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トクサツガガガ 最終回と全7話の総括的な “胸熱” 感想 [第2弾]

トクサツガガガ

NHK総合・ドラマ10『トクサツガガガ』公式
第7話・最終回 (全7回)『スキナモノハスキ』全7話の “胸熱” 感想 [第2弾]。
なお、原作の漫画、丹羽庭「トクサツガガガ」(小学館)は、第1巻のみ既読。


大切なフィギュアを志(松下由樹)に壊された仲村(小芝風花)は、志と大げんかに。吉田(倉科カナ)とは気まずいままの上、ダミアン(寺田心)にはうそつきと言われ、落ち込む。北代(木南晴夏)の計らいで吉田と仲直りすることができた仲村は、兄・望(渡部豪太)から渡された昔の特撮番組を録画したビデオを見る。そして、自分が幼い頃からどんなに特撮が好きだったかを思い出し…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:丹羽庭「トクサツガガガ」(小学館)
脚本:田辺茂範(過去作/表参道高校合唱部!、レンタルの恋)
演出:末永創(過去作/花燃ゆ、マチ工場のオンナ) 第1,2,6,最終
   新田真三(過去作/あさが来た、べっぴんさん) 第3
   小野見知(過去作/マチ工場のオンナ) 第4,5
特撮協力:東映
アクション監督:おぐらとしひろ(過去作/仮面ライダーシリーズ、スーパー戦隊シリーズ)
音楽:井筒昭雄(過去作/民王、99.9、Missデビル、ブラックスキャンダル)
主題歌:ゴールデンボンバー「ガガガガガガガ」」

まえがき

先日、最終回の感想を書きましたが、お約束した通りに濃厚な感想を “胸熱感想” として、かなりの長文ですが再投稿させて頂きます。

「親と自分の価値観、どちらの下で生きるか」の自立の物語

最終回のアバンタイトルは、第7話の終盤の振り返りから始まった。勇気を振り絞って自分の好きな特撮の事を必死に伝えた仲村(小芝風花)に対して、母の志(松下由樹)は娘を全否定。ロケット砲弾のような攻(口)撃と娘が大事にしているフィギュアを破壊し、平手打ちの猛攻を仕掛けて来る。一方の仲村も母の頬を打ち返し、感情丸出しで口撃する。

 志「こんなもの大事にして 何になるのよ!」
仲村「じゃかましい! クソババア!」
 志「あんた… 親に向かって…」
仲村「親じゃないよ! だから 鍵 返して。
   育ててもらった恩とか 大学のお金とか いくら?
   一生かかってでも返すから!
   それで もう家族じゃない。関わらんとって!」

そして、仲村は「あんたのこと嫌いだったからだよ!」と自分と兄・望(渡部豪太)が家から出た本当の理由を打ち明ける。驚き涙ぐむ志。

今更書く必要も無いが、仲村にとって特撮が好きだと言う事を否定されるのは、単に趣味が否定されているのではなく、自身の生き方や価値観そのものを親に受け入れて貰えない悲劇であり、本来の自分を否定されているのと同義なのだ。

だから、仲村であり娘目線から志を「毒親」と斬り捨てるのは容易だが、母親目線から見れば「思い通りにならない娘」だ。しかし、両者の間には二人の関係が出来た時から「どうして出来ないの?」と「どうして分かってくれないの?」の絶対的な価値観の相違による対峙構造があったはず。

そして、本作では、仲村の立場にフォーカスを当てたため、親の価値観の下(もと)で、自分の価値観を貫きつつ、どう生きて行くか?」と言う子どもの自立の物語になった。

自立のための暴走する仲村に魅力を感じ応援したくなる理由

さて。幸い私は、親に価値観を押し付けられた事も否定された事も、殆ど記憶がない。しかし、私の妹は違った。幼い頃から「お兄ちゃんとは違うの!」と揶揄されて反抗し続けた。恐らく、多くの人が少なからず、親が子どもの好きなものを否定し、親の価値観を押し付けると言う親との対立はあったはずだ。

でも、現実の社会では親も子どもも年を取り、いつしか親は「戦う対象」から「支えて守るべき対象」へ変化する。子どもが50歳を過ぎれば、親も80歳を過ぎる。最近では、言い合いをしていた日々が、懐かしく思う日も多くなって来た。何とも切ない現実だが、それが現実。

