映画「ボヘミアン・ラプソディ(日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし

映画「ボヘミアン・ラプソディ(日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし
映画 『ボヘミアン・ラプソディ(日本語字幕版)』公式)を、劇場鑑賞。
採点は、★★★★(最高5つ星で、4つ)。100点満点なら85点にします。

【私の評価基準:映画用】
★★★★★  傑作! これを待っていた。Blu-rayで永久保存確定。
★★★★  秀作! 私が太鼓判を押せる作品。
★★★☆☆  まあまあ。お金を払って映画館で観ても悪くない。
★★☆☆☆  好き嫌いの分岐点。無理して映画館で観る必要なし。
☆☆☆☆  他の時間とお金の有意義な使い方を模索すべし。




ディレクター目線のざっくりストーリー

1970年のロンドン。ルックスや出生に劣等感を抱くフレディ・マーキュリー(ラミ・マレック)は、ボーカルが脱退したブライアン・メイ(グウィリム・リー)とロジャー・テイラー(ベン・ハーディ)のバンドに自分を売り込む。

類稀な歌声に心を奪われた2人は彼をバンドに迎え、更にジョン・ディーコン(ジョー・マッゼロ)も加わりバンド「クイーン」として活動する。やがて「キラー・クイーン」のヒットによってスターダムに駆け上がるが、フレディ本人はスキャンダル報道やメンバーとの衝突に苦しむ…

フレディの半生を描いた伝記ドラマで、極上ミュージックエンターテインメントだ!

『We Are the Champions(伝説のチャンピオン)』『We Will Rock You』などた数々の名曲で知られる伝説(と言っても、今もクィーン名義での断続的な活動は継続されている)のロックバンド『クィーン』のボーカリスト、フレディ・マーキュリーの半生を描いた伝記ドラマであり、極上のミュージック・エンターテインメントが、この映画『ボヘミアン・ラプソディ』。

「騙されたと思って、一度劇場で観て欲しい」の一言

「とにかく、騙されたと思って一度劇場で観て欲しい」の一言だけが、本作の感想と言って良い程の映画に仕上がっている。従って、クィーンの40年来のファンの私は、ネタバレ満載で既鑑賞者と共感したいのだら、ここは「観て欲しい」の部分を前面に押し出して、“(極力)ネタバレなし” で感想を書こうと思う。

ただ、「史実」が「ネタバレ」に当たるかどうか? との根本的な課題は残るが…

屈折と葛藤の壮絶で凄まじい生き様が強烈な説得力で訴える

本作で描かれるのは、フレディ・マーキュリーの半生の内の “4つの大きな出来事” についてだ。

  ●名も無き若者たちがバンド『クィーン』を結成するまでの誕生秘話
  ●常識に捉われず斬新な曲作りで大ヒットを連発して行く成功秘話
  ●バンドや私生活で押し寄せる孤独やプレッシャーからのバンド解散秘話
  ●解散の危機を乗り越え、人生最大のライブへの挑戦秘話

敢えて「秘話」と書いたが、ファンなら誰もが知っているエピソードでもある。

しかし、本作はこれら “4つの大きな出来事” で、圧倒的な歌唱力と個性で世界中を虜にした唯一無二のスターであるフレディが、ルックスや出生に劣等感を抱きつつ、バイセクシャルと言うセクシャルマイノリティーを受けいれて行く過程など、屈折と葛藤続きの壮絶で凄まじい生き様が強烈な説得力で描かれる。

配役の巧みさ、演技指導力、演技力を堪能するだけも価値アリ!

