カーネーション:再放送 (第19,20回・2018/4/25) 感想

連続テレビ小説「カーネーション」

NHK総合・連続テレビ小説『カーネーション』公式
第4週『誇り』 『第19,20回』の感想。


 私は本作を未見なので、ネタバレ等のコメントは無視します。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


【第19回】
桝谷パッチ店をやめさせられた糸子(尾野真千子)。落胆している糸子に、善作(小林薫)は「早く次の働き口を探せ」と言う。しかし仕事はなかなか見つからない。ある日、岸和田に洋服を着た美しい女性が現れた。根岸良子(財前直見)というミシンの販売員で、東京のメーカーから派遣されて営業に来たのだ。根岸は、木之元電キ店の店先で実演販売をすることに。糸子は、根岸の美貌や、掲げる洋服を目を輝かせて見つめる。

【第20回】
糸子(尾野真千子)は根岸(財前直見)に洋裁を教わりたいと頼み込む。根岸が心斎橋に開いたミシン教室に喜んで向かうが、その内容は簡単すぎた。本格的に学びたい糸子だが、そこまでは無理だと断られる。帰り道で出会った貞子(十朱幸代)は、ミシンを買ってやると言うが、善作(小林薫)が許さないと糸子は断る。その時、人気歌舞伎役者の中村春太郎(小泉孝太郎)を見かける。女たらしの春太郎の連れは、糸子がよく知る娘で…。
---上記のあらすじは[NHK番組表]より引用---

【第19回】先週を振り返るアバンが無かった理由…

通常放送ならば、第4週目の月曜日だ。比較する必要など無意味なことは重々承知だが、現放送中の『半分、青い。』とほぼ並んできたと言う時期だ。そして本作。前回のラストで突然に幸吉から「桝谷パッチ店を止めてくれ」と言われ、それなりに順風満帆かと思われた “糸子のだんじり” に急ブレーキが掛った。

それなのに、月曜日に当たる第19回の冒頭で、先週の振り返りのアバンタイトルが無い。そのことに、とても衝撃を受けた。そして、いつもの通りにオープニング映像が始まると、画面に『第4週「誇り」第19回』のテロップ。そうか! 作り手は、第4週は糸子の “挫折” や “苦悩” を描くのでなく、“誇り” を描くと言う宣言をしているのだ。

大将が解雇する理由を告げるシーンの演出が秀逸!

さて、本編。辞めさせられる理由も聞かずに、慌てふためく糸子の姿は夏の夕暮れの中。ヒグラシの鳴き声が、窓の外から切なく入って来る。幸吉が優しいトーンで「不況」を口にする。肩で息をする糸子。唇を噛む幸吉の女房さよ。糸子に一筋の涙が零れ落ちる。揺れる木々。仕舞い支度をする糸子。悔し泣きのさよ。それを静かに見守る黒いミシン…

糸子がドアを閉める音が切なく響く。そのドアが古いせいか、一度閉めたのに、ちょっとだけ浮いた感じになるのが、これまた切ない…

まず、カットとモノローグがピタリと合っているシーン

場面は小原家に移るが、ここでも前のパッチ屋の劇伴をずり下げて、糸子の踏ん切りがつかない複雑な気持ちを演出。更に、その事情がどうしようもないことであることを、風鈴の小さな音で表現。そして、まず軒下の風鈴が見える4人入れ込みのショットで家族愛を描いて、その後のカットで、4人家族でも実は考えは「2:2」であることを描く。

次は、カットと台詞と劇伴でしっかり見せるシーン

カットとモノローグがピタリと合っているのだが、これを続けてはワンパターン。そこで、今度は善作が糸子を働かせた理由を打ち明けるくだりは、モノローグは無しで、台詞で2人の思いをきっちり描く。善作の言葉に納得せざるを得なくなった糸子の芝居から、別の劇伴が流れる。ストリングスを使った少し重厚で何かが迫るような予感の音色…

劇伴はそのままで、仕事を探し始める糸子。一通り断られたところで劇伴が止まる。すると、履物屋の店先で将棋を指して遊んでいる善作が糸子の目に入る。父親に文句の一つでも言うかと思いきや、母の千代が糸子を呼び止める。うん、これでちょうど7分だが、脚本と演出がピタリと合っているから、とてもテンポが良くて気持ちがいい。

