なつぞら (第35回・2019/5/10) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『なつぞら』(公式サイト)
第6週『なつよ、雪原に愛を叫べ』の
『第35回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
クロスカントリーのスキー大会が開かれ、天陽(吉沢亮)と照男(清原翔)が出場することになった。大会の当日の朝、照男は天陽を呼び出し、なつ(広瀬すず)に対する思いを聞き出す。一方の天陽も、照男に自分の思いをぶつける。そして天陽と照男はある約束を交わす。そしてスタートのフラッグが振られた。天陽と照男の約束を知らないなつは、ふたりを同時に応援するが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
恋バナを描くなら、もっと賢い方法で物語に盛り込めないか?
前回でも、なつ(広瀬すず)が雪遊びの際に「イエ~イ!」と所々に “今風” が見え隠れする度に、北海道の大自然の映像から湧き出る久し振りの清々しい屋外ロケの朝ドラらしさを楽しんでいる気持ちに、横槍が入るようでテンションが下がる『なつぞら』。
そして、今回は “今風” のドラマのように、何が何でも「イケメン絡みの恋バナ」を盛り込みたいようだ。こんなのが挿入される度に、またテンションが下がる。しかし、半年間の長丁場だから、イケメンも恋バナも描くなとは思わない。
朝ドラだからって「女一代記」や「夫婦善哉」みたいな話にしなければいけないなんて決まり事はないのだから。でも、恋バナを描くなら、もっと賢い方法で物語に盛り込めなかったのか? とは思う。
わざと負けると言う選択肢を残した約束は捻り過ぎの失敗作
例えば、クロスカントリーのスキー大会の競技直前に、照男(清原翔)が天陽(吉沢亮)のなつへの気持ちを確かめるくだりで、天陽と照男が “ある約束” を交わす場面でのこのやり取りだ。
照男「俺と勝負しろ。
俺が スキーで 勝ったら お前は なつに 好きと言え」
天陽「俺が勝ったら なっちゃんのことは諦めます」
回想でも挿入したのだから、脚本家と演出家が今回で最も強調したいシーンであるのは間違いない。しかし、この “約束” でちょっとおかしくないか? 恐らく脚本家は「照男も天陽も “いいひと”」と言いたいのだろう。しかし、自分が本気でなつと交際したいのなら “わざと負ける” と言う作戦がある訳で、どうも解せない。
更に、伝統の地元開催のスキー大会で “わざと負ける” と言うのは、スポーツマンシップ的に見てもよろしくないと思うが。
なつを加えて、「なつを賭けて勝負しろ!」で良かったのでは?
いずれにしても、なぜこんな回りくどい “約束” を天陽と照男だけにさせたのだろう? 普通に「なつを賭けて勝負しろ!」にして、そのこと知らない “なつ” が無邪気に二人を応援する…で、良かったと思う。その方が、やたらとインサートされた “なつのアップ” にも必然性がもたらされただろうし。
まあ、もっと掘り下げちぇえば、なつに誰が告白したところで “良い返事” が帰って来るかは分からないのだから、いっそのこと、「勝った方と付き合ってくれ!」と、なつを勝負に絡めて、なつ自身に交際相手選びをきっかけに自分の将来や未来を考えさせても良かったと思う。
冷静な視聴者が、それなりに満足のいく作品を創って欲しい
結局、捻ったつもりが、特に照男の気持ちを中途半端に描く結果になってしまった。もちろん、はしゃぐなつも。演劇部のくだりと一緒だ。なつが演劇をやるきっかけから泰樹(草刈正雄)が心変わりをする過程を捻り過ぎて、なつの気持ちも泰樹の拘りも中途半端に終わった。
まあ、好意的な視聴者なら、イケメンはたくさん出るし、すずちゃんのアップは多いし、無難な話の連続でそれなりに楽しいだろうが、批判的とは言わずとも冷静に見ている視聴者がいる訳で、その人たちも受信料を支払って毎朝期待をして『なつぞら』を見ている視聴者にも、それなりに満足のいく作品を創って欲しい…
あとがき
イケメンで客寄せするのは良しとして、彼らの衣装をもう少し昭和30年代風に見せることは出来ないのだろうか。流石に天陽の帽子の継ぎ接ぎなんて、笑っちゃう位に仕事が雑だし。それと、流石に今回は広瀬すずさんのアップが多過ぎると思っちゃいました。アップを多用したいなら、それ相応の必然のあるエピソードにして欲しいです。
それと、未だ絶えない「文句を言うなら見るな」のコメントは無視します。
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