その強烈な説得力の要因は、フレディ・マーキュリーを完全再現し、ラストの21分間のライブシーンではフレディが降臨したようにしか見えない素晴らしい演技を魅せた ラミ・マレックを始めとしてクィーンの4人のメンバーの見た目の再現性の高さを抜きに語ることは出来ない。

ルックスの類似性だけでなく、各メンバーの行動や演奏中の癖なども私が知る限るでは、かなり正確に再現されており、長年のファンなら、配役の巧みさと演技指導能力、そして俳優たちの演技力を堪能するだけも見る価値があると思う。

意図的な事実の違いはあるが、簡明なエンターテインメントの醍醐味だ

映画としては、華やかな成功の裏に潜む意外な事実を描きつつ、なぜフレディがカリスマ的レジェンドになったのかが、分かり易く描かれる。だから、クィーンやフレディをあまり知らない人でも楽しめる仕様になっている。

ここは往年のファンなら意見が分かれるかも知れないが、分かり易く且つドラマチックに仕立てるために、一部の事実の時系列が正しくないし、事実が抹消されているのだ。しかし、私は敢えてそこには目をつぶった。

やはり、本作はエンターテインメントだ。史実を羅列するだけでは成立しない。それが創造性でありエンターテインメントの醍醐味だから。それに、恐らく意図して事実とは変えて描いていると思う。そして、恐らくそれが大成功したからこそ、世界的な大ヒットになっているのだと信じる…

予習して劇場に行けば、感動が倍増するのは間違いない!

ただ、史実は知らなくても、クィーンやフレディ、楽曲の(特に)歌詞に秘められた情報は知っておく方が楽しめるのは確かだ。特に歌に関しては、字幕表示される歌詞でなく、その裏に隠れているもう1つの意味を知って観ると、感動の度合いが倍増するのは間違いない。

そこで、先日TBSラジオで聴いた映画評論家・町山智浩氏の『ボヘミアン・ラプソディ』公開直前のクイーン予習特集が、とても勉強になったのだが、既にradikoでも聴けないし…と思ったら、書き起こしブログを見つけたので、そのリンクを貼っておこうと思う。

   町山智浩 クイーンとフレディ・マーキュリーの生涯を語る(miyearnZZ Labo)
   https://miyearnzzlabo.com/archives/52995

これを読んで予習をして劇場に足を運べば、例えば、1985年の『Live Aid』で歌われる『We Are the Champions』をフレディがどんな思いで歌い上げたのか、ひしひしと伝わって来るはずだ。

あとがき

ドキュメンタリー映画でなく、俳優が演じる伝説のロックバンド『クィーン』のボーカリスト、フレディ・マーキュリーの半生を描いた伝記ドラマであり、ミュージック・エンターテインメントです。

彼らを知らなくても十分に楽しめる仕様に仕上がっていますが、予習をして行けば感動倍増は間違いなしです。『Live Aid』での21分間のパフォーマンスの完全再現は、当時テレビ中継をかじりついて観た私でも、超感動モノでした。

ただ、1つだけネタバレを。これは観終わってから知っても、気付かない人は気付かないと思うので、下記の部分だけ反転表示にして書いておきます。読む読まないは、ご自由に。

↓↓↓この下が反転↓↓↓
映画本編が始まる前の『20th CENTURY FOX』のロゴが出る場面でのファンファーレ部分が、クィーンのギタリスト、ブライアン・メイによるギター・オーケストレーションになっています。なお、サントラ版の1曲目に収録されています。
↑↑↑この上が反転↑↑↑

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映画「ウインド・リバー(日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし

映画「ウインド・リバー(日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし
映画 『ウインド・リバー(日本語字幕版)』公式)を、劇場鑑賞。
採点は、★★★★☆☆(最高5つ星で、4つ)。100点満点なら80点にします。

【私の評価基準:映画用】
★★★★★  傑作! これを待っていた。Blu-rayで永久保存確定。
★★★★  秀作! 私が太鼓判を押せる作品。
★★★☆☆  まあまあ。お金を払って映画館で観ても悪くない。
★★☆☆☆  好き嫌いの分岐点。無理して映画館で観る必要なし。
☆☆☆☆  他の時間とお金の有意義な使い方を模索すべし。




