬すず)がみんなに謝罪したのだから。本作のヒロインアゲ路線だと、クロスカントリースキーで楽しそうに帰宅したなつに対して、みんなが「なっちゃんが無事に帰ってきて良かった」だけで赤飯でも焚いてお祝いしかねないから(苦笑)
弥市郎の家で、なつに天から雷が落ちて来たっけ?
さて、主題歌明け。驚愕のシーンがやって来た。確か、なつは天陽(吉沢亮)に呼び出されていたはずなのに、なつはその理由は聞かず、天陽もそれを話そうとせず、最近「キャラ変更」が著しい “受動的” のはずのなつが、こんな↓自己主張をする。
なつ「私ね やっぱり 漫画映画をやってみたい。
日本で これから アニメーションを作る人…
アニメーターっていうのになりたい。
いや… なるって 今朝 そう決めたんだわ」
天陽「今朝?」
なつ「うん。それを 天陽君に 一番に話したかったのさ」
意味不明だ。前回の録画を見直したが、脚本上はもちろんのこと演出的にも、弥市郎(中原丈雄)の家で「なつに天から雷が落ちて来た」ような描写は見当たらなかった。
なつが進路を決める見せ場で好意的脳内補完をしろってか?
そもそも前回のなつは、ただただ弥市郎と砂良(北乃きい)親子の説明を視聴者にしただけ。自分の将来に悩んだ様子も無かったし、鮮烈な夢を見た訳でも無いし、朝ドラお得意の幽霊のお告げがあった様子も無かった。
その上、なつの味方である天陽さえも「今朝?」と驚く程の唐突な自己主張。流石に、天陽と視聴者を置いてけぼりにし過ぎ。だって、ヒロインが人生の進路を決める、謂わば朝ドラの最初の見せ場でしょ? そこまで、好意的な脳内補完をしろと言うのは酷いと思う。もしかして、あの朝焼けか!?
映画デート直後、なつが天陽に夢を告げれば良かっただけ…
更に、驚愕のシーンの直後が、ナレーションで「その晩 なつは 夕飯を 普通に食べました」なんて言わせて~の、何も無かった体のシーンを直結するからおかしくなる。せめて、最初になつに天陽に呼び出した理由を聞いてから、なつ自身に今朝起きた決意を話させるべきだったのでは?
なつって、一方的に自己主張して満足し、朝方謝罪はしたものの自慢げに一夜の出来事を話しながら飯を食う自分勝手なヒロインだったっけ? どうせ、次回で「兄を支えたい」と後出しで理由付けして、補強したつもりで進むのだろうが、こんな展開にせずに、映画デートのあとの和菓子屋で、なつが閃いたように告白するだけで良かったのでは?
あとがき
以前にも書きましたが、公式サイトのインタビューで脚本家の大森寿美男さんが「家族の思いを人一倍受け止めて、自分はどういう思いを人に返していくかを考えるような人。人の心に流されながら、出会いと関わりのなかで、人生を見いだしていくヒロイン」と、さも「これまでのヒロインとは違う人間像」を書いておられますが、自分の信じる道を進むこれまでの朝ドラのヒロインと同じになっていますよね(失笑)
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