なつぞら (第21回・2019/4/24) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『なつぞら』(公式サイト)
第4週『なつよ、女優になれ』の
『第21回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
十勝農業高校演劇部の芝居の稽古が始まった。その初日、なつ(広瀬すず)と雪次郎(山田裕貴)は、天陽(吉沢亮)を学校に招き、演劇部顧問の倉田先生(柄本佑)に紹介する。そこで倉田は、天陽にある重要なお願いごとをする。放課後、倉田が書いたセリフをもとに、自分なりに演じてみるなつ。そんななつに、倉田は何度もやり直しを求める。駄目出しが続き、わけが分からなくなったなつは…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
「物語が進まない水曜日」だから、何の期待もしていないが
「物語が進まない水曜日」だから、何の期待もしていなかったが、流石に中盤の8分まで台本のあらすじを描いて済ませるとは思わなかった。もちろん、「語り」のツッコミにも笑えなかったのは言うまでもない。
"こなつ"から"なつ"に変わったヒロインの三つの特徴をおさらい
さて、今回も序盤から、先日紹介した、公式サイトにある脚本担当の大森寿美男氏のインタビューに書いてある、ヒロイン・なつの三つの特徴が踏襲された。読んでいない人のために再掲載してみると…
【1】自分の意思を貫いて生きていくヒロインではない
【2】家族の思いを人一倍受け止めて、
自分はどういう思いを人に返していくかを考えるような人
【3】人の心に流されながら、出会いと関わりのなかで、
人生を見いだしていくヒロイン
アバンタイトルで勝手に夜更かしをして寝坊して、酪農作業に遅刻するのも “流されキャラ” だし、演劇の稽古で倉田先生(柄本佑)に「ちゃんとやれ!」と駄目出しされても、「ちゃんと やってるんですけど…」と特に怒る訳でも反論する訳でも無い。そう、こう言うのがヒロインなのだ。
なつは、先生に "口答えするキャラ"ではないはずだが…
しかし、10分過ぎにとんでもないことが起こった。なつが「分かりません!」と反論した。その後も、倉田に対して反論と言うより単純で幼稚な “口答え” と表現した方が正解かも知れない。えっ!? なつに倉田先生へ口答えさせちゃった。
これは、やってはいけないこと。やって良かったのは “こなつ” の頃だけ。だって、「自分の意思を貫いて生きていくヒロインではない」し、「人の心に流されながら」なのだから。折角、受動的、非積極的に描いて来たのに、なぜここで感情的に反論するなつを描くのか? 「ブレまくるヒロイン」が聞いて呆れる…
思い付きだけで行動するなつに、私はついていきにくい…
そして、なつの “口答え” に対して倉田がこう言った。
倉田「下手というのは 何かをやろうとして できないやつのことだ。
お前は 何もやろうとしていない。下手以下だ」
う~ん、倉田って何言ってるんだろう? 正しくは、脚本家はどんな意図で倉田にこの台詞を言わせたのだろう。第2週までの “こなつ” と違い、第3週からの “なつ” は外的要因によって「ブレまくるヒロイン」なのだ。だから、思い付けば絵を徹夜して描くし、朝も寝坊するし、家で芝居の稽古などせずに放課後の練習が本番なのだ。
そう、“なつ” はずっと「自分の意思によって何かをやろうとしないヒロイン」なのだ。なのに、脚本家はこの分かり切ったことを敢えて倉田に言わせた。更にこの直前に、倉田へ口答えする “なつ” を描いてしまった。これで、更に「ブレまくるヒロイン」が強調された。
やっていることは間違ってはいないが、思い付きだけで行動するヒロインに私はついていきにくい…
なつが「悔しいよ…」と泣く理由が解せない…
12分過ぎの、帰宅したなつが、夕食も摂らず二階の部屋に入ってしまうのも、何かなぁって思う。必死に自覚している “下手なり” に芝居の自主練をした上で、倉田先生に駄目出しさせて落ち込むなら理解はするが、なつは演技については何もやろうとしていなかったのだ。なのに、なつは夕見子(福地桃子)へこう言った。
なつ「悔しい…。悔しいよ…」
意味不明である。これが、演技なんて出来ない自分に倉田から駄目出しされたから「悔しいよ…」と言ったのかと思ったら続きがあった。「お前は 何もやろうとしていない。下手以下だ」と言われたことを悔しがっていたのだ。
と言うことは、なつは自分自身は「やろうとしていた」と認識していたのか、それとも「やらなかったこと」を恥じているのか、全く分からない。
主演女優を前へ押し出すために、台詞を後付けしてない?
もしかして、大筋の台本は出来た状態で、もっと広瀬すずさんを前へ押し出すために、後付けで台詞を書き加えているのでは? そうでないと、いくら「ブレまくるヒロイン」でも、言動に一貫性が無さ過ぎる。これは、前作『まんぷく』がその例に漏れずに失敗した。今回も同じ道を辿るのか…
あとがき
脚本家自らが放送前に提示したヒロインの設定から、第3週からの “なつ” が微妙に変化して来てますね。第3週は「ブレまくるヒロイン」でしたが、第4週は見方によっては能動的にも積極的にも見えちゃってます。この辺の統一性って最後まで担保させれるのか、それとも成長と共に変更して行くのか。だったら、事前に提示する必要ないのに…
それに、正直言うと、酪農と農協の問題も、演劇部のくだりも大して興味が無いのに、2週も描き続けられて、正直、前作の「日清食品の宣伝朝ドラ」よりも、ちょっと飽きて来ちゃってます…
|
|
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
連続テレビ小説 なつぞら Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 なつぞら 上
★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/12709/
【これまでの感想】
第1週『なつよ、ここが十勝だ』
1 2 3 4 5 6
第2週『なつよ、夢の扉を開け』
7 8 9 10 11 12
第3週『なつよ、これが青春だ』
13 14 15 16 17 18
第4週『なつよ、女優になれ』
19 20
- 関連記事
-
- なつぞら (第22回・2019/4/25) 感想 (2019/04/25)
- 白衣の戦士! (第3話・2019/4/24) 感想 (2019/04/25)
- なつぞら (第21回・2019/4/24) 感想 (2019/04/24)
- わたし、定時で帰ります。 (第2話・2019/4/23) 感想 (2019/04/24)
- パーフェクトワールド (第2話・2019/4/23) 感想 (2019/04/24)