なつぞら (第22回・2019/4/25) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『なつぞら』(公式サイト)
第4週『なつよ、女優になれ』の
『第22回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
倉田先生(柄本佑)が指示する言葉の意味がわからないなつ(広瀬すず)。演劇の稽古を見ていた天陽(吉沢亮)は倉田に疑問を投げかける。すると倉田は、思わぬこと天陽たちに打ち明けた。そのころ剛男(藤木直人)は、山田正治(戸次重幸)とタミ(小林綾子)に、今後は牛乳を農協が一括管理してメーカーに売りたいと説明。ところが山田は、泰樹(草刈正雄)がそのことに反対しているのではないかと剛男にこぼし…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
今回は、第3週目以降で最も良かった!
まず、今回は第3週目以降で最も良かった。それは、前回からの引継ぎだが序盤での演劇の稽古での倉田先生(柄本佑)からの演技への駄目出しに始まり、「表現って難しい」と悩み、牛を相手に芝居の稽古をし、農業高校の演劇部らしいことをしたいと考え、ラストではちょっと芝居が上手くなっていたなつ(広瀬すず)が丁寧に描かれていたから。
良かった理由は、ヒロインの特徴がきっちりと描かれたから
それを掘り下げれば、何度も書いて恐縮だが、公式サイトにある脚本担当の大森寿美男氏のインタビューに書いてある、ヒロイン・なつの3つの特徴の内の1つ、「家族の思いを人一倍受け止めて、自分はどういう思いを人に返していくかを考えるような人」が、きっちりと描かれたからだ。
いろんな人の思いを人一倍受け止めて吐き出すヒロインか…
更に、前回までのなつは基本的に受動的なのに時々能動的な言動が描かれ、連ドラとしての連続性や一貫性に欠けていた。
でも今回のなつは、「家族や友人や先生たちの思いを人一倍受け止めて、自分はどういう思いを人に返していくかを考えるような人」として、演技の稽古にも、泰樹(草刈正雄)への気遣いにも、演劇の観客に対する行動にも、まず受動的に一度受け入れて、自身の中で咀嚼して吐き出すと言うことをやった。
これがドラマにとってどう言う意味があるかと言えば、受動的な主人公が物語をけん引していく、分かり易い手法だから。だって、常に受け身の主人公だったら、主人公を受け身にさせる相手が水先案内人に為らざるを得ない。
しかし、「いろんな人の思いを人一倍受け止めて吐き出す主人公」なら、吐き出した結果で物語が動き出す。これが一瞬でも見えただけでも、今回は良かった。
真面目でお茶目な "なつ" が、初めて可愛く見えた瞬間!
また、なつの「人一倍受け止めて吐き出す主人公」と言う設定が、様々なエピソードで補強された。例えば、“番長” こと門倉努(板橋駿谷)に「気持ちや魂を見せろってのは もっと 根性を見せろってことだろ!」と檄を飛ばされると、なつはこう反応する。
なつ「芝居って こんなに難しかったのか。表現って 難しい…」
そして、門倉の気持ちを人一倍受け止めて、牛を相手に芝居の稽古をすると言う結論を吐き出した。真面目であわてんぼうで隠し事の出来ないお茶目な “なつ” が初めて可愛く見えた瞬間でもある。
様々な人の思いを人一倍受け止めるなつを散りばめて正解!
また、柴田家での雪次郎(山田裕貴)らとの演劇論の場面では、「演じることも 創造力なのか…」と悩むなつの姿や、「倉田先生はね」と常にいろいろな人の気持ちを人一倍受け止めるなつを随所に散りばめたのは正解。そして、10分頃のこの台詞が極めつけだ。
なつ「十勝の酪農を もっとアピールしたいのさ。
演劇だけじゃなくて。
だって 母さんや みんなに こんなに親切にしてもらって
やらしてもらってんだから 何かの役には立ちたいわ」
今回のように、しっかり「なつの設定」をブレずに描き続ければ、まだ第4週目だから幾らでも巻返すことは出来ると思う…と思った第22回だった。
あとがき
他人の影響を受け易いとか、自分の意思を貫かないと言う設定を悪く言えば「ブレまくるヒロイン」となりますが、今回の15分間では “ブレまくっている” ようには見えず、「いろいろな人の気持ちを人一倍受け止めてから吐き出すヒロイン」に見えました。この方向で進んで欲しいです。
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