カーネーション:再放送 (第68,69回・2018/6/22) 感想

連続テレビ小説「カーネーション」

NHK総合・連続テレビ小説『カーネーション』公式
第12週『薄れゆく希望』の 『第68,69回』感想。


 私は本作を初見なので、ネタバレ等のコメントは無視します。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


【第68回】
善作の通夜と葬式で食料を使い切ってしまい、糸子(尾野真千子)は慌てて縫い子を買い出しに行かせる。しかし、小原家は闇商売をしているとウワサが立ち、売ってもらえない。洋服作りの礼に食料をもらうため、配給所に行かなかったことが誤解を招いていた。喪が明けるのを待たず、糸子は店を開けるが、今更ながらに世間の恐ろしさを知る。だが千代(麻生祐未)は、晴れやかに糸子の妹たちを励まし、小麦粉でだんご汁を作る。

【第69回】
大日本婦人会の澤田(三島ゆり子)がやって来て、モンペ教室を閉め、ミシンを供出するように糸子(尾野真千子)に迫る。思い悩むうちに、かつて善作の世話になったという、軍需工場でもうけている男性の話を思い出した糸子。軍需品を作れば供出を免れることに思い至り、大急ぎでその縫製の手はずを整え、ミシンは事無きを得る。その過程を振り返り、結局は善作に助けられたのかと、不思議な感慨を覚える糸子だった。
---上記のあらすじは[NHK番組表]より引用---

【第68回】本放送時は、2011年12月20日の火曜日…

第12週の火曜日。本放送時は、2011年12月20日(火)で、当時の年内の放送が12月28日の第75回だから、かなり年末の放送時に善作が亡くなったことになる訳だ。そして間もなく半年の半分が終わろうとしている、そんな第68回。

糸子が "世間" を知り、"変化と成長" をした15分間

善作が亡くなり、従業員たちを含めた大家族、大所帯の方が正しいか。大所帯を支えることになった糸子が、自分の気概や気骨だけでは何ともならない “世間” と言う “現実” を知り、周囲の人たちの助けを借りて、また1つ “変化と成長” をした15分間だった。

食糧が絶えた小原家の最大のピンチに、救世主現れる! の巻

それにしても、今回も「一話完結モノ」としての完成度の高さが光っていた。もちろん、誉め言葉であることは言うまでもない。「食糧が絶えた小原家の最大のピンチに、救世主現れる」と、でも言おうか。

その救世主も、この回のために作られた、ぽっと出のキャラクターでなく、これまでも小原家に絡んできたキャラクターの立場を少し変えて、まるで新キャラ風に仕立てたのが、まずお見事。

更に、その救世主・節子だけに手柄を与えずに、まず、いつもの千代の明るさとハルの知恵袋でピンチを乗り越えようと努力した上で、妹たちや縫い子たちの協力を経由して、節子に辿り着く流れが気に入った。

「アホやな…」までの心の変化が丁寧に描かれた

そして、今回も私が好きな、糸子の心情をモノローグから台詞に跨がって語るくだりにも、良いのがあった。

糸子(M)「配給を遠慮して行けへんかったんも ほんまや。
     けど… やっぱし そんだけとちゃう。意地もあった。
     うちの者をあの列に並ばさん事で
     うちは 自分を特別やて思おうとしてた。
     自分には そんだけの かい性があるんやて 思いたかったんや」
糸  子「アホやな…」

誰もいない店でポツンと呟いた「アホやな…」と言う結論に達する糸子の心の変化がモノローグで丁寧に語られている。カッコつけたポエムな台詞など一切使わなくても、登場人物の気持ちは十分に伝わる。そんなことも、再認識させてくれた。

濃度の濃さとテンポの良さが半端ない。やはり「名作」か!

