テレビ朝日開局60周年記念ドラマスペシャル「米倉涼子×松本清張 疑惑」 (2019/2/3) 感想

テレビ朝日系・テレビ朝日開局60周年記念ドラマスペシャル『米倉涼子×松本清張 疑惑』(公式サイト)
『≪米倉涼子×松本清張≫名作サスペンスを映像化!米倉涼子が、13億保険金殺人の疑惑がかかる悪女(黒木華)に挑む!!。』の感想。
なお、原作の小説、松本清張『疑惑』(文春文庫刊)は既読、過去に放送された数本のスペシャルドラマも、1982年公開の野村芳太郎監督の映画『疑惑』も劇場鑑賞済み。
「最低の弁護士」とも揶揄される佐原卓子(米倉涼子)のもとに、弁護士・原山正雄(津川雅彦)からある事件の話を持ちかけられる。13億保険金殺人の疑惑がかかる妻・白河球磨子(黒木華)の弁護だった!!卓子は、球磨子のエキセントリックな言動に振り回されながらも、事件の真相を解明するため、検事正・小田秀子(余貴美子)と記者・秋谷茂一(板尾創路)に接近し、球磨子の生い立ちを探っていくが…!?
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:松本清張『疑惑』(文春文庫刊)
脚本:竹山洋(過去作/松本清張ドラマスペシャル 砂の器、三億円事件、鬼畜)
演出:松田秀知(過去作/世にも奇妙な物語、古畑任三郎シリーズ)
出来るだけ原作や映画等とは比較しないようにしたいが…
原作の小説も、過去のスペシャルドラマも、 野村芳太郎監督の映画も鑑賞済み。従って、いつものように原作や過去の映像作品と比較しない立場を保持するのは、かなり難しい。それほどに思い入れはないが、本作にはある種の固定概念があるから。
『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』の直後に放送?
まず、本作の企画の不思議さと安易さ。つい同局で弁護士役を演じたばかりの米倉涼子さんが、再び弁護士役を演じるのかってこと。
まあ『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』では弁護士資格をはく奪された設定だから違うと言えばそれまでだが、原作に於ける劇中の1980年代と言う設定を現代に置き換えてしまったから、余計に既視感が漂ってしまった。もう少し放送期間を空けたら印象が違っていたかも知れない…
配役のミスキャストと、原作からのアレンジのし過ぎ
さて、内容的には、配役のミスキャストと、原作からのアレンジのし過ぎが目に余った作品だった。
『疑惑』と言えばタイプの異なる悪女の対決が最大の見所なのだが、佐原卓子(米倉涼子)は「小鳥遊翔子」みたいに小者感が漂うし、白河球磨子は黒木華さんの熱演は評価するが、悪女対決にはキャラが弱過ぎた。
原作からのアレンジについては詳細の説明は避けるが、舞台を現代に合わせるために多少の歪みが出るのは承知するとしても、全体に漂う不気味さや弁護士と記者の攻防線、そして意外な結末、これらの原作で大事な見所が、悉く軽くアレンジされ清張作品に於ける重厚さも感じられなかった…
あとがき
いつもはきっちりとした演技を魅せてくれる黒木華さんですが、米倉涼子さんとの共演で肩に力が入り過ぎたような気もしますね。
また、前期の連ドラで弁護士役を演じた直後だから、「松本清張×米倉涼子」の企画なら、そこそこの視聴率は稼げるだろうと言う安直な発想による企画に見えました。もっと清張作品であることを意識して、重厚に作り込んで欲しかったです。
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