サイレーン 刑事×彼女×完全悪女 (第2話・10/27) 感想

関西テレビ・フジテレビ系『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』(公式)
第2話『刑事VS美しき女殺人鬼…暴け黒幕の影』の感想。
なお、原作漫画:山崎紗也夏氏の『サイレーン』は未読。
猪熊(木村文乃)は、全ての事件に関わるカラ(菜々緒)が自分をターゲットに定めたとも知らず、交流を続ける。里見(松坂桃李)は刑事課長・安藤(船越英一郎)の指示で、殺人事件の容疑者でその後、自殺とおぼしき遺体で見つかった乃花が、死の1週間後に予約を入れていた美容整形外科を訪問。院長の月本(要潤)から話を聞く。その一方で、猪熊と親しくするカラを警戒する里見は、客を装い彼女が勤務するキャバクラを訪ねる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
なぜ、引き延ばし感が強い演出に感じるのか?
第1話が超薄味の2時間スペシャルだったため、20分過ぎにデザイナーの公平(光石研)が登場して、やっと初期設定を思い出した。と思ったら、本編のような自動車のCMで再び緊張感の糸が切れた第2話。それにしても、どうしてここまで引き延ばし感が強い演出をするのだろう?
画面の中の情報過多は、映像をつらまなくする
ここで、昨日の記事『[読書] クライマックスまで誘い込む絵作りの秘訣 ストーリーを語る人のための必須常識:明暗,構図,リズム,フレーミング (マルコス・マテウ-メストレ/著・ボーンデジタル) 感想』について少し書いてみる。
世界的なアニメーターが脚本の意図をアニメや映画の構図にどう落とし込んで観客に伝えるかが書いてあるのだが、要約すると、そこに何が映っているかとは無関係に、構図によって観客に伝わるものがあると言う理論だ。だから、画面の中に入れる情報はより吟味しないと情報過多になってつまらなくなると言うこと。
この事を、念頭に置いて私の本作の感想を読んで頂けると、私が言いたいことが伝わると思う。
漫画チックな構図や演出が、引き延ばし感に通じる
前回も同じだが、本作に映像的な面白味を感じにくい。その理由は、カット割りやそれ以前の画面の構図が実に漫画チックになっていることだ。原作漫画は未読でも、1カット1カットの構図や撮り方、編集までもが漫画的なのだ。
本作の原作がそうと言う意味で無く一般論として、漫画は描きたいことのすべてを1コマ1コマの絵にして、台詞も独白も吹き出しに書いて、擬音や擬態語も文字で書き込む。読者はそれを自分の想像力で再構築して、漫画を楽しむ。しかし、本作は漫画と同じことを映像でやってしまっている。
漫画チックな構図やカメラワーク、場面の切り替えの速さ、息抜き的なメインの3人以外の描写、モノローグの多さなど、挙げたらキリが無い。ここに漫画とは違う俳優たちの演技や音楽、そして時間が加わるから、明らかな情報過多な状態だ。これでは押しつけが強過ぎて面白味が無い。
見せる部分と見せない部分を明確に分けたら?
その上、本作が「スピーディーな展開で描くクライム・ラブサスペンス」なら、より視聴者に見せる部分と見せない部分を明確に分けて編集すべきなのに、全部を視聴者に見せてしまうから、サスペンスと言うのに、興味のわく謎が解かり難い。まあ、「正体不明の美女」の正体しかないと言っても良い。
とにかく、面白くないとは言わないが、もう少し全体をまとめたらどうだろう。悪は悪として描き、メインの3人以外の描写は極力控えるとか。里見(松坂桃李)と猪熊(木村文乃)の恋バナも必要ならもっとしっかり描いた方が良いと思う。
あとがき
意図的に原作を忠実になぞりつつ漫画チックな演出をしているのかもしれませんが、私にはテレビドラマとして再構築して欲しいって感じです。まずは、見せる部分を精査して、「正体不明の美女」に注目できるようにしたらいいと思います。それと、俳優さんたちの一体感がもう少しあったらとも思います。
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【これまでの感想】
第1話
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