ディレクター目線のざっくりストーリー

ネイティブアメリカン(先住民族)が追いやられたアメリカ・ワイオミング州の深い雪で囲まれた土地「ウィンド・リバー」で、女性の遺体が発見された。FBIの新人女性捜査官ジェーン・バナーが現地に派遣され 1人で捜査を開始するが、雪山の厳しい環境や不安定な気候で捜査は難航する。

そこで、遺体の第一発見者である地元のベテランハンターであるコリー・ランバートに協力を依頼し、2人は事件の真相に迫っていく…

女性にとって "生き地獄" のような土地で、男たちは…

The True Story Behind 'Wind River' Is This Hidden Injustice Against Native American Women
https://www.bustle.com/p/the-true-story-behind-wind-river-is-this-hidden-injustice-against-native-american-women-75304

ニューヨークタイムズの記事↑によれば、本作の舞台になったウィンド・リバー先住民居留地では、 ネイティブアメリカンの女性は、全米平均の4倍の割合でレイプされ、性的暴行を受けており、彼女たちは他のアメリカ人よりも殺される可能性が10倍も高い。また、住民の平均寿命は49歳で、失業率は80%。おまけにアメリカの地下核実験場でもある。

正に、女性にとって “生き地獄” のような土地で、男たちはどうしているか。男たちは深い雪に囲まれて仕事も金も夢も希望もない日々で、酒と薬物と銃に依存して生きている。そして、やり場のないウサを晴らすかのように男たちが女性をレイプし性的暴行を行うから、女性たちは常に怯えて生活し、娘が殺された親は、亡き娘の復讐も出来ずに、ただ涙する…。

アメリカの複雑な警察捜査事情が、事件の真相を闇に…

そんな町の雪の上で、1人のネイティブアメリカンの女性の遺体が見つかる。息をしただけで肺が凍結して死に至る極寒の地で、彼女は追っ手から逃げるために6マイル(約10km)を裸足で逃げて来た。

事件を解決するためにFBIの新人女性捜査官が派遣されるが、町には保安官は6人しかおらず、レイプ犯を男性たちを束ねて捜査しなくてはならないと言うのがポイントだ。女性が女性の敵をやっつけると言う分かり易い構図。でも、そう簡単に行くはずはない。

その上、先住民居留地は、応連邦政府の土地だから事件が発生するとFBIが出て来て捜査する。先に登場した保安官と言うのは警察官ではなく地元から選出される有名人みたいな立場。

で、先述の通り息をしただけで肺が凍結して死に至る極寒の地だから、今回の遺体も「自然死」って検死されちゃうとFBIは事件じゃないから手を引かざるを得ない。そんな中で慣れない極寒の地で思うように捜査を指揮できない捜査官が、地元のベテラン猟師の手を借りることにする。ここから物語が動き出す。

本作は、自分で自分の身を守るしかない "現代の西部劇"

あまり詳細に書くとネタバレになるから気をつけて書くと、要は本作は『現代の西部劇』だ。アメリカの開拓時代の無政府、無秩序の場所で、もちろん警察もないから、保安官と町のワルたちと荒野のガンマンが銃と暴力で事を解決するってのが王道の西部劇。

それを現代に置き換えて描いたのが本作。従って、問題解決の方法については今の思考回路だとハテナマークが出る訳だが、自分で自分の身を守るしかない、守ることが出来ずに死んでいくの2択しかない土地での出来事だから、しっかりと説得力があるのだ。

あとがき

社会から隔離された先住民居留地では、警察が来るのも病院に行くのも相当の時間を要し、防寒対策をしないと息を吸うだけで肺が凍り死んでしまう。そんな現代と隔離された極限状態の中で、人は倫理観を保てるのか。先住民族たちのアイデンティティは守られるのか。そして、アメリカの銃社会はどうなっていくのか。ネイティブアメリカンの “村社会”の闇から、アメリカの抱える本当の闇が見えて来る秀作です。

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★本家の記事のURL →  http://director.blog.shinobi.jp/Entry/11656/


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