あくまでも、主人公である糸子の気持ちの変化を中心に描きながら、周囲の人たちも描いて、更にメリハリもあるし、ラストはホッと出来る。

そして、丁寧な描写の積み重ねが、ドラマとしての面白さを支えているのは間違いない。「一話完結」でも「連ドラ」としても楽しめる『カーネーション』。間もなく半分が過ぎようとしているが、濃度の濃さとテンポの良さが半端ない。こりゃあ、確かに「名作」の予感がプンプン匂うぞ。



【第69回】今は亡き "善作のおかげさん" を描いた15分間

今回は、前回で善作がいなくなった糸子が “新生・糸子” へ大きく “脱皮” し始めた姿が描かれたような気がした。そして、今回の「脱皮エピソード」は、“糸子自身の頑張り” に加え、“善作の置き土産” であるミシンを始め、善作の仕事や交遊関係を絡めて描かれた。まさに、今は亡き “善作のおかげさん” を描いた15分間だった。

糸子が前回から "一皮剥けた" ことが誰の目にも明らか…

第68回の感想では、「一話完結」でも「連ドラ」としても楽しめると書いたが、今回だけを見た視聴者に対する配慮も欠かさない。こんなシーン↓にその配慮が見える。

糸子が、モンペ教室の挨拶を終えると、大日本婦人会の澤田たちが店にやって来る。「ちっ!」と舌打ちをして、敢えてイラッとしたのを澤田に見せる糸子。しかし、表情は一変し、こんなことを考える…

糸子(M)「いや 待て待て。このおばはんらかて 世間や。
     世間とは うまい事やらなあかんちゅう事を
     うちは よ~う勉強したとこや」
糸  子「ご苦労さんです。ちょっとすんません。
     今日は 何ですか?」

そして、モノローグが終わった途端に、更に表情は一変して、今度はにこやかにお辞儀をして、姿勢正しく店の入り口に正座した。

途中、まだ修行不足で怒りを抑えられない場面もあったが、最後まで見れば、澤田への糸子の見事な対応。もう、このシーンを見ただけで、糸子が前回から “一皮剥けた” ことが誰の目にも明らかになる。分かり易い描写、理解し易い台詞、これもまた本作の良いところだ。

終盤の糸子が遺影を見る表情に注目した!

そして、今回で私が注目したのが、糸子が善作の遺影に手を合わせる場面が意外と少なかったこと。いや、効果的にピンポイントで使ったと言うのが正しいかも。

そんなピンポイントの使い方の中で、特に上手いなと思ったのが、中盤でなく終盤で、澤田たちに軍服のアイデアとぶつけて、一山乗り越えたあとで、糸子が善作の遺影に手を合わせるシーンでの、糸子が遺影を見る時の表情だ。

糸子(M)「お父ちゃん ミシン どないかなりそうです。
     お父ちゃんが教えてくれへんさかい
     うち 自分で どないかしてんで」

最初は悲しみに寂しく見えたのに、モノローグの直前から糸子の表情は、ちょっぴりどこか誇らしげであり、善作への感謝の気持ちで見ているように、私の目には映った。

それが、演技によるものなのか、私の思い込みなのかは分からないが、とにかく遺影を見る表情から、糸子が自分の手柄でなく、“善作の置き土産” のおかげ…と魅せたのには恐れ入った。

そして、映像は時間が逆戻しになると言う、朝ドラらしからぬ “ハイカラ” な映像処理で、「やっぱし お父ちゃんか」の笑顔でのモノローグで締めた。やるなぁ。

あとがき

さて、先週末から月曜日の怒涛の展開で驚かされたと同時に悲しみのどん底から、今回の「立ち直り劇」へのドラマの流れが、戦争中の話なのに、暗さや辛気臭さがなく、明るく前向きなホームドラマに仕上がっているのは、本当に楽しいし、ドラマとして完成度が高いです。

また、何となく、糸子が、善作に似ていたようにも感じました。身内には厳しく、お客には頭を下げ腰が低く、ご近所さんには愛想よしで、一度キレると手が付けられないところが。その辺も、親子の繋がりを描くホームドラマの楽しさだと思いました。

