映画「パラサイト 半地下の家族(2D・日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし

映画「パラサイト 半地下の家族(2D・日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし
映画『パラサイト 半地下の家族(2D・日本語字幕版)』公式)を昨日、劇場鑑賞。

採点は、★★★☆☆(最高5つ星で、星3つ)。100点満点なら 65点にします。

【私の評価基準:映画用】
★★★★★  傑作! これを待っていた。Blu-rayで永久保存確定。
★★★★  秀作! 私が太鼓判を押せる作品。
★★★☆☆  まあまあ。お金を払って映画館で観ても悪くない。
★★☆☆☆  好き嫌いの分岐点。無理して映画館で観る必要なし。
☆☆☆☆  他の時間とお金の有意義な使い方を模索すべし。





ディレクター目線のざっくりストーリー

仕事も計画性もない楽天的な父キム・ギテク。気が強くて元ハンマー投げ選手の母チュンスク。大学受験に落ち続けるも能力を持て余す息子ギウ。美大を目指すが予備校に通う金も無い娘ギジョン。そんなキム一家は全員失業中で、内職で日々を食つなぎ “半地下住宅” で細々と暮らす4人家族。

ある日、息子ギウが友人の伝手で、IT企業のCEOを務めるパク氏の娘ダヘの英語の家庭教師の面接のために豪邸を訪ねる。パク氏の妻ヨンキョは、わんぱくな息子ダソンの育児に手を焼いていて、兄に続いて妹ギジョンもその家に足を踏み入れることになって…

"ストーリーが全て"みたいな部分は、大したことはない…

本作は、ストーリー、特に「中盤以降の展開からラストまでのストーリーが全て」みたいな作品だから、上記の「ディレクター目線のざっくりストーリー」以降の展開は敢えて書かない。また、これを言ったらネタバレになるかも知れないが、正直に言うと “ストーリーが全て” みたいな部分は大したことはない…とだけ書いておく。

『8時だョ!全員集合』みたいな日常を描くドタバタコメディ

さて、本作は、格差が年々拡大していく韓国社会を描いたコメディ映画だ。若い人には例えが古いかも知れないが、昭和に放送していたザ・ドリフターズの公開バラエティー番組『8時だョ!全員集合』みたいなドタバタコメディに近い。

『8時だョ!全員集合』では、公会堂の中のステージの上に、中身が見えるように建てられた巨大な家のセットがあって、その家への出入りを含めた日常を、観客は座席に座って見て笑うって形式。

本作も、それに似ている。主人公らが、やがて “パラサイト” する韓国の富裕層が済む豪邸は、開口部の広いガラスで中が丸見え。住居内もだだっ広くて、あちこちが丸見え。その中で韓国の超富裕層の家族と、底辺の貧困家族のバトルコメディだ。

今の韓国の格差社会は、日本が想像するより遥かに酷い!

前述で「大したことはない」と言ってしまったストーリーではあるが、やはりこれ以上は書かない。でも、感想だから、感想を書く。今の韓国の格差社会は、日本が想像するより遥かに酷い。

誰もが “いい生活” をしたいから、高学歴社会が進んでいる。誰もが “いい大学への進学” を求めて…なんて次元はとっくに超えていて、どの大学でも良いからソウルに行け!みたいな若者たちが増えている。でも、進学も就職も出来ない若者たちが増え、子どもに生活を託す親たちも益々貧困化が進む。

何をしても結果がついて来ない社会だから計画の意味がない

韓国には若者世代を「N放世代」と言う表現があって、「三放世代」が「恋愛」と「結婚」と「出産」を諦めた世代。その次が、「正規雇用(キャリア)」と「マイホーム」を諦めた「五放世代」。で、今は「人間関係」と「夢」を諦めた「七放世代」になっているそうだ。

だから、本作でも息子が父に何度も「プランはあるの?」と聞くが、父は「プランなんかないよ」と言う。要は、何をやっても結果がついて来ない社会だから、プランを練ったって意味がない訳だ。そのことが、切実に描かれているのは大いに認める。

展開は行き当たりばったりだが、韓国社会の切実さは伝わる

しかし、残念なのは、本作のストーリーそのものも、「プランなんかないよ」と言う感じを受けてしまうこと。

何となく、展開が行き当たりばったりで、ポン・ジュノ監督らしい、先が読めない展開やコメディと思いきやバイオレンスになったり…の “らしさ” はあるものの、ラストまで観ると、一体何を伝えたかったのだろう? と言う感じだった。

それでも、今の韓国の若者たちが次々と諦めざるを得ない「N放世代」である厳しさや、格差の拡大が止まらない韓国社会の切実さは、映画から十分に汲み取れる。

あとがき

全体の構造は『8時だョ!全員集合』みたいな中身が見えるように建てられた巨大な家で起こる日常を描いたドタバタコメディを客席から覗き見るようなカタチです。

でも、映画から放出される、今の韓国の若者たちが次々と諦めざるを得ない「N放世代」である厳しさや、格差の拡大が止まらない韓国社会の切実さは、えげつない程です。

私は、事前情報を出来るだけシャットアウトして観た方が良いとはあまり思いません。ニュートラルに韓国の格差社会を “覗き見る” くらいが丁度良いと思います。本作が好きなら映画『万引き家族』や映画『アス』の類似点が多いので、楽しめると思います。

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映画「フォードvsフェラーリ(2D・日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし

