映画「ブレードランナー 2049(日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし

映画「ブレードランナー 2049(日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし
映画 『ブレードランナー 2049(日本語字幕版)』公式)を先日、劇場鑑賞。採点は、★★★★(最高5つ星で、4つ)。100点満点なら75点にします。
なお、1982年制作の映画『ブレードランナー』は鑑賞済み。

私の評価基準(映画用)

ディレクター目線のざっくりストーリー

2049年のカリフォルニア。人間と見分けのつかないレプリカント(人造人間)が労働力として製造され、人間社会はレプリカントと危うい共存関係にあった。旧型の違法レプリカントを追うLA市警のブレードランナー・K(R・ゴズリング)は、レプリカント開発会社のウォレス社の巨大な陰謀を知る。

捜査中に、かつて優秀なブレードランナーとして活躍していたが、ある女性レプリカント(H・フォード)と共に忽然と姿を消し、30年間行方不明になっていたデッカードに辿り着く。ウォレス社の陰謀のカギを二ビルデッカードには、命懸けで守り続けて来た秘密があった…
※PG12

人間本来の姿、魂、愛とは何かをじわじわ問い掛けて来る

レプリカントと捜査官ブレードランナーの闘いを描いたSF映画の超名作『ブレードランナー』の35年振りの続編がこの『ブレードランナー 2049』だ。貧困地区で虐げられ屈辱的な生活をし、抑圧された職場で働く主人公ブレードランナー・Kが抱える深い孤独は、心の拠り所であるホログラムの恋人ジョイによってだけ癒される。

そんなKが目撃するのは、自身の「生の尊厳」を求めて彷徨う、進化したレプリカントたちだ。彼らには “ある奇跡の存在” があり、Kに「人間とレプリカントの違い」や「人間らしさとは何か」をじわじわと問いかける。そして、観客には「人間本来の姿とは?」、「魂とは?」、そして「愛とは何か?」と問い掛けて終わる…

前作匹敵する仕上がり 新たな作品としても十分楽しめる

前作がSF映画の金字塔であり伝説的な作品で、ラストの解釈もファンの間で二分するような難解な所も魅力だったため、続編への不安はファンならずともあるだろうが、その心配の必要は無い。前作と肩を並べても負けない仕上がりであり、ある意味で新たなオリジナル作品としても十分楽しめる作品に仕上がっているから。

人間とレプリカントの境目をとても低くした設定が秀逸

とにかく、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の前作への誠実なリスペクトがありながら、更に深く掘り下げ進化させ広げたストーリーがお見事。

特に今作の設定で秀逸なのが、人間とレプリカントの境目をとても低くしたこと。そのお蔭で、“本物” である人間と人間が作った心を持った “創造物” であるレプリカントの違いに物語がギューッと収束し帰着に向かうのが素晴らしい。

また、Kと今回のヒロインであるジョイとの斬新な映像処理で描くラブシーンや、終盤で “守り続けて来た秘密” に行き着くデッカードの表情から、“本物” の人間として伝える愛と、人間として存在しない“作りもの” が伝える愛に違いはあるのか?いや、本作全体こそ “愛” が溢れる作品なのだ。そこをしっかりと見て欲しい。

映像美と音楽美で、作品に没入出来る独自の世界観は傑作

今や巨匠と言ってもおかしくないドゥニ・ヴィルヌーヴ監督を筆頭に素晴らしいスタッフとキャストの合体、哲学的で奥深くSF映画の永遠のテーマでもある強いメッセージ性、最新技術を駆使した光と陰のコントラストの映像美と重低音と和音が奏でる音楽美で、完全に作品に没入出来る独自の世界観は傑作と言える。

163分の長尺, Kの掘り下げ不足, 若干の矛盾が残念

ただ、残念な点もある。まず、映画としては163分もあり、正直オジサンには少々苦痛の長尺。また、観るために割く時間もかなり必要になるため、その点でのハードルが高いのが難点。