最後に。前回の感想に 134回ものWeb拍手と数々のコメントを頂き、ありがとうございます。善作に似て来た糸子、どんな母親になって行くのか楽しみです。

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半分、青い。 (第71回・6/22) 感想

連続テレビ小説「半分、青い。」

NHK総合・連続テレビ小説『半分、青い。』公式
第12週『結婚したい!』の 『第71回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


裕子(清野菜名)が結婚してオフィス・ティンカーベルを去る日を迎えた。ここで思春期を過ごし、漫画に打ち込んできた裕子を、秋風(豊川悦司)や菱本(井川遥)は娘を送り出す気持ちで見送る。鈴愛(永野芽郁)は裕子が使っていた漫画道具を引き取り、秋風のもとでがんばろうと気持ちを新たにする。そのころ岐阜では、晴(松雪泰子)や和子(原田知世)らが、貴美香(余貴美子)の還暦パーティーを開催しようと盛り上がり…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

前々回、前回、今回の録画を何度も見直して分かったこと

前回の感想で、喫茶店でボクテの背後にいる女性客について誤ったことを書いたから、前々回と前回の録画を何回も見直した。そして、今回も。録画でも何度も見れば総合視聴率が上がるので、NHKの作戦にまんまと乗ってしまったと言うことになるのだが。

意味が不明瞭な台詞が多い

で、何度も見直して、何度も台詞を聞いて何が分かったのか。台詞の内容が不明瞭ってこと。当然、台詞が “ポエム” みたいで雰囲気重視で作られているせいもある。しかし、“ポエムな台詞” は良くも悪くも本作の特徴だから、ここで是非は問わない。

しかし、やり取りの中に1つでも “ポエムな台詞” が入ると、他の台詞が不明瞭になる。だから、結果的にそのシーンが何を言うために設けられたシーンなのかも不明瞭になる。

そして、こう言うシーンが次々と繋がって行くから、全体的に中身の薄い上っ面だけのエピソードの連続に感じてしまう、それが今さらながら分かったと言う訳だ。そして、今回の15分間なんて、台詞におぼれちゃったって感じ。かっこいい台詞の連発よりも、普通の台詞の中にピンポイントで “ポエム” の方が、台詞もドラマも輝くのに…

大人の事情が入る過ぎる

それと、大人の事情。大人の事情で岐阜のシーンや岐阜の登場人物たちを入れざるを得ないのは、何となく分かる。それでも私は、既に主人公は上京してそれなりに成功もしているなら、そのまま主人公を描けば良いと思う。でも、大人の事情で岐阜は入る。

そこで困るのが、東京編と岐阜編では、全体の俳優陣の存在感と演技力の差が大きいってこと。1分にも満たないシーンでも、岐阜の面々が画面に映ると、ざっくり言うとドラマらしく見える。で、直後に東京に戻ると…そう言うわけ。

そのためには、主人公の演技をもっと磨かないとって思う。当然一気になんて無理だし、少しずつ成長していくのも朝ドラの楽しみ。もちろん、演技指導も細心の注意を払って欲しいけど、本人にも頑張って欲しい。この脚本と演出で混乱・困惑しているかも知れないが、のちの「朝ドラ女優」と言う大看板のためにも…

あとがき

ネットの記事で読んでしまったのですが、来週は、4年時間経過して1999年、鈴愛は28歳になるそうです。来週で丁度半年の “半分” が終わりますから、来週いっぱいはこの調子でしょうか。7月に入って、東京編が始まったように、また違うドラマが始まるような感じだったら、前半の “半分” は何だったの? にならなければ良いですが。それまで見ているか分かりませんけれど。

最後に。前回の感想に、74回の Web拍手や数々のコメントを頂き、ありがとうございます。批判も応援もたくさんい頂きましたが、私がNHKの番組をどう見ようとどう感想を書こうと、私の自由です。間違いは認めます。修正もします。(基本的に)どんなコメントにも返信します。でも、私の感想が自分と同じなら拍手して、違えば叩くのは、同じ本作を応援する立場として、なんか違いませんか…

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カーネーション:再放送 (第66,67回・2018/6/21) 感想

