死役所 (第5話・2019/11/13) 感想

死役所

テレビ東京系・ドラマホリック!『死役所』公式
第5話『林晴也』の感想。
なお、原作の漫画、あずみきし「死役所」(新潮社バンチコミックス)は、未読。



ミチル(黒島結菜)の言葉で、ハヤシ(清原翔)は初めて「反省したい」と思う。シ村(松岡昌宏)に「振り返ることから始めてみては」と言われたハヤシは殺人の経緯を打ち明ける。始まりは高校2年生の時。ハヤシは父・雄作(草野康太)と不仲だった。祖父・清三(伊藤洋三郎)の葬儀後、雄作が吐き捨てた言葉はハヤシの出生の秘密。姉・理花(土居志央梨)は彼に寄り添うが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:あずみきし「死役所」(新潮社バンチコミックス)
脚本:政地洋佑(過去作/天 天和通りの快男児)) 第1,2,3,4,5
   三浦希紗(過去作/わたし旦那をシェアしてた)
   烏丸棗(過去作/映像作品 不明)
演出:湯浅弘章(過去作/増山超能力師事務所、ワカコ酒、探偵が早すぎる) 第1,2
   棚澤孝義(過去作/下町ロケット、半沢直樹、スパイラル~町工場の奇跡~)
   酒井麻衣(過去作/恋のツキ 第3、8、10話) 第3,4
   松本花奈(過去作/恋のツキ 第4、9話)
   蔵方政俊(過去作/リピート~運命を変える10か月~ 第1、2、7、8話) 5

ハヤシが「反省したい」と思う気持ち、がきちんと描かれた

ハヤシ(清原翔)の壮絶な人生を描くために、ハヤシの 幼馴染みの樋田まりあ(岡野真也)が “ハヤシの出生の秘密” を知った途端に、夫を嫌いになり浮気相手との間に子供まで作ってしまったのは、少々辻褄合わせとして厳しいとは思う。

が、しかし、確かにハヤシの壮絶な人生は描けていたし、今回で描くべき、ハヤシが初めて「反省したい」と思う気持ちもちゃんと理解出来た。従って、最後まで見れば、このエピソードで良かったと思う。

ここまでシリアスでシビアでヘヴィーなドラマを放送するのは、お見事!

やはり、40分間と言う1時間ドラマよりも短い放送尺で、ここまで登場人物の人生を掘り下げ、更に今回は、幾ら深夜ドラマとは言え、ここまでシリアスで、シビアで、ヘヴィーなドラマを放送するのは見事だと思う。

そして、今回は出番こそ少なかったが、終盤でのハヤシを説得する主人公・シ村(松岡昌宏)の存在感と必然性をきっちりと描いたのも素晴らしかった。

あとがき

目の瞬きで、シ村の感情を表現する松岡昌宏さんの演技力も素晴らしいですね、次回は、再び死役所職員でないエピソードのようで、楽しみです。

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スカーレット (第39回・2019/11/13) 感想

連続テレビ小説「スカーレット」

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』公式サイト
第7週『弟子にしてください!』の 『第39回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


火鉢の絵付けで一人前になるには、数年の修行が必要で、家族の世話や食堂の仕事で忙しい喜美子(戸田恵梨香)にはとても無理だと判明。喜美子がショックを受けて家に帰ると、大阪で世話になったちや子(水野美紀)が出迎える。ちや子は転職して雑誌記者になったと明かし、仕事ぶりをいきいきと話す姿に喜美子はやりたいことを諦めないといけない自分の境遇に涙が溢れる。一方、常治(北村一輝)は喜美子の見合い話を勝手に進めて…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

このアバンを見て、今週の演出家には少し光が射して来た!