だから、劇中の20歳代の仲村の若さ故の自立のための暴走に魅力を感じるし、応援したくなるのだ。

大人のピュアな気持ちを丁寧に且つ感動的に描いた名シーン

彼氏と映画を観に来て以来、気まずい雰囲気の仲村と吉田(倉科カナ)が北代(木南晴夏)の計らいで再会する場面。

吉田「ほんとは あの時 彼氏にも 友達 紹介したかったんですけど」
仲村「友達…」
吉田「あっ ごめんなさい。あの… 知り合っていうのも変だと思うし
   オタク仲間って紹介…」
仲村「大丈夫です 大丈夫です!」
吉田「いや だって… 仲村さんとは いろいろ遊びに行ったし。
   ほら 私 仲村さんと会うまで 一人で行動してたし。
   大人になって こういうことないから 分かんないですけど…
   会って1年も たってないけど
   私は 勝手に 仲村さんのこと… 友達だと思ってました」

気まずかった雰囲気を創り出していたのは仲村の “彼氏のいる吉田への勘違い” であった事に気付き、「勝手に友達だと思っていた」と言う言葉に喜びを噛み締める仲村に対して…

北代「モジモジしない」
仲村「すいません…」
吉田「ああ… 彼氏って言うより友達って言うほうが 恥ずかしいですね。
   あっ 北代さんも友達ですよ」
北代「ついでみたいに言わないでくれる?」
仲村「私も… ずっと 友達だと思ってました」

このやり取り、彼氏と友達と言う女性なら二者択一すべき必要がありそうな重要な部分にも関わらず、同じ趣味や価値観を持っている仲間を “友達” として括って、友情を美しく描いたと思う。

私も映画や音楽関連で同じ趣味や価値観を持つ仲間は “友達” だと思って、もう40年以上付き合っているが、ドラマでは中々描かれない大人のピュアな気持ちを丁寧に且つ感動的に描いた名シーンの一つだと思う。

ビデオ店店主とVHS版が描き出した見事な現実感!

序盤で描かれたビデオ店「にこにこビデオ」の閉店セールでふと手にした幼少期好きだった特撮ヒーロー『エマージェイソン』のVHS版を、中盤では母の影響もあり特撮から距離を置いていた高校時代の仲村が、店主(海原はるか)から譲り受け高校の部室で見る場面がある。店主は小さい頃から70年も映画が大好きでビデオ店を開いた経緯を話し出す。

店主「好きって そんな なくなっちゃうもんなんかな?」
仲村「…」
店主「うん? どうした?」
仲村「あっ いや… 聞き覚えあること言われたなぁって」

この店主の言葉に聞き覚えのある仲村が、幼少期以来久し振りに見た『エマージェイソン』の内容と現実がリンクしているのが見事だった。

3つの時代の仲村を並行に描いた演出も、お見事!

また、劇中劇の作り込みの素晴らしさも語っておきたい。『エマージェイソン』の最終回で最後の戦いに勝った「エマージェイソン(鈴村健一)」は身体がボロボロになりながら、人間型ロボットも人間と同じように記憶が失われて行く事を子どもたちに伝える。

エマージェイソン(以下 “エマ)” 「僕は もう ここを去ろうと思う。
   もともと 僕は 博士に つくられた 殺人マシーン。
   自分のことを よく思わない人も たくさんいるし
   争いの火種になりたくない」
少年「エマージェイソンは僕たちを助けてくれたじゃないか!」
エマ「でも 僕をつくった博士は もういない。
   もし 僕が壊れて暴走しても直せる人は もういないんだ…。
   僕は どこか遠くに身を隠す。
   それが 君たちにも 僕にも 一番いいことだと思う。
   みんな… さよならだ」
少年「待っててよ!
   エマージェイソンは 僕たちに待っててって言ったじゃん。
   僕たち ちゃんと待ってただろ。
   今度は エマージェイソンが待っててよ!
   僕たちが その間に 修理する方法とか見つければいいじゃん!
   見つけるよ! 大丈夫だよ! 」
子どもたち「絶対に見つけるから!」
少女「お母さんとか みんなにも
   ロボットに意地悪しないでって言っておく!」
エマ「みんな…。人の… 何より君たちの記憶はバグや消失が多い。
   少しの間でも 記憶が更新されなければ自動的に削除していく。
   それが人間の記憶だ」
少年「そんなこと…! 忘れないよ! 大丈夫だよ!」
エマ「僕らだって 自分たちのデータは完璧ではないんだ。
少年「僕たちは思い出せるよ!」
エマ「記憶…
   データは なくなってしまうけど ただ それが なくなっても…
   みんなを好きな気持ちは…消えて なくなるわけじゃない。
   人の記憶は不安定だけど とても不思議だ。
   何かの きっかけがあれば 何度だって思い出せる。
   だから また… だから また… きっと 僕らは また会おう」