連続テレビ小説「カーネーション」

NHK総合・連続テレビ小説『カーネーション』公式
第11週『切なる願い』の『第66回』と、第12週『薄れゆく希望』の『第67回』感想。

 私は本作を初見なので、ネタバレ等のコメントは無視します。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


【第66回】
ようやく回復してきた善作(小林薫)が無理をしないかと、糸子(尾野真千子)は不安でしかたがない。そこへ、善作の友人の木岡(上杉祥三)が石川県への温泉旅行を持ちかける。糸子や千代(麻生祐未)は心配するが、善作は旅行を楽しみにしており、しかたなく糸子は国民服を新調し、酒を持たせて送り出す。その夜、善作が書いたらしい「店主・小原糸子」の字を帳簿に見つけ、物思いにふける糸子のもとに、善作危篤の電報が届く。

【第67回】
危篤を知った糸子(尾野真千子)は隣家に駆け込むが、旅先にいるはずの善作(小林薫)の幻を見たと言われ、死を悟る。3日後、骨つぼを抱えて戻ってきた木之元(甲本雅裕)らを前にし、糸子は世話をかけたとわび、立派な葬式を出すと決意する。通夜でも気丈にふるまう糸子。だんじりの時の写真を前に、思い出話に花が咲く。しかし、手伝いに来た女性たちは、潤沢にある食料を怪しむ。そうとも知らず、改めて善作を思う糸子だった。
---上記のあらすじは[NHK番組表]より引用---

まえがき

大阪北部地方を中心に発生した地震により、被害に遭われた被災地域の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。被災地においては一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。 と言いつつも、我が千葉県も先ほど震度3発生。先週末から地震続きで心配です。

【第66回】脚本家と演出家が意識している時は…

第11週『切なる願い』の 土曜日だ。前々回で悪化、前回で快方に向かっていただけに、ついに善作が…と言った内容の第66回。

基本的に本作は「1週間縛り」を意識していないと書いているが、逆に脚本家と演出家が意識している時は、土曜日と月曜日でガッツリとドラマを盛り込んでくる。第67回は未見で書いているが、恐らくそうなるだろう。

通常回とは明らかに違う雰囲気が、心をざわつかせる…

とにかく、いつもの必要以上に自分の感情を台詞とモノローグで喋りまくる糸子は、一旦封印して、通常回とは明らかに違う雰囲気を序盤から醸し出して来た。この辺の、視聴者の煽り方や期待感の高ぶらせ方が本当に上手い。と言うか、今回のような物語の一大局面の時は、モノローグが極端に少ないのが、パターンでもあるのだが。

そして、劇中は昭和18年(1943)4月、ちょっと元気を取り戻した善作と孫たちの賑やかな朝のシーンから始まった…

糸子「ちょっと元気になったからって
   朝から ガミガミ ガミガミ…」

だって、糸子のこの台詞↑直後に、履物屋・木岡保男からこんな話題↓が展開されるなんて、誰が想像するだろうか?

保男「石川県のヤマギワ温泉ちゅうとこや」

なんと、完治していない善作を保男が温泉に誘い始めた。保男が友だちとして誘って気分転換させたいって気持ちも分かるし、地図やガイドブックを広げて幸せそうに寝ている善作を見た糸子が、渋々認めるのも実に自然な流れ。

以前の糸子なら善作と大喧嘩をするお約束なのに、ここでは善作の気持ちを考えて行動する。糸子の成長も、さりげなく描いているに違いない。

さりげないフラグの立て方が絶妙過ぎる!

