なつぞら (第4回・2019/4/4) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『なつぞら』(公式サイト)
第1週『なつよ、ここが十勝だ』の
『第4回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
柴田泰樹(草刈正雄)に連れられ、なつ(粟野咲莉)は帯広の闇市にやってきた。そこで泰樹は、両親を亡くし戦後の東京で必死に生き抜き、きょうだいと離れ北海道にやってきたなつの境遇を知る。そして二人が向かったのは菓子屋・雪月。出迎えた雪月のとよ(高畑淳子)は泰樹が孫の夕見子(荒川梨杏)を連れてきたと勘違い。息子で菓子職人の雪之助(安田顕)と妻の妙子(仙道敦子)も出てきてどんどん話が膨らんでしまい…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
闇市での "なつの過去" のインサートは秀逸だった
ほぉ~、3分頃からの帯広の闇市にやって来た柴田泰樹(草刈正雄)となつ(粟野咲莉)が買い物をして歩き回る場面での、両親を亡くし戦後の東京で妹と靴磨きや新聞販売をしながら生き抜いたなつのシーンの、脚本上の入れ方も演出上の画作りも、なかなかのものだ。
会話と途切れさせずにいれた回想シーンだから、映像処理でちょっと紗を掛けた上にスローモーションを加えて、過去である事を分かり易くした。これが出来るのなら、なぜ第2回での姉妹の過去がああなってしまったのか頭を抱えたくなる。しかし、今回のような描写が出来るのなら安心だ。
登場人物の台詞と俳優の芝居と映像で物語も人間も描かれた
そして、もう1つ褒めたいのは、序盤の構成だ。前回のラストと繋がった、自宅で剛男(藤木直人)が娘の夕見子(荒川梨杏)に、なつを北海道に連れて来た理由を説明する展開の中に、時間軸が同じで別の場所、闇市での泰樹となつを描いて、時間軸の違う過去のなつを入れ込んだと言う複雑な構成だ。
一見、何の変哲もないシーン構成に見えるかも知れない。しかし、褒めるべきは、しっかりと登場人物の台詞と俳優の芝居と切り替わる映像によって、物語が丁寧に紡がれていき、各登場人物の人間性が描かれたことだ。プロなら当たり前の技ではあるが、この程度の事も出来ないドラマ、朝ドラが多い中で貴重と言っても良いと思う。
先日も書いたように、時間軸の行き来の多さ含めて癖のある作風ではあるが、『てるてる家族』を始め、近年では『64(ロクヨン)』『精霊の守り人』『ランケンシュタインの恋』を手掛けたベテラン脚本家・大森寿美男氏らしい、手堅い脚本だと思う。
菓子屋の "朝ドラらしい珍騒動" からの描写も、お見事
7分頃からの、和菓子店「雪月」のくだりも、上手かった。自然な流れで新キャラの3名を登場させただけでなく、とよ(高畑淳子)は泰樹が孫の夕見子を連れてきたと勘違いした事で、息子で菓子職人の雪之助(安田顕)と妻の妙子(仙道敦子)を絡めた “朝ドラらしい珍騒動” に発展。その騒動の中で、登場人物たちの人柄までサラリと描いた。
なつと泰樹との間に芽生え始めた "絆" が清々しかった…
そして何より、なつが、前回の酪農作業では “負けず嫌いの頑張り屋さん” である事が描かれた上に、この菓子屋のくだりでは “喧嘩嫌いの正直者” である事が描かれた。更に、なつと泰樹との間に芽生え始めた “助ける者と助けられる者の絆” が清々しかった。
あとがき
前回に続き、第4回も不満はありませんでした。ここまで意外と展開は速いですが、全ての登場人物たちの設定も分かり易く、物語の運びも無理が無く良いと思います。あとは、いつまでもこれが続いてくれるのを祈るばかりです…
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