絵付け仕事の修業が厳しいことを痛感した喜美子(戸田恵梨香)が夕景の中を帰って来る前回のラストシーンでは、何となく寂し気な雰囲気の中、 喜美子の一番下の妹・百合子(住田萌乃)のシャボン玉で遊んでいるが「喜美子姉ちゃん お客さんやで?」の台詞で始まった。

しかし、同じシーンを使った今回のアバンタイトルには、この前のシーンの丸熊陶業の「絵付け作業室」でのアコギの劇伴が、喜美子の家の前のシーンまで引っ張られた上に、このようなナレーション↓が追加されていた。

N「絵付けという仕事を なんと甘く考えていたことか…」

前回の15分間よりも、今回のダイジェスト版のアバンタイトルの方が、遥かに良く出来ている。端的に絵付けの仕事の厳しさを描き、ノックアウトされた喜美子を描き、仲良しの姉妹を描き、そして大阪を離れる際に直接別れを告げられなかった大阪で世話になったちや子(水野美紀)が、落ち込んだ喜美子を明るく出迎える。

いいじゃないか。劇伴の選曲もナレーションも編集も、前回と同じ演出家とは思えないキレの良さとまとめ方。前回では「今週の演出家が本作の鬼門」と書いたが、粗削りな演出だけに、やはり凸凹があるようだ。でも、このアバンを見る限りは少し光が射して来た。

こんな両親だから"しっかり者で働き者の喜美子"が育った…

主題歌明けの脚本も演出も良い感じだ。ちや子が、喜美子を待っている間に喜美子の母・マツ(富田靖子)から喜美子の現状を既に聞いている設定にしたことで、話の時間軸が一時停止しないし、説明臭さも省ける。

無邪気な妹・百合子と反抗期の妹の直子(桜庭ななみ)の対比も面白いし、喜美子が長女として姉妹にきちんと躾をしている姿も頼もしく見える。そう、ここが大事。

先日までは「クズ親」と書いていたが、あれはあくまでも客観的な表現で、私の思いは、自分の親なら困るが、ドラマとしては「親としてダメな常治とマツ」って感じで、あの親だから “しっかり者で働き者の喜美子” が育った訳で、ドラマとしては必要な設定だと思っている。

今回でもお客様が来ているのに、お土産で頂いた本をそのお客さんの目の前で寝転んで読んでいるのを母・マツ(富田靖子)は注意しない。注意したのは喜美子で、マツはお茶の話しかしない。これが、マツと言う母親なのだ。良くも悪くも喜美子に頼りっ放しの自由人。でも、だからだから “しっかり者で働き者の喜美子” が育った。そう、マツはこれで良いのだ。

大久保や大阪時代の回想シーンを入れない演出も評価したい

そして、そのお茶は、あの女中の大久保(三林京子)が、ちや子に持たしてくれたと言う。当然、私はあのお茶を飲んだことは無いが、「懐かしい! このお茶や いつもいれてた」と嬉しそうに喜美子がお茶を飲む姿と、その傍らのちや子を見るだけで、こちらまで “懐かしい味” に感じる。

途中から、バンジョーと口笛の切ない劇伴が流れて、女中の厳しい修行や初恋や失恋、美術学校の夢を諦めたりと、思春期の喜美子にとっては激動の3年間の大阪時代を思い出に浸る喜美子の姿に、私の本作を観て来た記憶も重なる。ここの、敢えて茶筒をちや子に渡す大久保や大阪時代の回想シーンを入れない演出も評価したい。

だって、本作の良い所は “先” が気になる作風を貫くこと。だから、これで良い。そいて、マツが直子をちゃぶ台に呼び寄せると言う、さり気ない動作も良かった。これが、ホームドラマと言うものだ。

秘密兵器の回想シーンは、こうやって使う…のお手本的演出

そして、ちや子が今は婦人雑誌の雑誌記者に転職したくだりで、琵琶湖の話になり、ここで喜美子たちが信楽にやって来る途中で琵琶湖に立ち寄った回想シーンが入る。この回想シーンを印象付けるために、ここまで回想を使わずに意図的に編集したのも分かった。