そして、ドラマとしては、先程の「ガミガミ」の台詞のあとのモノローグの中で…

糸子(M)「罰当たりな事 言えるんも ここへ来て やっと
     お父ちゃんの具合が ようなってきたからやけど」

こんな↑フラグを立てられるのが、この脚本って本当に巧みだなって思う。先にフラグを立てておいてから、娘が父を思う気持ちを描いて、フラグっぽさを薄めている。だから、「しゃあない」「お守り代わりや」と国民服を縫う糸子の気持ちに、視聴者も寄り添えるし、軽快なミシンの音が糸子の気持ちを代弁しているようにも見える。

本作のキービジュアルになっている、その昔に善作が大枚を払って買って来たミシンが、久し振りに夕日に輝いて映ったのも、心にジーンと来た。

出納簿の文字を指でなぞる糸子に心がほんわかした…

糸子の知らぬ間に、勝のあとを継いで善作が書いていた店の出納簿? に、善作が「オハラ洋裁店 店主 小原糸子」と書いたと言うくだり。

(肝心な時の)言葉が少ない善作らしさを描くのに成功しているし、その自筆の文字を指でなぞりながら声を出して読む糸子で、善作が一人前に認めたと言う視点から、糸子が成長していることも描いている訳で、ちょっとしたシーンだが心がほんわかする、いいシーンだ。

雨の使い方も亡霊も天晴れ! これがテレビドラマだ!!

それだけに、突然の「小原さん、電報です」にはビックリだ。何となく察しはついていたものの、土曜日の残り3分弱でいきなりは、かなり驚いた。その後の展開は見た通りだ。本作は「雨のシーン」の使い方が絶妙なのは承知しているが、今回のラストも見事に雨を悲しみの象徴として描いた。

ラストの3分まで、決して主人公の糸子だけを目立たせるのでなく、温泉話を持ち込んだ保男に然り、終盤の保男の妻・美代に然り、きちんと糸子を中心に、善作は当然のこと、周りの登場人物たちを善作の温泉旅行に絡めて描いたからこその感動。善作の亡霊が登場しても、全く違和感を覚えない展開。

いや、むしろ最期の善作を見ることが出来たと言う安心感と言うか、満足感と言うか、い~や、やはり愛おしいキャラクターであった善作を失った悲しみと、糸子への共感を最大限に高めた脚本と演出と演技。これが、テレビドラマと言うものだ。こう言うのが毎日15分間を見続けて来たから味わえる朝ドラ視聴の醍醐味だ、と声を大にして言いたい。



【第67回】土曜に続いて、衝撃的な月曜日だ!

『薄れゆく希望』と題された第12週の月曜日だ。何がスゴイって、月曜日のアバンタイトルで土曜日の振り返りを入れるかと思いきや、アバン無しで、主題歌明けに土曜日のラストシーンをそのまま直結して来たことだ。

これ、本放送時はかなりセンセーショナルな月曜日に感じられたのではないだろうか。こうして再放送で連続して見ていても相当に衝撃的。これこそ、月曜日だから先週の総括を…なんて展開でなく、前回の感想の冒頭で書いたように、土曜日と月曜日でガッツリとドラマを盛り込んでくるパターンだ。

全体的に少々やり過ぎ感はあるが、こんな名シーンがあると…

さて、本編。予想通りにガッツリとドラマを盛り込んで来た。それも、善作を失った糸子の強い悲しみと、亡くなった善作の優しい人柄をここまで描いてしまうと、流石に予告編を見ている身としては、今週はまだまだあれこれ描く訳で、残りの5回分とのバランスを考えると、ちょっとやり過ぎ感を覚えてしまった。

とは言え、美代がまるで善作の幽霊とのやり取りを懐かしむように、静子、清子、光子に話す場面ではグッと来たし、こう言うシーンがあれば、やり過ぎ感も薄まるのは確か…

美代「「『これからも よろしい頼むで。
   うっとこの糸子は とにかく馬力だけの アホやさかい』」
静子「ほんま そんなん言うたん?」
美代「うん。とにかく『糸子を頼むで』ばっかし
   何回も言うてなあ…」

いいじゃないか! このラストシーン。毛布や目頭の涙とか…

そして、ラストシーン。疲れて祭壇の前で眠ってしまっていた糸子に千代が毛布を掛け、糸子の頭を軽く撫でる。すると、眠っている糸子の目から涙が流れた跡が見える。それを見た千代も涙ぐみ、ふと祭壇の遺影を見ると、写真の中のカンカン帽を被り、小原呉服店の半被を着た善作が笑っていた。

いいじゃないか! このラストシーン。千代が毛布を掛ける仕草や、眠っている糸子の目頭から今にも涙がこぼれそうな描写とか…

"善作の死" のラストを、遺影の笑顔だけで魅せたのはお見事!