また、特に派手なアクションが連発する訳でも、テンポも決して良くはないし、聊か説明不足や論理に矛盾がある(おバカな私が理解出来ないだけだと思うが)で、退屈さを感じる人もいるはず。

もっと序盤で「K」の人物設定を掘り下げて丁寧に描いて、中盤を少し摘まめば、せめて2時間前半に収まったのではないだろうか。そうなれば、評価もだいぶ変わって来ると思う。

あとがき

SF映画の金字塔であり伝説的な作品の続編で多少の不安はありましたが、そんな心配は無用と断言します。素晴らしいスタッフとキャストの合体、哲学的で奥深くSF映画の永遠のテーマでもある強いメッセージ性、最新技術を駆使した光と陰のコントラストの映像美と重低音と和音が奏でる音楽美で、完全に作品に没入出来る独自の世界観は傑作です。

ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ くる天-人気ブログランキング


     

★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
Blade Runner 2049 Hans Zimmer & Benjamin Wallfisch(CD)
Blade Runner 2049 (Original Motion Picture Soundtrack) Hans Zimmer & Benjamin Wallfisch(MP3)
別冊映画秘宝ブレードランナー究極読本&近未来SF映画の世界 (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝) 中子真治
「ブレードランナー 2049」オリジナル・サウンドトラック


★本家の記事のURL →  http://director.blog.shinobi.jp/Entry/10646/

スポンサーサイト

映画「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)(日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし

映画「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)(日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし
映画 『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)(日本語字幕版)』公式)を先日、に劇場鑑賞。採点は、★★★☆☆(最高5つ星で3つ)。100点満点なら60点にします。
なお、ピエール・ブールによる同名のSF小説を原作にした『猿の惑星シリーズ』を新しい解釈で描いた新シリーズの前2作は鑑賞済み。

映画「猿の惑星:創世記(ジェネシス)(字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレあります
映画「猿の惑星:新世紀(ライジング)(2D・字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし


私の評価基準(映画用)

ディレクター目線のざっくりストーリー

高度な知能を得た猿と人類の全面戦争が始まって2年。シーザー率いる猿の群れは、森の奥の秘密の砦に身を潜めていた。ある夜、人間たちの奇襲攻撃を受け、シーザーは妻と息子を殺される。

シーザーは人類の軍隊のリーダーである大佐に復讐するため、群れの仲間を安全な場所に隠して、オランウータンのモーリス、シーザーの片腕であるロケットらと共に旅に出る。

途中、口のきけない人間の少女ノバや大佐の居場所を知る動物園出身のバッド・エイプと名乗る奇妙なチンパンジーも加わり、大佐のいる巨大な要塞に辿り着くが…

なぜ猿の奴隷として人間が使われている世界が出来のか?

SF映画の名作『猿の惑星』(1968年)の前日譚を描く新シリーズは、創世記(ジェネシス)、新世紀(ライジング)を経て、本作の聖戦記(グレート・ウォー)で一先ず完結となる。

となれば、本作は、そもそもなぜ類人猿の奴隷として人間が使われている世界が出来上がったのか? なぜ人間社会が滅亡に向かい猿社会が繁栄したのか? などの疑問に答えはどう描かれるか。結論から言えば、きっちりと描かれている。

クリント・イーストウッド監督・主演の西部劇映画『アウトロー』とシーザー

最も知能の高い猿のリーダーのシーザーは、猿を滅ぼして人間の世界を守るんだと人類の軍隊のリーダーである大佐に対して「ただ我々は生き残りたいだけだ」と抵抗して戦っているが、大佐らに家族を殺されてしまい、リーダーなのに「大差を殺す」と1人で復讐の旅に出て行くくだりは、『猿の惑星』と言うより『西部劇』だ。


アウトロー [Blu-ray] クリント・イーストウッド

クリント・イーストウッド監督・主演の西部劇映画『アウトロー』(1976年)の主人公が、ならず者集団に妻と息子を殺され、次第に仲間を増やして復讐の旅に出るのとほぼ同じ。シーザーも馬に乗り、目を眩しそうにしながら終始しかめっ面な立ち振る舞いもどことなくクリントを感じさせる。