そう、回想シーンとは “やたらと使うものでは無い” のだ。最近は多用する演出家が多いが、基本的に回想シーンは脚本家と演出家の最終手段なのだ。これを知らないプロが多い。本来は、回想は絶対に回想シーンでなければ描かない時に使う秘密兵器のようなもの。本来は “ここぞ!” と言う場面でしか使うべきでない。

使わなくても、きちんと視聴者に伝えるように、丁寧に且つ常に “連続性” を保って書くべきなのだ。今回は、脚本も演出も、それが出来ている…と言う訳だ。

ちや子の熱弁シーンで会話と動作と劇伴が絶妙にシンクロ!

で、ちや子が男性社会の出版業界の仕事に就いた話を熱弁するシーンで、喜美子の心を揺さぶる台詞があった。

ちや子「グッとこらえて 頭下げて
    『どうしてもやりたい。やってみたい やらして下さい!』
    言うて 必死に思いを伝えて 一生懸命 掛け合うて…
    ほんで ようやっと 任してもらえることになったんよ」

「物事に感動したり共鳴しやすい心情」を「琴の糸(=琴線)が触れて鳴るさま」に喩える表現に「琴線に触れる」と言うのがあるが、文字通り、このちや子の台詞の途中で、ハープ(竪琴)の音色の劇伴が静かに入って来る。

ハープはちや子の行動力に共鳴した喜美子、ヴァイオリンの音色は波乱万丈の人生を振り返る “余裕” が出来たちや子の心情を奏でているように感じた。そして、喜美子には “余裕” がない。だから、夢を、やりたいことを諦めるしかない。

そして、喜美子とちや子の分かれのシーンでの二人のやり取りを見て、自分の境遇に涙が溢れる喜美子の背中を、大久保のお茶がポンと押したように見えたのは私だけだろうか…

姉妹の距離がちょっとだけ縮まったような、いい雰囲気…

場面は夕食時の川原家に、わがまま言い放題の父・常治(北村一輝)。自主的に風呂を沸かしに行った直子に、風呂を早く沸かす方法を教える喜美子。常治に日本酒と偽って、一升瓶に水を入れて騙そうとする姉妹の笑顔。

号泣した姉を見た妹、いつもと違う妹を見た姉、この姉妹の距離がちょっとだけ縮まったような、いい雰囲気。こう言うのが前回も欲しかったのだ。やり過ぎない演出を…

あとがき

ラストシーンの喜美子と照子(大島優子)の幼馴染同士の緩くて明るいやり取りと、「喜美子は 絵付けへの未練を捨て去ろうとしていました」の辛いナレーションの対比も良かったです。演出が、前回と同一人物とは思えない程の仕上がりだったと思います。

最近の朝ドラの傾向である「中弛みの水曜日」に、先週同様になりませんでしたね。それだけでお見事です。きちんと週の後半に前半のエピソードを繋げてくれました。どうか、この調子で週末まで!

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まだ結婚できない男 (第6話・2019/11/12) 感想

まだ結婚できない男

関西テレビ制作・フジテレビ系・『まだ結婚できない男』公式
火9ドラマ 第6話『見た目で判断して悪いか!!』の感想。
なお、前作の、「結婚できない男)は、鑑賞済み。



桑野(阿部寛)は、同じジムの薬丸(デビット伊東)が‘やっくん’だとにらんでいる。一方、まどか(吉田羊)の元には弁護士志望のいとこ・亮介が長野から手伝いに来る。亮介はまどかの母親から、娘に恋人がいるのか確かめるよう頼まれていた。母親と確執があるまどかに、桑野は皮肉たっぷり。有希江(稲森いずみ)の店でもまどかにずけずけ物を言い、有希江から非難される。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:なし ※結婚できない男 DVD-BOX
脚本:尾崎将也(過去作/アットホーム・ダッド、鬼嫁日記、結婚できない男)
演出:三宅喜重(過去作/結婚できない男、銭の戦争、嘘の戦争) 第1,2,5
   小松隆志(過去作/結婚できない男、家政夫のミタゾノ1,2,3) 第3,6
   植田尚(過去作/結婚できない男、まっすぐな男、鬼嫁日記) 第4
音楽:仲西匡(過去作/結婚できない男、うぬぼれ刑事、匿名探偵、黒服物語)
主題歌:持田香織「まだスイミー」(avex trax)

