ひよっこ (第23回・4/28) 感想

連続テレビ小説「ひよっこ」

NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』公式
第4週『旅立ちのとき』『第23回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


みね子(有村架純)が奥茨城で過ごす最後の夜。ちよ子(宮原和)と進(高橋來)に、離れて暮らすことになるけど一緒に頑張ろうと言い聞かせる。美代子(木村佳乃)は、すずふり亭のマッチと手作りの赤いコートをみね子に手渡す。明日東京へ行く時に着ていくと喜ぶみね子。今夜だけはと、美代子と同じ布団で眠りにつく。そして、旅立ちの朝。みね子と時子(佐久間由衣)、三男(泉澤祐希)の家族がバス停まで見送りに来て…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

ファーストカットだけで、涙が溢れる予感が漂う…

「みね子が奥茨城で過ごす最後の夜です」

ホント、いいね。黒崎博氏の情景カットは。オープニング映像のラストカットの夕景の次に、ポンとカットチェンジで夜の明かりの点いた谷田部家の全景。そこに増田明美さんの優しい声でナレーション。もうこれだけで涙が溢れる予感が漂う。だって、谷田部家を画面の上半分に映すのは、不安定を感じさせる構図だから…

みね子とちよ子と進の絆…

谷田部家の三姉弟の別れのシーン。みね子(有村架純)の自転車を引き継いだちよ子(宮原和)がまた少しお姉さんに成長した姿と、まだまだ子どもの進(高橋來)、そして何より谷田部家の長女として成長したみね子の妹と弟への励ましと母と祖父を頼むと言う気持ちが、痛いほどに伝わっていた。

「うん!さっ、ほら、もう寝っと」

手持ちカメラで、手前にみね子の背中を置いて、奥にちよ子と進の構図も良かった。普通、あんなど真ん中にヒロインの後頭部を入れるなんてやらないのだが、敢えてやったことで、みね子のちらりと見える背中と妹弟の切ない表情が、画面一杯に収まり、三姉弟の気持ちが1つになったことを表現したって訳だ。

みね子と美代子の絆…

「幸運のお守りになってくれるよ、きっと」

美代子が↑こう言って、夫・実(沢村一樹)との今の時点での唯一の繋がった糸である、すずふり亭のマッチを手渡す美代子(木村佳乃)の気持ち。そして、手作りの赤いコートをみね子に手渡す美代子の気持ち。うーん、何とも言えない…

そして、寝付けないみね子が美代子の布団に入って、川の字のように寝る。まるで赤ちゃんをあやすように美代子がみね子の頭を優しく撫でる。笑顔のみね子が涙目の美代子の胸に顔をうずめた時の、チラッと見えるみね子の安心した顔が印象的。いつまでも続けば良いのに。でも、明かない夜はない…

みね子と茂の絆…

夜が明けた。自分が生まれ育って見慣れた風景を見渡すみね子。大好きな谷田部家の田んぼの土を触るみね子。ハイビスカス柄の綿入り半纏が風景とミスマッチで可愛らしい。ここまで6分。しんみりとしたシーンの連続を、進のおねしょが止めるってエピソードも面白い。それも、以前に登場したおねしょの地図の話の続きで…

「ハハハ!茨城の地図から関東の地図って、あんたちょっと偉ぐなったんでねえの?」

進がおねしょした跡が関東地方の地図って(笑)。みね子がおねしょを指さすのも楽しいが、おねしょの形で弟を褒めるって、何とも微笑ましいではないか。谷田部家の平和な朝って感じで…。ずっとコツコツと働いてきた茂(古谷一行)の1万円に込めた気持ちを考えると親子三代1つ屋根の下に住んでる家族っていいなって…

三男ときよの気持ち…

今度は角谷家の朝。母・きよ(柴田理恵)の炊いた白い飯を美味しそうに次々と掻き込むようにして食べるカットの編集もちょっと凝ってて面白い。

「これで、最後だ」

木のお櫃に残った最後のご飯をよそるきよ。一粒一粒を噛み締めるように笑顔で食べる三男(泉澤祐希)。そんな三男を無言で見る父・征雄(朝倉伸二)と兄・太郎(尾上寛之)の気持ち。どこか遠くを見るようなきよの気持ち。活気ある角谷家だからこその朝の静寂。心に沁みわたる…

