なつぞら (第15回・2019/4/17) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『なつぞら』(公式サイト)
第3週『なつよ、これが青春だ』の
『第15回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
泰樹(草刈正雄)と剛男(藤木直人)の間には、農協が貸した天陽家の牛のことで、ただならぬ空気が流れていた。農協に勤める剛男(藤木直人)は、なつ(広瀬すず)を味方につけようとするが、剛男の真意をつかめないなつは、微妙な反応をしてしまう。すると、泰樹が突然口火をきった「剛男が農協で進めている、牛を貸し、酪農家を牛耳るやり方には賛同しない」。そのひと言で、泰樹と剛男は真っ向から対立してしまう…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
なつが「議長」のように、議論を仕切るのはやり過ぎでは?
まず、主題歌明けの、食卓を囲んでの農協の是非を話し合っていた場面が気になった。泰樹(草刈正雄)と剛男(藤木直人)が個々の意見を言うのは分かる。剛男がなつ(広瀬すず)を味方につけようとするのも分かる。しかし、なつがまるで「司会」や「議長」のように議論を仕切るのはやり過ぎでは?
確かに第3週から “なつアゲ” が目に余るが、味方につけるまでは許容するが、なつが仕切ってしまうと照男(清原翔)や夕見子(福地桃子)の “本当の子どもたち” の存在感が薄まるばかりのように思うが…。
是非とも、前回で書いた「家族らしさ」をもっと表現する意味で、子どもたちの存在感を復活させて欲しい。だって、昭和30年代なら、なつより長男が仕切り役なのが当たり前のような気がするから…
度々の"現代風な言い回し"で世界観から引き裂かれちゃう…
10分過ぎ、再度なつに泰樹との仲介役を頼む剛男の場面。また “なつアゲ” か…と思うが、ここで引っ掛かったのは、これまで書こう書こうと思って書き逃していたこと。それは、ちょこちょこと入って来る “現代風な言い回し” で、何とか「今は昭和30年代」と言い聞かせて観ている自分が、ドラマの世界から引き裂かれてしまうこと。
例えば、先の夕食での議論の場面では、なつが「話ぐらい聞こうよ じいちゃん」と言った。幾ら何でも、年上に「聞こうよ」と言えるだろうか。まさか、そこまで言えるほどに “赤の他人” であるなつと泰樹は「描かれなかった9年間」で絆が深まったと脳内補完せよと言うのか?
"現代風" は脚本家や演出家の "古臭くしたくない" の意図?
また、二階から降りて来た夕見子は母親に「普通に のど乾いた」と言っていた。夕見子の「普通に」は、私の知る限り最近の若者の言い方なのだが。実は先日の十勝農業高校の畜産科の教室で、教師の 倉田隆一(柄本佑)が、なつに遅刻した理由を問い質す場面で、なつは「それ 聞きます?」と言った。
この辺のなつの偉そうな態度も、今風な教師と生徒の関係に見えてしまった。折角、北海道の美しい自然や懐かしい話し言葉が描かれる中での、ちょこちょこと入って来る “現代風” は、脚本家や演出家の “古臭くしたくない” の意図なのか?
泰樹は剛男を、夕見子はなつを、引き立たせるためのヒール役?
それに、今回描かれた泰樹と夕見子は、「描かれなかった9年間」でキャラクターが代わってしまったようにも思う。泰樹は剛男を、夕見子はなつを、引き立たせるためのヒール役みたいになってしまったように見えるから。先週までの泰樹と夕見子が良かっただけに気になって…
あとがき
北海道の美しい “自然” の情景カットが素晴らしいです。ですから、ストーリー展開も個々の登場人物の設定も台詞も “自然” に紡いで欲しいです。妙な “なつアゲ” を詰め込めば詰め込む程、「描かれなかった9年間」が際立って、好意的な脳内補完が要求されるので困りますし、それは本来間違っていますから。
第1,2週が、とても丁寧で “自然” な展開だっただけに、なつが広瀬すずさんになっても続いて欲しかったです。いや、まだ第3週目ですから十分に巻返せると思います。是非、戻って欲しいです。
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