前作とは比較せず少し変化した桑野の楽しもうと見ているが

第1話は別にして、第2話から、13年前の前作『結婚できない男』とは “ほぼ違う連ドラ” だと思って見ているし、最近は13年経過して “少し変化した桑野” を楽しもうと思って来た今作『まだ結婚できない男』の第6話。

今更、興味の薄い脇役を掘り下げても困る…

確かに、連ドラとして主人公以外の登場人物を掘り下げるのは良いことだが、既に全話の折り返しのはずの第6話で、今更まどか(吉田羊)の家庭環境を掘り下げても、時すでに遅し…だし、そもそも殆ど興味のない脇役を掘り下げ、更にどうでも良いような内容を前半で延々と描かれても困る…としか言いようがない。

内容に新鮮味が乏しく、展開が予定調和過ぎる!

そして今回。結局 “やっくん” の正体についても、意外な程にあっさりと解決。まどかと母のプリンと帰郷の話も、終盤のまどかの電話で一発解決。要は、内容に新鮮味が乏しいのだ。前作があるから似たような内容に見えてしまうと言う弱点は元々あるのだから、もっと脚本家が工夫すべきなのに、毎度のエピソードが予定調和過ぎる上に、あまり興味関心が湧かない。

第2話以降に大きな変化がないし、今回なんて観る必要が…

なぜなら、折角の連ドラなのに、1話完結的なあっさり間で毎回終わってしまうし、事実、第1話以外は、桑野の部分以外をあれこれ変えて描いているだけで、第2話以降に大きな変化がない。となると、特に今回のような桑野がメインになっていない放送回なんて、観る意味あるの?ってことになる。この先、どうなるのか?

あとがき

積極的に「前作とは違う!」と思いながら観ていますが、今回は観なくても大丈夫だったような。むしろ “やっくん” の正体を引っ張ってくれた方が、最終回まで観ようと言う気が繋がったような。

前作から13年経過して、桑野は少し丸くなり、そこを楽しみにしているのに、13年経過して脚本家も丸くなっちゃって、ドラマにサプライズや尖った部分が減ったのが、現状の原因かも知れませんね。恐らく、残りは4話。何とか最終回まで、桑野の魅力を引き出して、楽しく描いて欲しいです。

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【これまでの感想】
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スカーレット (第38回・2019/11/12) 感想

連続テレビ小説「スカーレット」

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』公式サイト
第7週『弟子にしてください!』の 『第38回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


喜美子(戸田恵梨香)は火鉢の絵付けに没頭し、気がつけば夜に。慌てて家に帰った所、家族は父の常治(北村一輝)が大暴れした後始末の真っ最中。直子(桜庭ななみ)が酔った常治に物言いしたことが原因と聞き、喜美子は直子を慰めようと声をかけるが、直子は「みんな嫌い!」と言い放つ。翌朝、喜美子が向かった絵付けの作業場で予期せぬ事態が起こる。その頃、川原家には喜美子を訪ねて、元新聞記者のちや子(水野美紀)が来て…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

全体の1/4が終わったからこそ、今週の演出が心配…

前回の感想で、朝ドラ自体も本作も “初演出” の本作4人目の小谷高義氏に演出が交代し、不安もあるが撮影現場に新鮮な空気が入るのは良いことだと書いた。

そして、今回のアバンタイトルの演出だが、明らかにこれまでの本作の系列とは違っていた。特に、喜美子(戸田恵梨香)の悪夢?の描写。悪いかどうかでなく “違う” ってことが心配なのだ。