もしかしたら、参列者や妹たちの会話で善作の優しさを語るのでなく、それこそいつも通りに糸子のモノローグと回想を交えて、やんわりと雰囲気重視で描いた方が、週明けの月曜日には優しかったかなと思う。土曜日と月曜日が強過ぎた印象ってこと。

でも、2回に跨がれて描かれた “善作の死” のラストシーンを、糸子と千代に台詞を与えずに、遺影の善作の笑顔だけで魅せたのはお見事。まだまだ、本作は私の期待を裏切らないようだ。

あとがき

第11週のサブタイトルの『切なる願い』は、八重子のことだと思っていましたが、まさかの展開でビックリしました。そして、 第12週は『薄れゆく希望』。今回、町内会長の一言から糸子が葬儀の準備を始めるくだりで、失意のどん底にある糸子が、それでも踏ん張る姿が描かれてのが良かったです。

それにしても、脚本家の思いが前面に出ずに、登場人物たちで物語が紡がれているのは楽しいし面白いです。「名作」と呼ぶファンが多いのも頷けます。今のところ…(苦笑)

最後に。前回の感想に 144回ものWeb拍手と数々のコメントを頂き、ありがとうございます。まさか、善作が亡くなるとは思わなかったので驚きました。予告編によると、益々暗い展開が続きそうですが、どうなるのか楽しみです。

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突然コマーシャルドラマ「名探偵コジン」 (2018/6/20) 感想

突然コマーシャルドラマ「名探偵コジン」 (2018/6/20) 感想

フジテレビ系・ドラマスペシャル『名探偵コジン』公式
『主演・金子ノブアキ/ストーリーテラー・滝藤賢一!探偵本人が事件の被害者になってしまうという奇想天外な物語をドラマ本編の中にCMを融合させる新感覚ドラマ』の感想。


  荒天の中、周りから隔離された山奥のペンションに一人の男が訪れる。 それは、主人公の私立探偵・萩原(ハギワラ)。 いかにも怪しいペンションに、いかにも怪しい宿泊客達。 その中に、彼の好みにドンズバの美女がいた。
  そして彼は思う 「この状況で殺人事件が起きれば、立場的に私がこの場を仕切って、華麗に事件を解決するパターンではないか、起きろ、殺人事件、起きろ!」 何と!彼の思惑通り殺人事件は起きた!!!しかし…被害者は私立探偵本人だった。
  「ええ、俺なの…殺されるの…」 背後から私立探偵を刺して逃げていく犯人。 残念ながら犯人の顔を見ることはできなかった。無念の中、息を引き取る萩原。
  しかし…そんな彼の無念が奇跡を起こす。 彼の意識は、亡霊となって消えることなく現世に留まる事ができたのだ。亡霊探偵となった萩原が事件解決に向かって立ち上がる! って亡霊は足が無いから立ち上がれないんじゃ無いの?
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:なし
脚本:森ハヤシ(過去作/五つ星ツーリスト~最高の旅、ご案内します!!~)
演出:後藤庸介(過去作/花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011)
音楽:羽深由理(過去作/花のち晴れ~花男 Next Season~(共作))

実際に見てみると、想像通りの仕上がりでがっかり…

ドラマの中にコマーシャルが組み込まれていると言う新感覚と言うか新企画のドラマらしいが、実際に見てみると想像通りの仕上がりで、工夫が際立ったとか斬新だったと言う感想は浮かんで来なかった。むしろ、「これが宣伝か」と思う程度。作り手さんたちは、第2作も作る気満々のようだが…

やり方次第では、面白いドラマが出来るかも…

もはや、ドラマの内容がどうこうと言うよりも、本企画で重要なのは…

視聴率を取れる人気者をどれだけ集められるか?
宣伝パートで、「またか…」と思わせないか?
最適な放送尺が「1時間」であるか?

