カーネーション:再放送 (第41回・2018/5/31) 感想

連続テレビ小説「カーネーション」

NHK総合・連続テレビ小説『カーネーション』公式
第7週『移りゆく日々』 『第41回』の感想。


 私は本作を初見なので、ネタバレ等のコメントは無視します。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


【第41回】
大繁盛の末松商店は、糸子(尾野真千子)が分かりやすく描いたスタイル画をつけるサービスを始めたことで、夜まで客の列が途切れなくなる。糸子は岸和田に洋服が広まってきたと判断し、自分で洋裁店を開く決意を固める。しかし、相変わらず酔っ払って帰った善作(小林薫)は許そうとせず、激しい言い合いに。殴られても引き下がろうとしなかった糸子だが、善作と顔を合わせることに耐えられず、いったん神戸の松坂家へ身を寄せる。
---上記のあらすじは[NHK番組表]より引用---

糸子は "ブレイクスルー思考" の発達した女性だ!

そう言えば、数回前から季節が移っているなと思っていたが、今回の冒頭で「もうすぐ正月」と言う季節感を入れて来た。もう少し、季節の表現を入れたら良いのに。そんなことを考えていたら、あっと言う間に糸子が洋服を注文した客にスタイル画を渡すサービスを始めていた。ここが良いんだよね。

前回(第40回)の感想で、「糸子に関わる女性たちが、新しい時代に即していく」ことや「糸子が周りの女性たちを洋服を着せることで、内面も変えて行く」ことを重ねて描いていると書いた。前回は、そう言う風に描かれていると言うところで止まっていた。しかし、今回はそれを少し進めて、そのことを糸子が気付いたことを描いた。

糸子(M)「何でやろ? そうか この岸和田にも
     やっと 洋服を着る人が増えてきたっちゅう事や。
     あかん 今や。
     もう お父ちゃんが 何言おうが 迷てる場合ちゃう。
     うちは 今 始めなあかん」

この↑糸子のモノローグがいい。「何でやろ?」と言う自分への質問で始まり「今 始めなあかん」と自分で結論を出している。誰かに相談するでなく、自問自答して自己解決。そう、糸子は “ブレイクスルー思考” が発達した女性なのだ。

ご存知の方も多いと思うが、“ブレイクスルー思考” とは、自分の目の前にある問題や障害そのものに価値を見出して、全てを “順調な試練” として受け止めることで、問題や障害を楽々と突破して自らどん欲に吸収しながら成長していくような発想法のこと。糸子はその発想法を、パッチ店に働きに出た頃から自然に身につけた。

「負けたくない」とか「 “糸子のだんじり” を手に入れたい」と言う強い気持ちが、糸子の “ブレイクスルー思考” を発達させたのだと思う。そのことが、この自問自答のモノローグでしっかりと表現されたと言う訳だ。

きっと、本作の、いや朝ドラ史に残る名場面に違いない…

そして、クリスマスケーキの晩。糸子が稼いだお金で買って来たクリスマスケーキのローソクの炎を、小原家の女性たちが賑やかに吹き消す。その微笑ましい様子を、疲れた面持ちの糸子がガラス戸に寄り掛かって、ぼんやり見てる。それに気付いた母・千代。首を横に振り心配ないと言わんばかりの糸子。

どうやら、糸子は疲れ切っていると言う描写でなさそうだ。明らかにそう演技指導もされている。そこへ、善作が帰宅。また、酔っ払ってる。クリスマスケーキにケチをつける善作に、糸子が自分で洋裁店を開く決意を固めたことを話す。いつになく、冷静な糸子だ。そう、糸子も成長したのだ。

そして、この糸子の切った啖呵が、善作を爆発させる。

糸子「悪いけどな お父ちゃんより
   今は うちのが よっぱど この家 支えてるんや!」
善作「何やと!」
糸子「殴りたいんやったら殴ったらええ!
   けど 商売は…商売だけは うちがしたいように させてもらう!」
善作「このガキが!」

こうなるのは百も承知だ。前回の感想で書いた通り、予定調和の展開だ。しかし、そうなったからと言って落胆させず、むしろインパクトのあるサプライズに昇華したのはなぜだろう。

恐らく、演者たちの物語を真剣に描こうと言う演技だ。善作役の小林薫さんは恐らく手加減せずに、糸子役の尾野真千子さんを引っ叩いた。その証拠に、引っ叩いたカットのあとの糸子の左の頬に善作の人差し指と中指の痕が赤く腫れていたから。俳優に役が憑依して描かれた虚構の中の真実。だから、怖い。だから、恐ろしい。

そして、カメラも止まらない。芝居も続く。子役らも演技を続ける。「カット」の声が掛るまでの緊張感の持続。見ているこちらにも緊張感が伝わって来る。そして、麻生祐未さんと正司照枝さんの素晴らしい演技で、極度の緊張感がじわりじわりとほぐされていく…。だから、心にズンと響くのだ。

きっと、本作の、いや朝ドラ史に残る名場面に違いない…

2秒近い長めの暗転が、糸子の成長を描いた!