だって、気が付けば本作は既に「1/4」に到達しようと言う時点。従って、大阪での荒木荘が終わったと言う意味では「起承転結の承」の導入部。ここで大きく作風が変わると、今後に影響しかねない。だから、ちょっと心配になってしまった。

あそこまでクズ家族っぷりを強調しなければ良かったのに…

さて、主題歌明けの脚本と演出も、ちょっと心配。恐らく作り手たちは…

喜美子を取り巻く環境、特に川原家の両親を「舞台が昭和だから…」では済ませない程に、父の常治(北村一輝)は飲んだくれで借金作ってDV夫で、母のマツ(富田靖子)は見て見ぬふりで何もしない呑気な妻(前回では、喜美子のために隠れ貯金をし始めたことが描かれたが)の クズ両親“” に描き、妹の直子(桜庭ななみ)も喜美子へ反抗することで、“誰もが応援したくなるヒロイン” を作り出しているつもりなのだろう。

しかし、脚本もやり過ぎだが、今週は演出のせいもあって、クズっぷりが目に余るように映っている。やはり、本作は朝ドラ。一日の始まりだから、もう少しお手柔らかにお願いしたい。

と言うか、帰宅直前のシーンからちゃぶ台返しと直子の反抗を経由して「喜美子はな 喜ぶに美しいって書いて 喜美子や」とマツが言うシーンへのメリハリの付け方が適切でないと思う。もう少し凸凹を付けずにマツの喜美子の名前の由来のシーンに持って来ないと、「いいシーン」として受け止めに難い視聴者は多いと思う…

やってることは荒木荘と同じなのだが脚本が工夫されている

で、11分過ぎに、やっと前回の感想で予想した通りに、前回の絵付けが「一日体験教室」であったことが描かれた。これで、脚本については一安心だ。幾ら何でも、前回から喜美子が絵付けを仕事にするのは、展開が雑だし面白味がない。当然、イッセー尾形さんを起用した意味もない。

そして、深野心仙(イッセー尾形)のこの台詞↓から始まったやり取りが興味深かった。

深 野「仕事覚えてもな
    物になるまでは何年かかるか分からん」
池ノ内「僕は 1年とちょっと」
深 野「ああ 1番は早かったな?」
池ノ内「僕の場合は住み込みで 朝から晩まで
    みっちり修業させて頂いたんで」
深 野「せや よう泣いとったわ。
    涙と 鼻水と 鼻くそと 耳くそも出して」
池ノ内「1回だけです」
深 野「いや~ わしの見えんところで 何回 泣いたか。
    そんなんできる?」
喜美子「朝から晩まで…」
深 野「うん」
池ノ内「その間 一銭ももらわれへんし 当然だけど 無給や」

ここまで、面白い。要は、また一から仕事を覚えると言う点では、ベテラン女中の大久保(三林京子)に女中の仕事を一から教わったのと同じ展開なのだ。要は、これからやろうとしていることは、つい先日までやっていたことの繰り返しってこと。

同じことを違うように見せるのは大変だ。そこが本作の面白さに繋がる今後の大きなポイントになると思うから、注目したい。

食堂の場面の"家庭的な雰囲気"と"小さなドンデン返し"が良い

しかし、荒木荘での女中仕事のくだりの繰り返しとは言っても、そこは脚本が工夫されている。荒木荘での女中仕事には、実家での “経験値” があって、それが功を奏して、3年間で立派に独り立ち出来るまでになったのが描かれた。

