なつぞら (第36回・2019/5/11) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『なつぞら』(公式サイト)
第6週『なつよ、雪原に愛を叫べ』の
『第36回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
スキー大会の翌日、天陽(吉沢亮)の家に行く約束をしていたなつ(広瀬すず)。出かけようとすると、泰樹(草刈正雄)が話があると引き留めた。そこで泰樹は、なつに結婚話を持ちかける。突然の話に驚くなつは、泰樹が薦める相手の名前を聞き、さらにショックを受ける。そこに照男(清原翔)が現れ、取り乱すなつを落ち着かせ、天陽の家に向かうよう促した。その場を走り去ったなつは、天陽の家に向かい雪原の中を歩き出すが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
泰樹の企みを、やたらと嵩増して引き延ばした結果がこれ?
好意的な視聴者には、また叱られそうだが、敢えて “企み” と言わせて貰う。今週になって描いているように見えている、泰樹(草刈正雄)がなつ(広瀬すず)を孫の照男(清原翔)と結婚させて、自分の本当の孫にしようと言う “企み” だが、演劇大会よりも前の農協問題が始まった二週間以上前のこと。
それを、演劇だ、牛だ、兄との再会だ、映画鑑賞だ、そしてスキー大会だ、対決だ…と、無駄話とは言わないが、ゲスト出演者も投入しての、やたらとボリュームを増やし、引っ張って来た本作。
なつ、泰樹、照男、天陽、陽平がいれば、何でも描けるのに
実の家族だと思って生活して来たなつ、本当の家族になりたいと願った泰樹、ずっと妹として見て来たなつを結婚相手に出来ない照男、なつのことが好きな天陽(吉沢亮)、絵やアニメーションに精通している天陽の兄・陽平(犬飼貴丈)と、4人がいるだけで、十勝の家族の物語も、なつがアニメーターになる物語も、なつ恋バナも簡単に描けると思う。
もちろん、北海道の開拓史や酪農問題も、和菓子屋・雪月の地域活性化も、簡単に描けると思う。でも、本作は単純明快なストーリー展開を選択せず、登場人物や騒動でボリュームを増やす方向に走っている。そのために、描くべきものが見えづらいだけでなく、連ドラで最も大切な “連続性” まで失い掛けている。
照男を「ずっとお兄ちゃんだよ」と号泣するだけで良かった
今回の序盤から中盤にかけての、なつと泰樹と照男のシーンも解せない。だって、なつはあんなに長々と演説するタイプで無かったし、照男も自分の気持ちをストレートに相手に伝えるタイプで無かった。だから、前回のスキー大会の対決が成立したのでは?
これ、普通に泰樹が「なつよ 照男と結婚して本当の家族になってくれ」と頼み、なつは「照男兄ちゃんは ずっと私のお兄ちゃんだよ」と言って、なつは泣きながら牛舎を飛び出して、雪の中で号泣するだけで、十分伝わったと思う。
家族になる過程を描いていれば、泰樹に反発するなつだけで
今後の展開は知らないが、もしも、今回の出来事が、なつが東京行きを決意するきっかけになるエピソードなら、演劇からバッサリ無くして、その分「描かれなかった9年間」で、なつが剛男(藤木直人)を「お父さん」と呼ぶようになった過程などを描いた末に、泰樹の企みとそれに反発するなつを描くだけで、なつの未来を描く朝ドラになったのではないだろうか…
あとがき
来週は、中原丈雄さんと北乃きいさんが新キャラ親子として登場するようですね。まあ、次々と新キャラとゲストを投入するのは「朝ドラ100作目」のお祭り騒ぎで良しとしても、映像的にどんどん朝ドラから「広瀬すずPV化」しているのが気になります。もう「北海道編」は見込みがないので、「東京編」に期待しましょう!
|
|
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
ハイジが生まれた日――テレビアニメの金字塔を築いた人々
白蛇伝 [DVD]
★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/12774/