シーザーたちが山奥の王国に向かう旅は『地獄の黙示録』

そして、旅をするロード・ムービーにも見えてくる。また、人間と猿の戦争にひたすら猿を人間の奴隷すると言う狂気だけで向かってくる大佐を殺すために、シーザーが仲間たちと共に山奥に築き上げられた王国に向かう旅はロード・ムービーにも見えるが、展開は戦争映画の名作『地獄の黙示録』(1979年)と一緒。


地獄の黙示録 特別完全版 [Blu-ray] マーロン・ブランド

猿が人間のために砦を築くのは『戦場にかける橋』

すると、リーダーがいなくなった猿の一族はどんどん大佐に捕まって、人間たちが猿を奴隷にして大佐の王国の砦を作らせる。この辺はタイとビルマの国境近くにある日本軍の捕虜収容所で、連合軍捕虜を使って国境に流れるクワイ河に橋を架けるこちらも戦争映画の不朽の名作『戦場にかける橋』(1957年)を引用していると思われる。


戦場にかける橋 4K ULTRA HD & ブルーレイセット [4K ULTRA HD + Blu-ray] ウィリアム・ホールデン

と言うか、映画『猿の惑星』と『戦場にかける橋』の原作小説の著者はピエール・ブール氏で同一だから引用と言うよりも当然。しかし、今回の『聖戦記(グレート・ウォー)』に、「捕虜が敵陣のために橋を架ける」と「猿の奴隷が人間の砦を築く」を重ねた脚本はなかなかニクイところを突いて来たと思う。

シーザーの復讐の旅が贖罪の旅と変わるのは『旧約聖書』

そして、ここからシーザーの復讐の旅が贖罪の旅と変わって行く。もうお分かりだろう。旧約聖書「出エジプト記」による、モーゼがイスラエル民族を率いてエジプトを脱出したあのくだりへと繋がっていくのだ。これ以上はネタバレになるか控えておく…


十戒 [Blu-ray] チャールトン・ヘストン

映像的には素晴らしいが、突っ込み所は結構ある

映像的には、シリーズを通してシーザーを演じたアンディ・サーキスの名演技が、1968年から飛躍的に進化したパフォーマンスキャプチャーやCGのお蔭で、彼がシーザーそのものに見えるのは素晴らしい。

ただ、残念なのは劇中で描かれているのが、地球的規模に見えず、1つの山の出来事にしか見えないこと。また、しょうがない部分ではあるが、猿同士なのに英語で話したり、複雑な会話も結構荒っぽい手話で通じてしまうもちょっと気になった。

また、速く高い木に登れた方が世界を制すると言うのもどうかと。しかし、一番気になったのは、140分と言う長尺の上映時間。あと30分削ったら星★を1つ増やしたい。

あとがき

猿と人類の戦争と言う壮大なスケールと旧約聖書になぞらえたストーリーを最新の映像技術で描いた本作。オリジナルのSF映画の金字塔『猿の惑星』へのリスペクトと過去の西部劇や戦争映画へのオマージュにも溢れています。突っ込み所も無くも無いが、衝撃的なキャッチコピー “そして、猿の惑星になる。” に嘘はありません。

ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ くる天-人気ブログランキング


     

★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
Ost: War for the Planet of the Apes / Michael Giacchino
『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』オリジナル・サウンドトラック Michael Giacchino
猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー) (竹書房文庫) グレッグ・コックス
猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)原題War For The Planet Of The Apes 日本のプレーヤーで再生可能 [並行輸入品]


★本家の記事のURL →  http://director.blog.shinobi.jp/Entry/10612/


楽天市場PR

TB送信について

一部のブログサービス宛に、FC2からトラックバックが届かないケースが発生中。
ご迷惑とは存じますが、SeesaaブログからもTB送信させて頂きます。

最新記事

PR


カテゴリー+月別アーカイブ

 

検索フォーム

PR