しかし、今度の絵付け仕事は “経験値” がない。その上、無給。更に、脚本家は喜美子へ、こんなナレーションを被せた。

N「自分は なんと甘い考えだったかと 返す言葉も浮かびませんでした」

また、このナレーション直後の食堂の場面では、丸熊陶業の社員食堂で働く先輩のおばちゃん・緑(西村亜矢子)が食事を終えた職人たちに向かって、こんなことを言う。

緑「このあとも しっかり働きや? 遊びとちゃうねんで」

この緑の言葉に、洗い物をしている喜美子の手が止まる。すると、今度は食堂で働く先輩・八重子(宮川サキ)が会話に加わり…

八重子「ここの食堂の仕事
    うちと緑さんだけでもやれんねんで?
    ほやのに社長さん 新しい人雇う言いだしてよ」
 緑 「八重子さん…」
八重子「あんたが来て
    どっちかクビになるんかいて ビクビクしててんし」
 緑 「今更 そんなこと…」

ここまで、ちょっと過剰演出の節は無くもないが、脚本や演技については、喜美子が「今の自分の仕事は何なのか?」と「自分のやりたいことは何なのか?」を悩み苦しむ姿が描かれて、少々荒木荘での大久保と喜美子の関係とは違うなと思わせ…

八重子「ちゃう ちゃう ちゃう ちゃう… 仲ようしよういう話やし。
    お昼どき済んだら 暇んなるわな?
    あんたも 一緒におしゃべりしようさ。
    おしゃべり 加わらい?」
 緑 「お茶飲んだり お菓子食べたりよ?」

と、劇伴を会話劇の途中で止めて、きちんとメリハリを作ったし、朝ドラらしい “ほんわかした家庭的な雰囲気” を作り出すのに成功した。やはり、こんな感じの “小さなドンデン返し” を入れてくれると、朝から楽しくなると思う。

今週の鬼門は間違いなく "メリハリを付け過ぎる演出" だ!

そして、喜美子がおばちゃんたちと楽しく休憩するシーンになると思いきや、何かありそうな夕景に、考え込んだ喜美子が帰宅してくるシーンで、また急転直下。

…かと思いきや、喜美子の一番下の妹・百合子(住田萌乃)のシャボン玉から~の、元新聞記者のちや子(水野美紀)登場で、再び明るい雰囲気に。やはり、今週の鬼門は間違いなく “メリハリを付け過ぎる演出” だ。この演出家の週を乗り越えられるかが、今後の本作の仕上がりを左右するかも…

あとがき

ストーリーの展開自体は楽しいですね。信楽に帰って来た喜美子の人生に、早くも “山あり谷あり” と言う感じで。でも、1話の中で演出の緩急を付け過ぎるから、折角の“山あり谷あり” がジェットコースター展開に見えてしまっているのが、勿体ないです。何とか今週を凌いで欲しいです。

おっと、前作に比べるまでもなく、良く出来ている朝ドラだからこそ、ちょっとしたことが心配になりますし気になるのです。まだまだ期待は高まってます!

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シャーロック アントールドストーリーズ (第6話・2019/11/11) 感想

シャーロック アントールドストーリーズ

フジテレビ系・月9『シャーロック アントールドストーリーズ』公式
第6話『前世殺人?古いビデオテープが語る真相』の感想。
なお、原作の小説、アーサー・コナン・ドイル「シャーロック・ホームズ」シリーズ」は既読だが、全作品ではない。



高校生の綾香が家族に突然「ジュンちゃんを殺した」と話し、証言通り白骨遺体が見つかる。しかし、遺体は死後20年以上が経過しており、綾香に犯行は不可能だ。マスコミが‘前世殺人’と騒ぐ中、獅子雄(ディーン・フジオカ)と若宮(岩田剛典)は調査を開始。綾香に話を聞き、彼女が男に追い掛けられたトラウマから、母親の勧めで大学病院の精神神経科に通っていることを知る。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:アーサー・コナン・ドイル「シャーロック・ホームズ」シリーズ」
脚本:井上由美子(過去作/緊急取調室1,2,3)
演出:西谷弘(過去作/モンテ・クリスト伯、刑事ゆがみ) 第1
   野田悠介(過去作/コード・ブルー・シリーズ、ラジエーションハウス) 第2,4,6
   永山耕三(過去作/モンテ・クリスト伯、人は見た目が100パーセント) 第3,5
   平野眞(過去作/モンテ・クリスト伯、昼顔、ガリレオ、刑事ゆがみ)
音楽:菅野祐悟(過去作/半分、青い。リーガルV、東京タラレバ娘、刑事ゆがみ、偽装不倫)
主題歌:DEAN FUJIOKA『Shelly』(A-Sketch)