糸子「堪忍! しばらくお父ちゃんと 顔合わせたない。
   神戸のお祖父ちゃんとこ いさしてもらう」

この言葉を残して、糸子は家を出る。家を出た後のカットもいい。糸子が家を一度も振り返ることなく、クリスマスツリーナメの糸子の後ろ姿が小さくなっていくだけを見せてゆっくりとフェードアウト。そして、2秒近くの長めの暗転を挟んで、カットインで神戸の松坂家へ場面転換。

この2秒近い長めの暗転が、糸子の目の前の壁を “順調な試練” として受け止める時間の始まりと捉えるのはどうだろう。ここんとこず~っと自分の身の回りしか見ていなかった糸子にとって、久し振りの松坂の家の変化も、ゆったりと流れる時間も、糸子にとっては壁を楽々と突破して自らどん欲に吸収しながら成長するための大切なものなのだ。

だから、ここに長くは居られない。糸子は “ブレイクスルー思考” が発達した女性だ。だから、すぐに帰る。糸子にとって、戦場であり、夢を叶える場所へ。だから、糸子は松坂家への一区切りをつける。

糸子「この人らは うちを守ってくれる人らやのうて
   うちが守っちゃらなあかん人らなったんや。
   ここは もう うちが甘えられる場所やない」

お見事! これ傑作の放送回だ。

あとがき

糸子の心情の変化に絞り込んで、15分間を使い切った…そんな見事な15分間でした。結構な量のモノローグに頼った構成になっていましたが、糸子以外の登場人物たちの台詞がしっかりと状況説明をしているので、不満はありません。劇伴も最小限に抑えて、あくまでも俳優の演技で魅せてくれました。お見事!

最後に。前回の感想に 136回ものWeb拍手と数々のコメントを頂き、ありがとうございます。第41回は、心に残る回ですね。ここまで完成度が高いのかって思わせてくれました。NHK番組表によると、明日の 16:20から第42回と第43回の放送予定になっています。

ご本人は気付かずに(だと思いますが、結果的に)ネタバレをコメントに書いている人が、多くて困っています。ホント、ネタバレは止めて下さい! 私以外にも、今回が初見で番組と感想を楽しみにしている読者さんがおられるので。引き続き、ご協力お願いいたします。 ※しばらくの間、テンプレです(謝)

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半分、青い。 (第52回・5/31) 感想

連続テレビ小説「半分、青い。」

NHK総合・連続テレビ小説『半分、青い。』公式
第9週『会いたい!』 『第52回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


秋風(豊川悦司)の言葉に背中を押された鈴愛(永野芽郁)は、自分から正人(中村倫也)に電話をかけると決心する。同僚のユーコ(清野菜名)にアドバイスをもらい、ダイヤルを回そうとした瞬間、秋風ハウスの電話が鳴り響く。ついに正人からかと期待を寄せる鈴愛だったが、相手は岐阜にいる母・晴(松雪泰子)。再び電話が鳴り、今度は律(佐藤健)。そこで、律から清(古畑星夏)と奇跡の再会を果たしたとの報告を受ける。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

まだ、ポエム担当者を増やして、上っ面ドラマを続けるの?

主題歌明けに、突然トイレ? そして、新たな “ポエム” 担当者の誕生だ。どれだけ、雰囲気だけでその場を語る登場人物を増やして、上っ面のドラマを続けると言うのだ。

全体の 1/3の今、まだ主人公が幼稚のままで恋バナか…

それにしても、いくら「漫画のため」とは言いながら、もう第51回、全体の約 1/3が過ぎようとしているのに、まだ主人公が幼稚のままで恋バナか。その上、折角「東京編」になったのに、「原稿脅迫騒動」に「ネーム紛失騒動」に「秋風がん騒動」と、一向に漫画家になる夢のために漫画を頑張ってる姿の印象が無い。

鈴愛は「失敗を恐れないヒロイン」じゃないの?

これまでも何度も書いているが、公式サイトに本作のヒロインは「失敗を恐れないヒロイン」とあるのだ。でも、この恋バナに向き合う鈴愛は、お世辞にも「失敗を恐れない」とは見えない。どう見ても「失敗を恐れまくってるヒロイン」だ。

もちろん、恋は話が別と言う考え方もあろう。しかし、恋でも仕事でも夢でもぜ~んぶ失敗を恐れないのがヒロインとしなければ、設定する意味がない。それに、恋をしたのは、正人が初めてじゃないし。だから、意味が無いことをダラダラと15分間も描いたってことなのだ。

このペースで、鈴愛の「半世紀」を描けるの?

これ、どう見ても恋バナは次週も続くはず。鈴愛と正人、律と清に、母の晴まで絡めて。このペースで「半世紀」を描けるのだろうか。結婚、出産、離婚をしてからの大発明。あと、2/3しかないのに。大きなお世話だが不安しかない

あとがき

昨日午後放送のTBSラジオ『赤江珠緒たまむすび』で、博多大丸さんが、鈴愛の態度について「憧れの先生に対して、あまりに態度が悪すぎる」とか「失敗し過ぎ」と愚痴っていたら、相方の博多華丸さんは「今、そんなことを言っていたら、夏を乗り越えられん」と突っ込んでました。

やはり、大丸さんの考え方が普通なんですよ。でも、「朝ドラが好きなら我慢しろ」と言う華丸さんの意見も分からない訳でも無い…

最後に。前回の感想に、79回の Web拍手や数々のコメントを頂き、ありがとうございます。片耳失聴が無いと思ったら、15分間恋バナで終了。なんか、なんかなぁ

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