新聞を巧みに使って描いた、人間が一歩ずつ前進すること

で、このまま次の仕事の話に移るかと思ったが、意外にもパッチ屋の山口が登場。糸子の2年先輩なのに、ミシンの腕は糸子が勝ったあの山口さんだ。大将が女の糸子の方が辞めさせ易かったと打ち明けに来た。そう言えば、クビ宣告された時も、山口が「女だから」と言った時も、パッチ屋で働く以前の糸子なら、とっくにキレてたはず。

しかし、今の糸子はキレない。不況と言う現実を真正面に捉えて、妹弟ら家族のために働くことを第一に考えてる。決して台詞でも語りでも言ってはいないが、働いた2年間で糸子が精神的に成長したことを表しているのだろう。糸子が今まで読んだことのない新聞を読んでいるシーンもその1つだろう。

しかし、不況の厳しさを「不況の字は 36個もありました」と表現したり、犬の遠吠えに合わせるかのように、新聞を読むのを止めちゃう辺りの描写は、幼少期からのやんちゃな性格をのぞかせてくれて、ホッとした。成長した部分もあり、変わらぬ部分もある、それが人間が一歩ずつ前に進むってことだと言うことだと思う…

財前直見さんのアップで、土曜日を終えても良かったのに

比べちゃいかんのは重々承知と書いたばかりで恐縮だが、パッチ屋の大将に続いて糸子の運命を変えそうな登場人物が、終盤で登場した。月曜日の終盤ってことだ。やる気になれば、財前直見さんのアップで土曜日を終えても良かったのに。それをせずに、きちんと辞めるくだりを描いた上で月曜から新展開。やはり『半分』とは違うのだ。

終盤に1カットだけの糸子のスローモーションが超印象的!

そして、脚本も演出も財前直見さん自身のキャラと演じるミシンの販売員・根岸良子のキャラに合わせて、コミカルに。下駄で下駄の足を踏みつけるなんて、本当に滑稽だ。小林薫さんも甲本雅裕さんもイキイキと芝居をしていて笑っちゃう。13分前には散々泣かせて、今度は笑い。

その上、良子が手際よくミシンを扱う音と映像は通常速度で、ミシンの音と良子の手裁きに吸い込まれるように近づく糸子のカットは、ちょっとだけスローモーションが1カット。その印象的なカットから、威勢の良い劇伴がスタート。糸子の心のどこかが動き出したってことを表しているに違いない。

キラリと輝く糸子の瞳だけにピントを合わせたラストカットもお見事!

【第20回】根岸の役回りの設定が巧みだ!

ホント、構成が巧みだ。と言いつつも、私の単なる妄想ゆえの感想なのだが。第19回の感想で根岸のことを “パッチ屋の大将に続いて糸子の運命を変えそうな登場人物” と書いたのに、現実(劇中)では意外や意外、大期待で訪れたミシン教室の内容が糸子には簡単過ぎて、それ以上を教えてくれと願い出ると断られるんだから。

祖母のハルと根岸の今後の関係にも注目したい…

今回の序盤で、根岸のことを良く思っていない糸子の祖母・ハルが描かれたが、これまでの今作であれば、ハルと根岸の心が通い合うエピソードがあるに違いない。そう言う人間関係の回収をしっかりやるのが本作だから。その辺がどうなるのかも楽しみだ。
※ネタバレ、情報補完はご遠慮下さい。

糸子が奈津を放っておくはずないもんな…

で。ほぉ、小泉孝太郎さんは、人気歌舞伎役者の中村春太郎と言う役なのか。それも、女たらし! そして、春太郎のお相手がなんと奈津ってか! 高級パーラーのウエイトレスたちが現代のメイド喫茶みたいだったのも、ちょっとおかしかった。正義漢な女・糸子だから奈津を放っておくはずないだろうが…

あとがき

根岸と言うミシン販売員を通して、春太郎の服装を含めて、時代が益々「洋服の時代」になっていることと、そんな状況に置いてきぼりになりたくないし、自分はもっと出来ると言う自身もあるし…の糸子が空回りしている様が丁寧に且つコミカルに描かれた2回分でした。これがどうやって『誇り』に繋がるのか、第4週も面白そう…