時子と君子の決心…

今度は助川家。いつも通りの君子(羽田美智子)のかかあ天下で始まった。時子の父・正二(遠山俊也)と兄・豊作(渋谷謙人)の態度もいつも通り。

「やると決めたからには、絶対日本一の女優になんなさい!」

でも、ついに君子が時子(佐久間由衣)の夢を応援した。時子の笑顔も忘れられない。

そして、谷田部家の絆…

今度は、谷田部家の朝食風景。東京行きには中学生がいるから高校生はビシッとしないとと言うみね子の言葉に「大きくなったね」と褒める美代子だが、その裏には駅まで最後まで見送りたいと言う母の気持ちがあったに違いない。

そして、やはり寂しいのか、食が進まないちよ子と進。おかずをお姉ちゃんに差し出す2人が子供らしく可愛いシーン。そんな三姉弟のやり取りを、薄っすらと涙を浮かべた美代子が見る場面も、谷田部家らしいシーンだ。

バス停に向かう4人と茂の構図と編集の妙…

母ちゃんに貰った赤いコートを羽織ったみね子。そのみね子と仲良く手をつなぐちよ子と進。3人の後ろを荷物を持って歩く美代子。そんな4人の歩く後ろ姿を高台の上から俯瞰気味に引いたカット。「ひょっこりひょうたん島」の歌声も聞こえてくる。

そして、上手(画面右)から茂がフレーム・イン。この位置は、安心や慈しみを表す。みね子のバスト・ショット(胸から上)を挟んで、今度は茂がど真ん中のフルショット(全身)。ここで、みね子と茂のアップが入らないのが見事な演出。アップが入るとまだまだ2人の感情のやり取りが続くことを表してしまう。

放送時間は、この時点で残り2分10秒程度。だとすれば、むやみに祖父と孫の別れを引きずるのは得策でない。こう言う編集の技も感動に繋がるのだ。

バスが加速するアクセルの音が印象的…

そして、場面はバス停。既にバスは来ていて待っているのがいいところ。「迎車」みたいなスペシャル感が、如何にも田舎らしいし、車掌の次郎(松尾諭)らの気持ちの優しさまで伝わってくる。

見送る3つの家族。三者三様の別れのカタチ。ちよ子と進だけが、全速力でバスの後ろを追い掛ける。でも、赤、白、青の3つの背中越しのちよ子と進の姿も、やがて見えなくなる。

そして、また1つ成長したみね子のアップに、バスが加速するアクセルの音が被って来る。運転手の粋な計らいだったと言う訳だ。ホント、いい人ばかりの虚構の世界、なのに凄く現実味があって1カット1台詞のすべてが心に沁み込んでいく。素晴らしい奥茨城での最後の夜と旅立ちの朝を描いた15分間だった。

あとがき

もう何も言うことはありません。メリハリがあって、笑いあり感動ありの15分間でした。そして、ふと考えてみると明日で1か月。今のところ、完成度は高いし、演出家が交代しても見劣りはしない。これ、最近の朝ドラではスゴイことです。どうか、この品質のまま続いて欲しいです。

前回の感想に、173回ものWeb拍手と数々のコメントを頂き、ありがとうございました。今回は、少し演出や編集について書きました。今度、そう言う「映像の掟」みたいなことをまとめた記事を書こうと思います。引き続き、本作を応援していきましょう。

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ひよっこ (第22回・4/27) 感想

連続テレビ小説「ひよっこ」

NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』公式
第4週『旅立ちのとき』『第22回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