上記の3つのような気がする。お目当ての出演者がいれば見たくなるだろうし、飛び道具が目新しいのは一度だけだし、今回の「1時間」は意外に長く感じたから、その辺が精査されたら興味深い作品が出来るかも。深夜で30分程度のコンパクトな作品の方が見易いかも…

あとがき

第1回は、推理モノで無い方が斬新だったかも知れません。製作費が掛るであろう医療ドラマなんかに宣伝が組み込まれたら、新しいって思えそう。やはり、シリアスに組み込んでこそ、宣伝が注目されると思います。果敢なチャレンジ精神に期待します。

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半分、青い。 (第70回・6/21) 感想 ※追記あり

2018/06/21 15:00 記事更新
連続テレビ小説「半分、青い。」

NHK総合・連続テレビ小説『半分、青い。』公式
第12週『結婚したい!』の 『第70回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
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裕子(清野菜名)のことを相談をしようと、鈴愛(永野芽郁)は人気漫画家となったボクテ(志尊淳)を喫茶・おもかげに呼び出す。そこに偶然、秋風(豊川悦司)が現れる。3年前の破門騒動以来の再会。鈴愛とボクテの密会に秋風は怒るかと思いきや、ボクテの力で裕子を助けてやってほしいと伝える。数日後、漫画ばかり描いていないで合コンした方がいいという裕子と鈴愛は口論になる。激しい口論の中、二人の本心があふれ出す。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

今回こそ、演出家がカメラアングルに拘るべき回だった…

秋風「今週号の『女光源氏によろしく』
   3ページ目4コマ目のアングルが弱い」

私が本作の担当ディレクターだったら…なんて、とんでもない自意識過剰な超がつく妄想で書くのだが。「何事も最初が肝心」だ。だから、この第70回の序盤の序盤の2分で、秋風の台詞の中に「アングルが弱い」と言う言葉が入っていたら、この回のカメラアングルには細心の注意を払わないと、作品の世界観を崩壊させてしまう…と、気合を入れると思う。

では、今週の演出担当である田中健二氏はどうだったか? 因みに、演出の田中氏は、現在再放送中で、今のところ私にとって名作の可能性大である(まだ観終えていないから断言はしない)の『カーネーション』のチーフ・ディレクターでもある。

 ボクテの奥にいた2人の女性客は何なの? 

 さて、その秋風が喋る喫茶店のシーンで、早くもアングル、と言うか画面サイズ的に不可解なものがあった。それは、ボクテの奥にいた2人の女性客。こちらをボクテたちをチラチラと何度も見るのだが、あれが誰だか気になって話しが頭に入りづらい(入らないとは言わない)。 

 これが、秋風やボクテのファンと言う設定でも分かっていれば腑に落ちるが、ただ存在しているだけだと前回の律のくだり同様に目障りだけ。無い方がスッキリすると思うが… 

撮影と編集がチグハグ過ぎて "裕子の真意" が分かり辛い

場面は、「秋風ハウス」で鈴愛と裕子のやり取り。ここのシーンは、カット割りがめっちゃ適当。画面の手間の隅っこに被写体を僅かに入れ込むことを「ナメる」と映像用語で言うのだが、その「ナメる」具合がとても中途半端。裕子の主張を鈴愛と視聴者に届けるなら、鈴愛は「ナメる」べきでない。なぜなら裕子とは違う考えの人だから。

逆に鈴愛の寄りのカットの時は、鈴愛が裕子に押され気味なシーンだから、鈴愛のカットに裕子が割り込んでもおかしくない。しかし、このシーンではほぼ全カット「ナメる」のが逆になっている。特に酷いのが横並びの2ショット。これでは、2人が対等の立場に見えてしまう。だから、裕子の真意が全く伝わって来ない。

   ●裕子は漫画を描いているのが嫌で、結婚に逃げたってこと?
   ●結婚したいから、漫画を捨てたってこと?