幼少期にリアタイで見ていた仲村と、部室で久し振りに見ている仲村と、親と喧嘩して仲直りしていない現在の仲村が、カットバックで編集され、最終回でのエマージェイソンの台詞が、それぞれの時代の仲村の心を揺さぶる演出はお見事。

これまでも、本作の大きな魅力の一つが、現実パートで抱える主人公・仲村叶の問題と、特撮パートの劇中劇の場面が巧みにリンクして、描きたいテーマに相乗効果をもたらすことだと書いて来た。

そして、最終回のこの場面では、エマージェイソンの台詞と3つの時代の仲村の心が完全に呼応し合い、「好きな気持ちは誰にも奪えない、離れて忘れても何度も思い出しては好きになれる。そして、好きな気持ちは無くならない」と言う事に仲村が気付く過程を完璧に描いた。

夕日を背景にした仲村とエマージェイソンが美しかった!

高校の部室で一人泣きながら最終回を観終えた仲村の傍らには、身体が傷ついたエマージェイソンが(壊れているから立てなかったのだろうか)跪いていた。まるで、仲村の前に王子様のように。そして、エマージェイソンが仲村にお汚れたグローブを嵌めた右手を差し出す。恐る恐るエマージェイソンの右手の指に触れる仲村。

仲村「また… 会えてよかった」

涙ぐむ仲村。大きく頷くエマージェイソン。部室に差し込むオレンジ色の夕日をバックにした仲村とエマージェイソンが、とても美しかった。

「好きな気持ちは 誰にも奪えないよ」は名台詞を超え名言

そして、いよいよクライマックスだ。エマージェイソンから勇気を授けられた仲村は、特撮を禁止する両親との関係に悩む小学生のダミアン(寺田心)を助ける決意をする。ダミアンを探す仲村。親子関係修復の当てがなくうなだれて歩くダミアン。そして二人は公園で再会する。

仲村はダミアンを励まし応援すると切り出すが、ダミアンの諦めムードはどん底状態。そんな仲村とダミアンのすぐ横に、特撮ヒーロー番組『獅風怒闘ジュウショウワン(獣将王)』のリーダーであり、ダミアンのヒーロー「赤のシシレオーシシレオ(土屋神葉)」が立っていた。

仲村「私は ジュウショウワンに諦めないことを教わった。
   ダミアンはどう?」

すると、「青のトライガー (吉原雅斗)」「黄のチェルダ(西浦希)」「銀のセロトル(中原聡太)」も揃った。ダミアンにも仲村にも見えている…

仲村「私 うまくいく方法 考えるよ。
   吉田さんも私も 一緒に考えるし いろんな方法 知ってるから
   みんなで一緒に 強くなろう。
   ダミアン。好きな気持ちは 誰にも奪えないよ」

この『救急機 エマージェイソン』から『獅風怒闘ジュウショウワン(獣将王)』の流れも完璧だった。そして、「好きな気持ちは 誰にも奪えないよ」は名台詞を超えて、名言にまで昇華した。これでも十分満足なのに、放送時間は、まだ36分台で、残り8分近くもある…

仲村のリュックにぶら下がるシシレオーのキーホルダーに付いている鈴の音

38分過ぎから描かれた、現在の仲村が、懐かしいおもちゃ屋で目にした、幼少期の自分と母親とのやり取りがとても印象的だった。可愛らしい子犬のおもちゃを選ぶように言う母親に「これ 嫌や」と反抗する幼き仲村。この時の、何とも言えぬ悲しい表情の志と、この仲村の台詞に不覚ながら涙してしまった…

仲村(M)「自分が好きなものを否定し続けられて感じていた思いを…
     私も お母ちゃんに感じさせていたんだ…」

こんな不思議な体験をした仲村が実家に帰って来る。リュックにぶら下がるシシレオーのキーホルダーに付いている鈴の音が、何とも “母子関係の気まずさ” を奏でる…。そして、母と娘の関係の結び方も、中々意味深で良かった。

あとがき

ラストシーンの書店に、私の世代では正にドンピシャの特撮ヒーロードラマ『仮面ライダーV3』に出演していた、特撮界のレジェンド、宮内洋さんがゲスト出演したのを見て、歓喜してしまいました。小さい頃、私は「V3推し」だったので、仮面ライダーベルトや自転車もありましたから(笑)

とにかく、企画・脚本・演出・俳優が見事に融合した名作ドラマになりましたね。視聴率はどうでも良いです。そして、当blogで放送前からお勧めして良かったなと思います。是非とも続編を期待します。最後に、DVD等の発売は無さそうなので、録画の永久保存をお忘れなく…
※引用している台詞は、テレビの字幕をコピーしています。

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★本家の記事のURL →  http://director.blog.shinobi.jp/Entry/12514/


【これまでの感想】
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