最後に。前回の感想に、99回もの Web拍手と数々のコメントを頂き、ありがとうございます。しかし、無駄な登場人物がいませんね。そして、脇役の主人公との絡め方もよーく考えられています。確かに、名作の予感ですね。

ご本人は気付かずに(だと思いますが、結果的に)ネタバレをコメントに書いている人が、多くて困っています。ホント、ネタバレは止めて下さい! 私以外にも、今回が初見で番組と感想を楽しみにしている読者さんがおられるので。引き続き、ご協力お願いいたします。
※しばらくの間、テンプレです(謝)

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半分、青い。 (第21回・4/25) 感想

連続テレビ小説「半分、青い。」

NHK総合・連続テレビ小説『半分、青い。』公式
第4週『夢見たい!』 『第21回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


夏休みも終わり、就職活動を始めた鈴愛(永野芽郁)。地元企業の試験を受けるも一向に決まらない。家族も心配するが、最後に残された農協から奇跡的に内定をもらうことができた。同級生たちも祝福してくれるが、聞いてみると皆、夢や目標をもって進路を決めたと言う。特にやりたいことのない鈴愛は少し取り残された気持ちになるが、そんな鈴愛に律(佐藤健)は、漫画を描いてみることを提案。鈴愛は一心不乱に漫画を描き始める。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

警戒していたのは、こっちなのだが…

N「鈴愛は警戒していました」

もう、警戒していたのはこっちである。漫画家と出会うまで、小林君とテーマパークみたいに、またおかしなことをやらかしやしないかって。そしたら、アバンタイトルのこのナレーションだから困ったものだ。このナレーション1つで、またこれまで描いたことがおかしく思えてしまうではないか?

事前に警戒するって事は、"鈴愛なりの生活術" はずでしょ?

だって、鈴愛が警戒していたと言うことは、これまでの経験によって学習し対応をしたと言う意味であり、小学校三年生の頃から10年近くも片耳失聴してきた中で生まれた “鈴愛なりの生活術” があってもおかしくないと言うことを意味してしまうのだ。

だから、先日の小林君とのデートの待ち合わせの際にも「警戒」し、 “鈴愛なりの生活術” で対応しなかったのは、やはり不自然ってこと。このナレーションが無ければ、ほじくり返すこともしなかったのに…

本作の世界は、差別や蔑視が無い世界じゃないの?

不自然と言えば、平成30年の今であれば障害を理由に面接が通らないなんて(一応)あからさまにしない企業が多いだろうが、バブル崩壊当時なら普通じゃないだろうか。さぞ、企業が鈴愛を差別しているような描写になっていたが、一応本作に於いては、周囲の人たちは差別、蔑視はしていない設定なのだから…

ここはあの面接企業も設定を合わせるべきだったように思う。結局、面接企業を(本作上で)不自然な会社にしたことで、特段に就職試験の準備もしなかった鈴愛が合格しない方ことまで不自然になってしまった。合格しない方が自然なのに。要は、「警戒」のたった一言で益々チグハグさが増したってことだ。

晴は、二階で鈴愛の右側から伝えた方が良かったのでは?

合格の知らせの電話が来た。母の晴が電話を取り次いだ訳だが、あの時、晴は階下から鈴愛に大声で声をかけた。弟から「耳がわんわんする」と聞いた直後にだ。ここは、母の優しさを描く意味でも、晴はきちんと二階に上がって、鈴愛の右側から伝えた方が良かったのでは? それが、母の優しさじゃないのか。やはり、脚本と演出がチグハグなのだ。

あとがき

まさか、『まれ』みたいに、一度就職してすぐに辞めて上京しないよね。まさか、『ひよっこ』みたいに、また上京した下宿先や職場に個性的で愉快な人がいて賑やかな毎日…になんてならないよね。ねっ? 今回の終盤に登場した豊川悦司さんらを見て、背筋が寒くなったのは私だけ?

また、前回の感想に、45回のWeb拍手や数々のコメントを頂き、ありがとうございます。豊川悦司さん演じるカリスマ漫画家、週末でなく今回登場しましたね。今回の冒頭のナレも「鈴愛は警戒しているのでしょうか?」だったら違和感なかったのにね。

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