超好意的な脳内補完をすれば、どちらかだと考えることは出来るが、これまで裕子が漫画家を継続することや、結婚や結婚相手について、それこそ自身の将来について悩んでいる場面が、1つでも印象に残っていれば、どっちかであることは分かったかも知れない。

しかし、苦悩が描かれずに、結果だけを号泣しながら見せられても、こちらは口をポカーンと開けるしかない。まっ、どっちが裕子の真意でも、つい先日は「お互いを戦友」みたいに描いていた本作が、まだ連ドラとして崩壊の一歩を辿るのは間違いないような…

今回で "鈴愛の漫画愛" を描くのは "場違い" では?

だが、『結婚したい!』と言うサブタイトルから想像すると、明らかに「結婚したいから、漫画を捨てた」のだ。なのに、劇中の鈴愛は、「漫画家は機械じゃない。漫画も漫画家もスゴイ」みたいな論調で裕子を説得しようと11分過ぎまで描写が続く。これ、おかしいでしょ。裕子は「結婚したいから、漫画を捨てた」の。

要は、裕子にとって漫画より結婚の方がプライオリティーが高いってこと。だから、「漫画がスゴイ」で説得されるはずがないのだ。脚本家も演出家も、鈴愛の漫画、漫画家への情熱を “今さらながら” 描いたつもりだろうが、このシーンでやっても的外れも甚だしい。単に永野芽郁さんの涙の演技の無駄遣いだった…

裕子のアップに映り込んでいたピンボケのアシスタントって必要なの?

11分過ぎのティンカーベルでのシーンもしっくりこない。このシーン、いつもより引きの画(その場所全体が映り込むようなカメラサイズのこと)が多いだけで気になるのに、劇中ではそれなりに重要な話を秋風と裕子がしているのに、その背景となるアシスタントや鈴愛に対する演出的な配慮が…酷い。

まず、裕子のアップのずっと後ろにピンボケのアシスタントの男性が映り込む必要性は無い。冒頭で書いた喫茶店の女性客と同じで、画面に集中させない役割しか果たしていない。なぜ、こんなことをするのか全く分からん…。もしかして秋風の「単行本になった時に直しておきなさい」の通りに、総集編とDVD化で修正するの?

結局、演出と編集と俳優が "ポエムな台詞" の犠牲者に

結局、脚本家は “ポエムな台詞” ばかりに拘り、演出家は真意が分かり辛い “ポエムな台詞” の解釈に困って抵当な雰囲気作りで撮影し、そんな映像だから編集はさらに困って、今回のようにブツ切れの連続みたいになっちゃう。俳優が気の毒なのは間違いないが、視聴者としてそんなことを言って見ている訳には行かない…

あとがき

まるで、裕子が今さっき漫画家生活の怖さを知ったかのような口っぷりで熱弁をしていましたね。それに対して鈴愛もここぞとばかり漫画愛を爆発させていましたが、ここに至る過程、経緯が見たかったのです。なぜ裕子が辞めるに至ったのか。なぜ、鈴愛は裕子を必死に止める気持ちになったのか。そこが見たかったのに、結果だけ見せられてもなぁって感じでした…

最後に。前回の感想に、60回の Web拍手や数々のコメントを頂き、ありがとうございます。作家は漫画家と言う職業や、当時の女性の結婚観など、ちゃんと調査して書いたのでしょうか。でも、今回の唯一の救いは、秋風が言ったことが結構まともだったことです。それだけに秋風以外の台詞が空を切って終わって残念です…

【追記 2018/06/21 15:00】
冒頭の喫茶店のシーンで、ボクテの背後にいた女性2人は、第69回でボクテのファンとして登場していました。私の度忘れでした(謝)
しかし、あれれ?さんの拍手コメントで目が覚めました。最近、ほぼ惰性で見ている上に、ボクテの話ななんてどうでも良いと思いながら見ているので、忘れるのです。このミスで、今週いっぱいで感想を打ち切るか決める決心がつきました。永野芽郁さんを応援し続けたい気持ちは今でもありますが…

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