とと姉ちゃん (第68回・6/21) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(公式)
第12週『常子、花山伊佐次と出会う』『第68回』の感想。
なお、本作のモチーフで、大橋鎭子著『「暮しの手帖」とわたし』は既読。
夫が満州に行くと伝える綾(阿部純子)の手紙。常子(高畑充希)の不安が募る中、暗い雰囲気を払拭しようと、隈井(片岡鶴太郎)は近所の子どもを集めて木っ端で玩具を作る。笑わせるのが好きという隈井に触発され、常子は雑誌で「笑い」を提供する特集が作れないかと提案する。そんな折、常子は内務省で働くある男から挿入画をもらってくるよう頼まれる。その男の名は、花山伊佐次(唐沢寿明)。緊張の面持ちで向かう常子だが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
今回も絶望感しか漂わない、39秒のアバンタイトル
うーん、あまりの脚本の酷さに流石の演出家もやる気を喪失したかのような、昨夜の千葉県の梅雨でアマゾンのような蒸し暑さとは裏腹に、アッサリ風味のアバンタイトル。まず、清々しい朝に全く相応しく無い寄生癖の君子(木村多江)が、全く老婆と病身に見えない滝子(大地真央)を看ているシーン。まず、これでどんより…
そして、前のシーンと何の関連性もない常子(高畑充希)が出かけるシーン。「長期化する戦争に深川全体が重苦しい空気に包まれれていました」の語りの割に、数軒の空き家の玄関が材木で封印さえてるだけだし、深川らしさは微塵も感じられない。朝だと言うのに人っ子一人歩いてもいない。
そして、「ここ最近は益々」と言う意味が込められての「重苦しい空気に包まれていました」のはずなのに、常子のギョロ目は「今日はいつもと違う」風の演技。なんか、今回も絶望感しか漂わないような、僅か39秒の滑り出しだ。
なぜ、真昼間に常子が縁側にいるの?
続いての「青柳教育玩具」のシーンも意味不明。明るく清々しい晴天と言うのは良いのだが、なぜ真昼間に常子が縁側で座っているのだ。確か、前回で社長から会議のお題が出ていて、悩んでるはずなのに。これは会社が休みの日曜日と言う設定なのか?では、会議は土曜日だったのか?いや、アバンで出かけたからそれは無いはず。ホント、辻褄が合ってない…
「笑顔」がない本作で「笑顔=笑い」で話が進むのか?
そして、今回も自分の発想で無く、隈井(片岡鶴太郎)の言葉を盗んでそのまま会議で発表。これでは、常子が悩んで出した答えにちっとも見えないのが辛いところ。まあ、こんなことは小さな事だ。
問題は、隈井が「笑わすのが好き」と言った真意は、子どもたちを “笑わせる” ことではなく “笑顔にする” ことだと思うのだが、出版社のシーンでの常子の発言や社長らの会話では “笑いを取る” “笑いを作る” にすり替わってしまった。そう「笑顔=笑い」の解釈で話が進み始めてしまったのだ。
そして、この「笑顔=笑い」が曖昧のまま進むと、これまでの本作の脚本と演出と演技が最高に痛いことが露呈してしまうのだ。だって、笑顔にも微笑み、照れ笑い、苦笑、大笑いなどたくさんある。笑いにだって含み笑い、薄ら笑い、せせら笑い、作り笑い、思い出し笑い、高笑い、馬鹿笑いなどがある。
もうお気付きだろうか、これまで常子を中心に本作の登場人物たちの表情、俳優たちの演技は「笑顔」でなく「笑い」なのだ。常子で言えば、微笑みよりも薄ら笑い、照れ笑いよりもせせら笑い、大笑いよりも馬鹿笑いに見えなかったろうか。こう言う演技指導と演技の連続の本作で、これから “ユーモア” を扱う滑稽さと恐ろしさを感じたシーンだった。
あとがき
それにしても、2日経っても甲東出版がどんな本を出版しているのか見えてこない。こんな迷走状態でついに花森安治さんがモデルの花山伊佐次(唐沢寿明)が登場。多分、本作巻き返しの最後の栄養剤だと思いますが、ぐっさん、ミッチーもほぼ撃沈しそうな現状でどうなるやら…
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【これまでの感想】
[読書] 「暮しの手帖」とわたし (大橋 鎭子/著・花森 安治/イラスト・暮しの手帖社) 感想 ※平成28年度前期 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ,大橋鎭子の自伝
第1週『常子、父と約束する』
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第2週『常子、妹のために走る』
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第3週『常子、はじめて祖母と対面す』
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第4週『常子、編入試験に挑む』
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第5週『常子、新種を発見する』
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第6週『常子、竹蔵の思いを知る』
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第7週『常子、ビジネスに挑戦する』
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第8週『常子、職業婦人になる』
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第9週『常子、初任給をもらう』
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第10週『常子、プロポーズされる』
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第11週『常子、失業する』
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第12週『常子、花山伊佐次と出会う』
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