映画「メリー・ポピンズ リターンズ(日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし
採点は、★★★☆☆(最高5つ星で、3つ)。100点満点なら65点にします。
なお、原作となった児童小説『メリー・ポピンズ』は既読、今作の前作となる1964年の映画『メリー・ポピンズ』も1995年のリバイバル上映時に鑑賞済み。
【私の評価基準:映画用】
★★★★★ 傑作! これを待っていた。Blu-rayで永久保存確定。
★★★★☆ 秀作! 私が太鼓判を押せる作品。
★★★☆☆ まあまあ。お金を払って映画館で観ても悪くない。
★★☆☆☆ 好き嫌いの分岐点。無理して映画館で観る必要なし。
★☆☆☆☆ 他の時間とお金の有意義な使い方を模索すべし。
ディレクター目線のざっくりストーリー
大恐慌で暗く厳しい時代のロンドン。前作では少年だったバンクス家の長男マイケルは、今では自らの家族を持つ親となり、前作で父や祖父が働いていたフィデリティ銀行で臨時の仕事に就き、3人の子供たちと、桜通り17番地に暮らしていた。
しかし、ロンドンは大暴落の真っ只中で金銭的な余裕は無く、更にマイケルは妻を亡くしたばかりで、子供たちも頑張るものの上手く行かず、家の中も荒れ放題だった。そこへ更に、融資の返済期限切れで家まで失うことに。そんな時、例の「ほぼ完璧な魔法使い」である “メリー・ポピンズ” が風に乗って、彼らの下に舞い降りて来る…
魔法使いの家政婦が家族の絆を深める愛と感動の物語の続編
日本では東京オリンピック開催の翌年の1965年12月末に劇場公開され、当時としては実写とアニメーションの合成と言う斬新な映像手法と、劇中で歌われる名曲の数々が今も人気のディズニー・ミュージカル映画のお手本とも言うべき映画『メリー・ポピンズ』。因みに、私が劇場で観たのは、1995年のリバイバル上映時だ。
1910年。ロンドンの桜通りに住むバンクス一家の元に、魔法が使える乳母、メリー・ポピンズが訪れ、家族の絆を深める笑いと感動の物語。その54年ぶりの続編となるのがこの『メリー・ポピンズ リターンズ』。舞台は、前作の25年後の大恐慌時代のロンドンで、前作で描かれたバンクス家のその後が描かれる。
家政婦の立ち位置が違う続編だから、本作の評価は難しい…
正直、本作の評価は難しい。単純に決められない。これが正直な気持ちだ。なぜそうなるのか? その理由は、本作が単純な続編とは言えないから。
ネタバレしない範囲で書くと、前作に登場したバンクス家の息子マイケルが25年たち、1年前に妻を亡くした3人の子持ちのシングルファーザーとして、経済的にギリギリの生活をしている、これが初期設定。
そこへ、あのメリー・ポピンズが「リターンズ」するのだから、前作同様(又は類似)の我儘な子供の子育てに手を焼くバンクス家に家政婦が降りて来て、子供を教育するかと思いきや、実は教育されたのは親だったと言う家庭や子育ての大切さを伝えたストーリーを期待したのだが、実際は程遠い内容だった。
前作を観ていようといまいと、物語自体は拍子抜けする!?
簡単に言ってしまえば、母を亡くして差身勝手はいるが意外とお行儀の良い子供たちを、楽しい魔法で元気付け、経済的な問題もサラリと片付け、仕事が済んだら帰っちゃった…的な感じ。そう、ストーリーに深みや風刺的なものが一切なく、淡々と進んでしまうのだ。だから、前作を観ていようといまいと、物語自体は拍子抜けすると思う。
映像美が観客の心を引き付ける "引力" はスゴイの一言!
ただ、全編に亘って、映像美が観客の心を引き付ける “引力” には、スゴイものがある。前作のジュリー・アンドリュースに比べれば残念ながら引けを取るが、今作のエミリー・ブラントが演じたちょっと醒めたメリー・ポピンズは新鮮だ。また、脇役も旬の俳優で固められ、演技や歌唱については十分に楽しめる。
"虚構" のエネルギーがスゴイから "虚構の中の真実" も説得力大!
また、映像については流石に最新のCGを駆使しているため違和感なし。いや、むしろストーリーの陳腐さ(おっと、言ってしまった)を覆い隠し忘れさせるのが、先述した観客の心を引き付ける “引力” の強さだ。
色鮮やかで精密で自然なCG合成が創出する “虚構” のエネルギーが素晴らしいから “虚構の中の真実” も一緒に説得力を持ってしまうのだ。
あとがき
前作を知らない方が、自然に楽しめる続編に仕上がっています。従って前作に思い入れが強いと裏切られます。でも、製作陣の前作へのオマージュは溢れており、「映像の美しさ」の背負い投げで一本勝ちしたような作品です。
音楽は鑑賞後に記憶に残る楽曲はありませんが、クラシカル調なエレガントな楽曲ばかりなのも良かったです。笑えて、ちょっぴりほろりと出来て、スッキリ終わる。デートや家族連れにお勧めの映画です。
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