みね子(有村架純)・時子(佐久間由衣)・三男(泉澤祐希)の、高校卒業の日。みね子は、この日のためにしまっておいた、実(沢村一樹)にもらった靴を履いて出かける。高校生活最後の日をしっかり心に刻むため、泣かないと決めて卒業式に出るが…。一方、みね子を送り出した美代子(木村佳乃)はこんな朝の風景も最後だと思うと感慨深い。しんみり畑仕事をしていると、君子(羽田美智子)ときよ(柴田理恵)が訪ねてくる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

ファーストカットから直球勝負の演出は、気持ちがいい

今日の感想文は長ぇよ(苦笑)

来たね。何が?本編のファーストカットが、どかーんと引いた谷田部家の全景と枯れ木と緑が少し混じった長閑な田舎の風景が。家の裏手から上る煙がいい感じ。そして、語りで「遅い春」を、テロップで「1965/昭和40年3月15日」と、誰もが一目で今日が「卒業式」のお話だと分かる演出。直球勝負の演出は気持ちがいい。

"靴をおろす" と言うこと…

谷田部家の卒業の朝。みね子(有村架純)は、この日のためにしまっておいた、実(沢村一樹)にもらった靴を履いて出かけるが、昭和の時代はみ~んな「○○の日」みたいな時に “靴をおろす” ってことをやっていた。もちろん私もだ。迷信でも伝説でもなく、キリッとした気分になれた。実は、今でも靴をおろす日は緊張する…

みね子の優しさを、さりげなく表現したいいシーン

本題に戻ろう。まず、母と高校最後の「行って来る」「行ってらっしゃい。気ぃつけてな」で、ちょっぴり寂しい美代子(木村佳乃)の気持ちを。続いてちよ子(宮原和)と進(高橋來)とは、自転車の後継ぎ問題をコミカルに。茂(古谷一行)は、そんな家族のやり取りを遠目に優しく見守る。日本の原風景の一コマだ。

みね子「今日までありがとう。あんたのお蔭で
    毎日の通学が本当に楽しかったよ。エヘヘ」

愛車(自転車)に、感謝の気持ちを声に出して伝えるみね子。ポンポンとハンドルを叩くみね子が印象的だ。もの言えぬモノへの感謝。使わなくなった携帯電話をなぜか手放せない現代の気持ちにも通ずるような。みね子の優しさをさりげなく表現したいいシーンだ。

助川家の卒業式の朝…

今度は、助川家の卒業式の朝。前回の牛小屋での娘とみね子の会話を聞いたからからだろうかと思わせるような感じで、妙に過保護に時子(佐久間由衣)に接する君子(羽田美智子)がかわいい。兄の豊作(渋谷謙人)も時子を認めた感じ。そして、父・正二(遠山俊也)はいつも通り。笑えるね。

角谷家の卒業式の朝…

続いて、角谷家の卒業式の朝。谷田部家、助川家の繰り返しと思いきや、三男(泉澤祐希)以外の家族は淡々といつも通りの農家の生活。そんな角谷家の平和な朝に、三男の感謝の気持ちが響き渡る…

三男「今日までありがとうございました。行って来ます」

家族に深々とお辞儀をする三男の真面目さ。そんな息子の成長に驚いたのか、母・きよ(柴田理恵)が木の上から落ちる。柴田理恵さんのあの見開いた目は流石の一言。偶然だろうが、角谷家のシーンだけ小雪が舞っていたのも、三男の家だけがみね子と時子と離れているのを視覚に訴えた。良作は天気も味方にするって訳だ。

通学に使うバスの卒業式の朝…

続いては、通学に使うバスの卒業式の朝。「泣く」「泣かない」のやり取りも可愛くて良いのだが、ここでもう一度 “おろしたばかりの靴” で笑わせてれる。

みね子「三男。今日の私どっか違うでしょ?いつもと。
    分がる?」
三 男「分がんね」
時 子「ダメだね、茨城の男は」
みね子「んだね」
三 男「え…?」
みね子「靴が違うでしょ?靴がぁ!」
三 男「おう。そうか?」
みね子「ダメだ」
時 子「ダメだね」
次 郎「あ~あ。
    奥茨城名物の三バガ高校生乗せんのも今日が最後がぁ」
みね子「ちょっと~。三バガって何よ、次郎さん!」
時 子「そうだよ。一バガでしょ」
三 男「誰だ、一って。あっ、みね子か?」
みね子「あ?何で私なのよ!」
三 男「俺ではねえよ」
みね子「三男でしょ」

