インハンド(第3話・2019/4/26) 感想

TBS・金曜ドラマ『インハンド』(公式)
第3話『天才博士VS美魔女!!悪魔の美容術…狂気と哀しい過去』の感想。
なお、原作の漫画、朱戸アオの「インハンド プロローグ1 ネメシスの杖」、「インハンド プロローグ2 ガニュメデスの杯、他」、「インハンド(1)」、連載中の「講談社 イブニング 2019年10号[2019/4/23発売]第11話:キマイラの血(8)」まで既読。
紐倉(山下智久)は高家(濱田岳)と共に、大学時代の恩師で美容関係の会社のCEO・瀬見の講演へ。以前から若返り治療を研究する瀬見は、自身も若々しさを保ち続けていた。紐倉は、ベニクラゲの酵素を使うというその研究の話を聞こうとするが、瀬見に会うことができない。そんな中、牧野(菜々緒)が、瀬見の研究に副作用が疑われる症例が出ているという情報をもたらす。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:朱戸アオ「インハンド」(講談社「イブニング」連載中)
脚本:吉田康弘(過去作/映画「黄金を抱いて翔べ」、コウノドリ[2]) 第1,2,3話
田辺茂範(過去作/参道高校合唱部!、レンタルの恋、トクサツガガガ)
福田哲平(過去作/)
演出:平野俊一(過去作/ブラック・マンディ、Sー最後の警官ー、カンナさーん!) 第1,2話
岡本伸吾(過去作/隠蔽捜査、TAKEFIVE、大恋愛) 第3話
青山貴洋(過去作/オー・マイ・ジャンプ!第3話のみ、ブラックペアン第7話のみ、グッドワイフ第8話のみ)
音楽:得田真裕(過去作/家売るオンナシリーズ、アンナチュラル)
主題歌:山下智久「CHANGE」(SME Records)
よくぞ、あの漫画を完成の高いドラマに仕上げた。天晴!
本作の原作について、以前に「山下智久さんが演じる紐倉が素敵なので原作は放送後に読む」と書いていたが、私が元々「目黒寄生虫館」に若い頃から幾度も足を運ぶ程に寄生虫分野が好きだから、結局現在発行させている原作は全部読んでしまった。面白くて、一気に読んでしまった。漫画の面白さをたっぷり書いてみたいのだが…
しかし、原則的に原作となった漫画と実写化ドラマは比較しない立場。そこで一言だけ。「よくぞ、あの漫画のドラマ化を企画し、ここまで完成の高い作品に仕上げた。天晴!」と言いたい。
原作から最も乖離している第3話が一番面白いとは恐るべし!
と言うのも、まず原作の登場人物たちの顔が似ており、普段漫画を読まない私には分かり難かった。また、今回のエピソードは寄生虫でも感染症とも違うし、そもそも今回は、これまで以上に原作からいろんな面で掛け離れているのだ。
いや、正確に言えば原作の面白い発想に、ドラマ版としての独自の解釈を加えて、原作を超えたオリジナリティー溢れるドラマになっていた。そして、その第3話が一番面白いのだから、ドラマスタッフとキャストが恐るべし…と言う訳だ。
序盤5分で4人の関係性を描き、その登場順も良く出来ている
さて、序盤の5分で早くも紐倉(山下智久)と高家(濱田岳)と牧野(菜々緒)、今回のゲストである美容団体「パナシアンビューティー」のCEO・瀬見まき子(観月ありさ)の4人の関係性を描いて来た。特に、最初に男性の紐倉と高家を登場させて、次に42歳の観月ありささんが演じる52歳の瀬見、続いて牧野と女性を登場させた。
この辺のゲストの魅せ方も良く出来ているし、様々なドラマで主役を演じて来た観月ありさだからこそ放つことができる “美魔女オーラ” が作品に華を添えた。こう言う演出は序盤から視聴者を引き付けるのに効果的だ。
瀬見まき子の助手で妹みき子を演じた松本若菜さんの存在感
また、忘れずに付け加えておきたいのが、瀬見まき子の助手で妹みき子を演じた松本若菜さん。最近、話題の作品にゲストとして必ずと言って良い程に爪痕を遺す若手女優として注目しているのだが、今回は回想シーンだけの出演なのに存在感を示してくれた。ホント、本作のキャスティングの絶妙さには感服してばかりだ。
紐倉の「過去」と「忘失」の今後の関係も楽しみだ
今回が秀逸なエピソードだと思うのは、「忘失」と言うもう一つのテーマ。そして、毎回僅かずつだが描かれる、まるで重症な PTSDに苦しんでいるような紐倉。第1話では自分の過去の人間関係との関りを制限して来た紐倉には「過去」と「忘失」に何か関係があるのか、高家と牧野との関係性の今後にも益々興味が湧いて来た…
あとがき
終盤39分から始まった瀬見の大豪邸での約10分間に亘る紐倉との 1対1の対決シーンは、新旧のアイドル俳優の演技対決のようにも映り、回想シーンの挿入のタイミングも秀逸で、見応え十分でした。
そして何より、山下智久さんと観月ありささんが出演しながら、どちらの PVにもなっておらず、しっかりとドラマを捻じ曲げずに、きちんと最後まで「人間に感心のない男」と「姉妹愛」を描き切ってくれました。また、山下智久さんの代表作に大きく近づいたと思います。次回にも大いに期待します。
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インハンド プロローグ1 ネメシスの杖 (イブニングKC)
インハンド プロローグ2 ガニュメデスの杯、他 (イブニングKC)
インハンド(1) (イブニングKC)
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