精神科のエピソードなのに、明確に獅子雄を中心に物語を構築!

今回も、本当に良く出来ていた。褒める部分は幾つもある。

例えば、早期の段階で容疑者が「前世で人を殺した」と証言する女子高生の高遠綾香(吉川愛)の治療をしている、既に退官しているPTSDの権威である平田初雄(伊藤洋三郎)教授の患者を引き継いでいる准教授の宇井宗司(和田正人)だと分かっているから、宇井と若宮(岩田剛典)の「精神科医対決」になってもおかしくないのに…

ここはしっかりと主人公である獅子雄(ディーン・フジオカ)を中心に物語を構築した。この程度のことも最近は出来ないドラマが増えているから、それをやっているだけで褒めたくなってしまう。

会話劇が多いため獅子雄の聡明さと本作らしさが際立った!

また、今回の容疑者が殆ど外出せず部屋から出ないから、当然のように獅子雄と宇井の直接な会話シーンが増え、その分だけ獅子雄の聡明さを含めた特徴が、これまでよりも際立ったのも良かった。そのため、物語としてはオーソドックではあるが、もちろん終盤の二人の会話劇を含めて、更に “本作らしさ” が明瞭になった。

綾香の本音を聞き出すのが精神科医の若宮と言う展開も見事

そして、綾香の本音を聞き出すのが、精神科医の若宮と言う展開も見事。しっかりと “助手” としての役割を演じさせて、「シャーロック・ホームズの世界観」を守った。作り手たちの「シャーロック・ホームズシリーズ」へのリスペクトさえ、しっかりと感じ取れる。

本当に 「シャーロック・ホームズシリーズ」を原作に、舞台を “令和の東京” に移して展開される痛快ミステリーエンターテインメントに仕上がっていると思う。

ラストで"守谷壬三"の名を出して"本作の闇"が更に深まった!

更に興味深かったのは、ラストシーンでの若宮のパソコンに記録された記録日記の、このナレーションに登場した “あの名前” だ。

若宮(N)「カナリヤ調教師は逮捕されたが
            この事件は思わぬ人物の記憶を蘇らせた
            守谷壬三 まるで 前世から因縁があったかのように
            あいつの心を捉えて離さないやつ」

私の記憶に間違いがなければ、守谷壬三(もりやじんぞう)と言う名前は、第3話『地面師詐欺という闇!死者の伝言は3本の小枝…』で一度登場している。

「シャーロック・ホームズシリーズ」が好きな人であれば、“守谷” の名からホームズの最大の宿敵 “ジェームズ・モリアーティ” と関連していると考えるだろう。ここを、ラストでさり気なく名前だけ登場させて、全話の折り返しとなった第6話で “本作の闇” が更に深まった。これは、なかなかの傑作の予感だ…

あとがき

今年4~6月に放送された『緊急取調室』でも怪演が凄かった吉川愛さんが、今回では全く違ったキャラクターを見事に演じてくれました。本作って、ゲスト俳優のキャスティングが上手いなぁと思います。

次回のゲストは、『モンテ・クリスト伯ー華麗なる復讐ー』にも出演されていた伊武雅刀さんと注目の子役・山城琉飛さんが出演予定。期待が高まります。

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シャーロック・ホームズの新冒険〈上〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
モンテ・クリスト伯―華麗なる復讐― Blu-ray BOX


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【これまでの感想】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話


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