このやり取りの中で、家族でない車掌の次郎(松尾諭)の3人への気持ちも描くなんてのも実にいい感じ。

卒業式そのものを描かずに、卒業・旅立ちを描く

そして、このやり取りの終盤に「仰げば尊し」の合唱が静かに音先行して、みね子のモノローグへ、そして農作業中の美代子と茂と繋げて、歌声がカットアウトして、高校の正門の全景カット。音は閉会の辞と拍手。

3人の卒業式そのものを描かずに終わるかと思いきや、ここでも意表をついた展開。「仰げば尊し」を鼻歌で歌う美代子の許へ、君子も歌いながら「つまんないがら来た」とやって来る。更にきよも鼻歌まじりで「何か来ちまった」と合流。

「うれしいよぉ」の美代子の言葉で、子どもたちの成長を喜びつつも、少し寂しい母の気持ちが見えたいいシーンだ。

きよの三男を育てた思いに、涙が溢れた…

三バガ高校生の母親が集まって、絵に書いたような井戸端会議。そのシーンでの、きよの↓の台詞に涙が溢れた…

き よ「私、あんたらみてえに優しい母親でねえがら…
    三男もいっつも「さっさど働げ」としか言わねえ
    母ちゃんのこと、そんなに好きでねえだろうし。
美代子「何でぇ?そんなこどねえよ」
君子「うん、ねえよ」
き よ「あるって。
    だって…、そう思われようとしてきたがら…
    嫌われるぐれえの方がいいんだって…
    そう思ってきだがら…
    あいつは生まれたとぎから体弱くてよ。
    でも三男坊だし、
    いつか、うち出ていがなくちゃなんねえがら…
    甘ったれだとそんなこど出来なくなっからよ。
    だから… 何つうか…。突き放してよ。
    あ~こんなうち出てって清々したって、
    そう思うぐれえの方がいいんだって。
    だから私、文句ばっかし言って…
    おめえはここ出てぐ奴なんだってって…
    そんなことばっかし言ってよ…
    優しくしてやんながった…。優しく…
    だから、あいつは母ちゃんのこど嫌えなんだ」

そして、美代子の「みんな大きくなっちまったなあ」の言葉に、泣きじゃくる3人の母の気持ち。もう、これ以上の補足は要らないだろう…

卒業と成長も描いたことで、益々共感しやすくなった

卒業式でやはり泣いてしまったみね子と時子と三男の場面に、3人の回想を挟んで来た。これ、スゴイ構成だ。卒業式1日を単純に描くのでなく、3人の旅立ちを描きつつ、それを送り出す3つの家族、特に母の気持ちを丁寧に描いた。また、回想を挿入したことで、3人の成長までも描いた。これで益々感情移入しやすくなった。

今回が初見の視聴者も、全容が分かる見事な仕上がり

また、極端な話、今回の15分間が初見の視聴者でも、3つの家族の違いや、3人とそれを取り巻く人物の設定、現状とその先まで凡そ想像がつく仕上がりになってる。毎日観ても笑いあり感動あり、初めて見ても世界観が伝わる作風。また書いて恐縮だが、やはり “名作の予感” と言わざるを得ない。

あとがき

脚本的には、少々、みね子のモノローグが多いのが気になりましたが、消息不明の父への気持ちと言う部分があるので、物語に溶け込んでいるので違和感はなく馴染んでました。やはり、良い作品は良い所が素晴らしいのです。それを改めて感じた15分間でした。

前回の感想に、174回ものWeb拍手と数々のコメントを頂き、ありがとうございました。それにしても、台詞を1つずつ拾うと、最近の朝ドラとは台詞の重みが違いますね。引き続き、本作を応援していきましょう。

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