映画「フォードvsフェラーリ(2D・日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし
映画『フォードvsフェラーリ(2D・日本語字幕版)』公式)を本日の劇場公開初日に、劇場鑑賞。

採点は、★★★★★(最高5つ星で、星5つ)。100点満点なら 90点にします。

【私の評価基準:映画用】
★★★★★  傑作! これを待っていた。Blu-rayで永久保存確定。
★★★★  秀作! 私が太鼓判を押せる作品。
★★★☆☆  まあまあ。お金を払って映画館で観ても悪くない。
★★☆☆☆  好き嫌いの分岐点。無理して映画館で観る必要なし。
☆☆☆☆  他の時間とお金の有意義な使い方を模索すべし。





ディレクター目線のざっくりストーリー

アメリカの自動車社会を「大衆車」を大量に作って築き上げたフォード・モーター社だが、景気の良くなったアメリカ国民は「実用性重視の大衆車」でなく、「カッコいい車」を求め、フォード社の経営は不振だった。

そこで、「カッコいい車」を手作り生産しては世界中のスポーツカー人気を集め、カーレース界では常勝のイタリアのフェラーリ社に勝って、フォード社の名誉を復活させようと、24時間耐久レース「ル・マン」でフェラーリに勝利すると言う使命を受けたるのが、且つて有名なレーサーだったカー・エンジニアのキャロル・シェルビー。

フェラーリに勝つためのフェラーリを超える新車開発に励むシェルビーは、破天荒なイギリス人レーサー、ケン・マイルズに目をつける。限られた資金と時間の中で、シェルビーとマイルズは数々の難題を乗り越え、遂に1966年のル・マンで長年絶対王者として君臨しているエンツォ・フェラーリ率いるフェラーリ社に挑戦する…

現代の車に当時のボディを被せて本物のレース場で撮影した迫力

映画の冒頭から、現代の車では聞くこと出来ない60年代の物凄いエグゾースト音(排気音)で始まる本作。最近の映画のカーレースシーンは、殆どがCGを使っているのに、本作は現代の車に、60年代当時のボディーを被せて、本物のレース場で撮影したそうだ。従って、内容以前に、とにかく本物だから迫力が違う。

レース場や観客などの背景はCGだが、横転したり炎上したりする車は本当にやったのを撮影している。微妙なボディの振動も見応え十分だし、前述のエグゾースト音やエンジン音なども当時の車の音に差し替えられている。もう、これだけでも大きなスクリーンと大音量で観る価値あり。

ドラマの土台が「人vs人」でなく「会社vs会社」なのが面白い!

凄いのは映像だけでない。自動車大国アメリカをけん引してきたフォード社は、誰にでも買える「大衆車」を作り続けて来たが、時代と共に世の中ではカッコいい車が注目されるようになり、1963年に「マスタング」と言うスポーツカーを発売するが、「フォード=大衆車」のイメージがあるから売れない。

そこで、当時、レース界で常勝している「大衆車」とは真逆の超高級車しか作らないフェラーリ社を買収しようとするが、フェラーリの社長・ エンツォ・フェラーリに「ダサい工場で、ダサい車を作っているな」と言われた上に、裏でイタリアの自動車会社フィアット社の買収劇に利用されて、交渉決裂で失敗する。

だったら、フォード社は自社開発の車で、24時間耐久レース「ル・マン」で勝利して、フォード車の復権を企むと言う、まあ熱い話なのだ。そして、本作の基礎が「人間vs人間」でなく「アメリカの自動車会社vsイタリアの自動車会社」と言うのも実に面白い。

「会社vs会社ドラマ」の上に「人間ドラマ」被せた"熱血根性"映画!

しかし、その「会社vs会社」のドラマの上に、見事に「人間ドラマ」を被せて、「熱血根性映画」にするのに登場するのが、かつてル・マンを征した唯一のアメリカ人レーサーだったカー・エンジニアのキャロル・シェルビーと、破天荒なイギリス人レーサー、ケン・マイルズ。

2人とも才能と実力はあるが孤高の人。そんな2人が、大企業で労働組合もガッチガチのフォード社と上手く行くはずが無い。

だから、最初は『フォードvsフェラーリ』なのに、中盤から『フォードvsシェルビーとケン・チーム』になって行く。もちろん『シェルビーvsケン』も並行して描かれるから、3つの対峙構造が同時進行しながら、「人間ドラマ」は家族や同僚や仲間たちを巻き込み一体化して行き、「会社vs会社」のドラマの部分は、佳境のル・マンの結末で「うぅっ」って感じになって…

「★5」にした理由は、ドラマの無駄を削ぎ落した潔さと濃厚さ!

90点と私にしては “超” がつく高採点にした理由は、先に書いた通り、「会社vs会社」のドラマの上に、見事に「人間ドラマ」を被せて、「熱血根性映画」の仕上げたドラマの構成。特に、レースカーの開発のように、余計な説明や解説を徹底的に無くして、映像だけで観客を「153分」飽きさせない演出力と俳優陣の演技力だ。

あとがき

1960年代に実際にあった、アメリカのフォードという自動車会社とイタリアのフェラーリという自動車会社の対決を描いた映画。「会社vs会社」の骨格の上に、2人の男の人生の「人間ドラマ」を被せて、見事な「熱血根性映画」に仕上がっています。迫力のレースシーンも車はほぼCG無しで、振動で揺れる車のボディは必見です。

でも、決してカーレース映画ではなく、あくまでも車やカーレースを通して描かれる熱血根性人間ドラマ。寒い冬に熱い映画、是非劇場で。

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